測温抵抗体とはどんな原理?温度センサの仕組みを初心者用に解説

さて、電機の世界では当たり前に使われている『測温抵抗体』というセンサですが、まったくの知識がないと「なにそれ?」となりますよね。

誰にでも初心者の頃はあるにしても、電機関連の世界は幅も広く、しかも面倒な知識が必要なことがとても多いのです。

今回は、その測温抵抗体というセンサについて解説をしていこうと思います。

本記事が多少でも参考になれば幸いです。

 

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測温抵抗体センサとは?どんな仕組みと原理?

二つの監視カメラ

さて、センサという言葉を知っていも測温抵抗体という言葉は一般生活では馴染みがない人が多いでしょう。

要は『センサ』という温度や湿度などを測るカテゴリの中に存在する一種類が『測温抵抗体』というものなのです。

類似としては、『熱電対』というものがあります。こちらも温度測定で使われるセンサの種類ですが、本記事の測温抵抗体よりも製作される数量は多いでしょう。特徴については後程お伝え致します。

 

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【測温抵抗体の原理】

では測温抵抗体の原理からご説明しましょう。とはいえ、実はそんなに難しい話ではないのです。

中学生くらいに、理科の授業で電気抵抗値について習いませんでしたか?そう、オームの法則という単語を覚えている人は多いのではないでしょうか?

要するに電気抵抗値は電流の流れにくさを表す数値なのです。

 

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そして、この測温抵抗体というものは、熱を加えることでこの電気抵抗値(Ω)が増える特性を利用して測定する原理で温度を測定しているものなのです。

それは下記のように温度に対する抵抗値として基準が設けられ、これが大きく外れた数値でない個体が測温抵抗体センサとなるのです。ちなみに下記はPT100という種類のものの抵抗値表となります。

なお、単位は『Ω(オーム)』です。

【測温抵抗体の種類】

さて、測温抵抗体の種類をご紹介する前に一つ測温抵抗体の特徴についてお伝えしたいと思います。

載せた抵抗値表に一か所0℃に黄色のマークをつけた部分がありますよね。実はこれが測温抵抗体の特性を表す重要なものなんです。

そう、0℃で抵抗値がピッタリ100Ωになっているのです。この特性の抵抗値を持つものを、PT100と呼ぶ全体の出荷数量のほとんどを占める一般的な測温抵抗体の種類となります。

では、0℃が50Ωだったらどうなるのか?というと、『PT50』というものになります。現在はあまり使われておりませんが、古い装置についているものであれば使っているということもあるでしょう。

ちなみに、『PT1000』や『PT3000』という種類もあります。

かなりの高精度を要求するときなどに使用するものですので、初心者の方であれば『測温抵抗体=PT100』が基本ということさえ覚えておけば問題ないでしょう。

なお、先の抵抗値表はPT100の国際標準規格のものですが、かつては『JPT100』という日本規格の測温抵抗体があります。0℃が100Ωに変わりはありませんが、その前後の抵抗値がズレていくので、表示器などの受け側がPT100では使用できませんので注意しましょう。

なお、サーミスタという種類もありますがそれは下の方の項目にてご説明致します。

 

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【測温抵抗体の特徴 】

測温抵抗体は外枠の保護管内部に下記のようなものが入っています。

これこそが、測温抵抗体の感熱する部分で、セラミックやガラス芯の棒状のものになります。

ただ、割れやすい材質のものなので図のように保護フィルムを巻いたものが、下記のような形状をした先端感熱部の保護管の中に入っています。なお、このエレメントを包む外部の保護管の形状や仕様は千差万別となります。

 

測温抵抗体との比較対象となるのは多くが熱電対というものになりますが、その特徴の違いとしていくつかあげられます。

たとえば、熱電対が2本線に対して、測温抵抗体(PT100)は3本線であることです。A B Bと3本の線それぞれにつけられており、Bの2本は共通となります。それぞれ対象となる表示器側の端子に入れないと、温度が計測できません。

ちなみにPT1000などは2本線になります。特殊なものですので、基本は3本線と覚えておくと特殊例を除きおおむね判別に困ることはありません。

他には、抵抗値で測っているので熱電対のような電力ではなく、見えない電波などノイズの影響を受けづらいという特徴もあります。

そして材質は『白金』となるので、熱電対のような銅や鉄よりもやはり少々高価な金額となってきます。

ただ、その分精度は高く『クラスA』と『クラスB』のカテゴリはありますが、±0.3℃程度におさまり、理論的には-200~850℃を計測できるので範囲内におさまっていて、精度やノイズの影響を受けないことなどを求めるのであれば熱電対よりこちらを選択するのが無難です。

ちなみに、測温抵抗体の延長用リード線に何を使えばいいかわからなくて困っている人も多いですが、悩む必要はありません。熱電対は専用の補償導線というものがありますが、測温抵抗体には専用の延長用ケーブルといったものがありません

おそらく電機関係の会社でしたらお持ちだと思いますが、普通の銅線などといった、信号が繋がる線で断線さえしていなければ問題なく繋がるかと思います。

 

 

上記のようなものでも使用できますし、下記のような3線の物の方が測温抵抗体の3線に合っているので使いやすいかもしれませんね。

どれを買えばいいのかわからない、というのであれば下記のような3色分けされた線タイプの方がオススメです。

 

なお、安全対策の為や温度表示器などの受け側の問題などで、『信号変換器』を利用してアナログ信号に変えてから表示器に取り込むような場合もあります。これはケースバイケースなので、知識としては憶えておいた方がいいかもしれませんね。

 

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サーミスタってなに?購入はよく考えて!

基盤の画像

さて、最初の方にちょっと触れましたが測温抵抗体とは厳密には違いますが『サーミスタ』という特性が似たセンサがあります。

抵抗値の表を見ていただければわかると思いますが、温度が上がるにつれて電気抵抗が上がっていくのが測温抵抗体です。

しかし、サーミスタは逆の特性をもっていて、温度が上がるにつれて電気抵抗が下がっていくのがサーミスタというものなのです。

この特性の他は基本的に一般的な測温抵抗体と大きな変わりはありません。

が、安い!ということ以外、本記事では絶対にオススメはしないセンサの種類と申し上げさせていただきます。

もしセンサメーカーが売り込みに来て、安いからとサーミスタを勧めてきたらよく考えた方がいいものです。

いえ、あえて言えばメンテナンスの必要のない使い捨ての製品に使用するのであれば問題ありません。

問題があるとすると、長期での使用を想定したメンテナンスの必要な製品に使用する場合です。

負債は5年後、10年後にやってくるといっていいでしょう。

なぜなら、サーミスタは国際標準規格がなく販売する会社の独自規格の抵抗値表で製作しているものですので替えがきかないのです。

つまり、その会社の表示器とセットではないと使えないということを思い描いていただきたいのです。

現在サーミスタは需要が少なくなったおかげか、撤退する会社が増えていますがセンサというのは基本的に熱源にあてるので消耗品です。

交換が必要なのに、撤退・廃業などされては同じものを入手は永久に不可能になります。代替品を探そうにも、その会社独自の特性なので、たとえ別のサーミスタメーカーであろうとも、普通のセンサメーカーでも、どの会社も代替となるものは用意はできません。

加えて、セットとなる表示器もまたサーミスタの特性に合わせた物ですので、こちらも当然使用することが不可になってしまいますよね。

結果、他社の製品でも国際標準規格のものなら代替として使え、ただ交換するだけで済んだはずのものが大掛かりな改修になってしまうわけです。

販売側は安く、セットで提供しているのですが、その裏では自社製品を半強制的に継続して使わせるという思惑があります。

とはいえ、潰れてしまってはその供給の責任を果たせないですし、買った側だけがただ困った状況になるというものです。

なので、サーミスタを勧められたらよく考えるようにして、場合によっては普通のPT100(測温抵抗体)にすることを検討するべきではないかと思います。

ちなみに、それで物凄く困ったことになった装置のメーカーさんが非常に多いですので、安いからと安易にサーミスタを選ぶのは危険です。

 

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まとめ

さて、測温抵抗体についてまとめさせていただきました。

電気抵抗値を拾って、それをPT100が使える表示器に入れてやれば温度が出るのがこのセンサです。

精度もよく、ノイズ対策もしなくても使えるのがこのセンサになります。ちょっとお高くはありますが、使用状況に合わせて使えるようになりたいですね。

もし分かり辛ければ申し訳ありませんが、参考になるのであれば幸いです。

 

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