眠い時、あるいは疲れた時に飲む『栄養ドリンク』や『エナジードリンク』ですが、名称が違うだけで同じ物と思っているか、エナジードリンクはキツイ栄養ドリンクであると認識している人が多いのではないでしょうか?
誰もなかなかその違いを把握して明確に説明してくれないので、そう思うかもしれませんが実は違っています。
よくよく見てみるとまさに、栄養ドリンクもエナジードリンクも似て非なるものと言って差し支えないでしょう。
今回は、そんな栄養ドリンクとエナジードリンクの違いについて解説をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
栄養ドリンクとエナジードリンクの決定的な違い!
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さて、栄養ドリンクとエナジードリンクの大きな違いですが、結論からいいますと、
栄養ドリンクは医薬部外品であり、エナジードリンクは清涼飲料水というカテゴリーに分類されます。
医薬部外品と清涼飲料水、何が違うのか一般消費者にはサッパリですよね。
しいていえば、「医薬」とついているから何らかの医療効果があるんじゃないか?とイメージするくらいしかないでしょう。
「でも、入っている成分って同じでしょう?」
と何となく思う人もいるかと思います。
確かに、似た効果はあるでしょうがこの『医薬部外品』という名がつくということは、それだけ大きな違いがあるということなんです。
そもそも、栄養ドリンクという名前を冠するこの名前ですが、厚生労働省に許可された有効成分を配合したものが、栄養ドリンクとなり、医薬部外品という分類がされるのです。
それでは、この『栄養ドリンク』『医薬部外品』とつくと何が違うのでしょうか?
それは、滋養強壮の効果や栄養補給効能の記載が可能であり、さらにテレビや広告などで宣伝することが可能となることが大きいでしょう。
もちろん、許可を得ているということは義務を負うことになり、その成分配合には制限が設けられおり、表示もしなければなりません。
ですがやはり、
『滋養強壮!』『疲れた時の栄養補給!』
などと言われたら、思わず仕事でへろへろの時に手を出してしまうくらいの広告効果はありますので、多少の義務を負っても宣伝効果としては抜群といえるでしょう。
一方で、エナジードリンクは清涼飲料水です。ということは、他のジュース類と扱いは同じということになります。
だから仮に体に良い成分が入っていたとしても、滋養強壮や栄養効果などを表示も広告もできませんし、CMなどで宣伝することもできません。
とはいえ『モンスター』とか『レッドブル』とか『メガシャキ』とか効果を表示も広告もできない分、名前のインパクトで売っているところが強いですね。
タウリンが配合できるのは栄養ドリンクのみ!
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「タウリン〇〇mg配合!」
といったように栄養ドリンクのCMでよくいわれるのが『タウリン』という成分です。
栄養ドリンクの代表といえばリポビタンDというイメージがある人は多いと思いますが、多様な栄養ドリンクが出ているのでコンビニや薬局、スーパーなどで見かける機会も多いでしょう。
うっかり徹夜をしてしまって翌日の仕事や授業に響くことはありませんか?そんなときにはリポビタンD!かつて24時間働けますか?とリゲインがかつて栄養ドリンク市場に入ってきたときにCMでそう流していましたが、この働き方改革の時代。そんなブラッ[…]
そして、その栄養ドリンクのどれもがタウリンを配合したものとなっています。
というか、タウリンは栄養ドリンクにおいての代表的な成分といっていいかと思います。
しかし、
「タウリンってよく聞くけどなんぞや?」
という疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?
何となく凄いっぽい!くらいの感覚はあるでしょうが、案外その効果を問われて答えられる人は少ないと思います。
タウリンとは、簡単にいえば肝機能修復や視力・ストレス・疲労回復に効果的とされている栄養素で、人間の生命活動に必要なものです。
体内でも合成はできますが、不足分は体外から摂取して補う必要があります。だから疲れたときなどに栄養ドリンクを飲むと栄養補給としても効果的なのです。
ただし、このタウリンを使うのは医薬品か医薬部外品にのみ認められているものです。
だから栄養ドリンク以外でタウリンという単語は滅多に聴くことはないかと思います。
ということは、清涼飲料水であるエナジードリンクではこのタウリンを配合することは認められていないということになり、当然ながら入ってはおりません。
ですがその代替となる成分としてアルギニンという成分が入っています。
これが何かというと、血管を広げて血液を通りやすくする効果があるとされるものです。
厚生労働省の許可を得た正統派の栄養ドリンクに対抗するように、エナジードリンクもその成分に工夫がされているようですね。
栄養ドリンクとエナジードリンクの同じ栄養素
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さて、ここまでは栄養ドリンクとエナジードリンクの違う部分についてあげてきましたが、共通する部分について今度はあげてみましょう。
そもそも、これらは「疲れたとき」や「起きなければならないのに眠たいとき」「頑張りたいとき」などに飲むものです。
主に共通して含まれるのは、カフェイン、アミノ酸、糖質、ビタミン類といったところでしょうか。
カフェインは覚醒作用があるので眠気覚ましに効果的ですし、アミノ酸は筋肉疲労解消効果や、持久力アップなどの効果。
糖質はブドウ糖になり、身体のエネルギー源となるもので、ビタミン類は種類にもよりますが免疫力増強などの効果を持っています。
基本的に身体のエネルギー補給にはとても効果的な成分ではあるのですが、カロリーは高めですし糖尿病などには気を付けなければなりません。
それに、一番注意をしなければならないのはカフェインかもしれません。
適量であれば、その覚醒効果で眠気を覚ますことができるなどができるでしょう。むしろ、その効果を狙って栄養ドリンクやエナジードリンクを買うという人も少なくないと思います。
しかし、人間にはカフェインの許容摂取量があるのです。
世界中で飲まれ、親しまれているコーヒー。眠気覚ましにとコーヒーをがぶ飲みする人もいるようですが、ここに含まれるカフェインというもの。確かに眠気は覚めますが、カフェインを摂ったあとに気持ち悪い、動悸が激しくなった、頭痛がすると体調不良[…]
この許容摂取量を超えて摂取したら、頭が痛くなったり、動悸が激しくなったり人体に影響が出てくる場合があります。
最悪、カフェインの依存症になってしまうおそれもあり、飲み過ぎには注意が必要です。
とはいえ、栄養ドリンク類は実はカフェインの含有量に制限がかけられているので、一日一本程度飲むくらいでしたらコーヒー一杯より少ない量で済みます。
問題はエナジードリンクの方で、エナジードリンクにはカフェインを含む量の制限がないのです。
だからか、商品によってはかなり多量のカフェインが含まれたものも存在します。
このあたり、何も考えなしにただ寝不足だからなどといった理由で飲むのではなく、自身の健康の為にも一度ちゃんとどれだけ含まれているのか、健康的に大丈夫なのかを考えてから買った方がいいでしょう。
プラセボ効果で自分を騙す!
さて、最後に『プラセボ効果』というものをご存じでしょうか?
プラセボ効果とは、薬理作用のない薬という意味で使われるものです。
要は、飲んだのがただの水だったとしても、当人がこれは薬に違いない!と思い込んで飲んでいると、その効果が表れるというものなのです。
人間の思い込みはおそろしいもので、目隠しをしたまま熱い鉄の棒を押し当てると言いながら、氷の柱を押し当てると熱いと感じることができたりします。
すなわち、栄養ドリンクやエナジードリンクは飲んだら効果がある!と思い込んで飲むと、実際により効果が出たように感じるようになるということ。
まあ、あくまで思い込みですので個人差はありますが、こういったプラセボ効果を利用する意味合いでも『栄養ドリンク』や『エナジードリンク』といった名前は「飲んだら効果がありそう」という面で最適なのかもしれませんね。
とはいっても、盲目的にエナジードリンクを過信して飲み過ぎてしまうと身体に毒になることもありますので気を付けましょう。
まとめ
さて、栄養ドリンクとエナジードリンクの違いについてまとめてみました。
大きくは、厚生労働省に認可された栄養ドリンクかそうでないかという分類といっていいかと思います。
エナジードリンクが苦手で栄養ドリンクを飲んでいる人もいれば、逆もいるかもしれません。
とはいって、いくら効果的だとしてもガブガブ飲んでしまうと身体に毒になることもあります。まさに用法容量を守って適切に飲んでくださいということですね。