冷房・暖房はどういう仕組みなの?どうして温度調整ができるのか?

夏につける冷房。冬につける暖房。エアコンの冷暖房を切り替えて毎年部屋を快適にして過ごしているかと思います。

しかし、どのような仕組みで部屋を冷たく、そして暖かくしているかご存じでしょうか?おそらく、誰かに問いかけてもなかなかまともな回答が返ってはこないと思います。

今回はそんな不思議に思った人が知りたい冷暖房がどうやって空気を調整しているのか解説したいと思います。

本記事が参考になれば幸いです。

 

 


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冷暖房の仕組みとは?まずは事前に必要な知識

さて、まずは急いで回答が欲しい方に向けてざっくり一言で回答を申し上げましょう。

「冷房は室内の暖かい空気を外に排出しています」

「暖房は外から暖かい空気を取り込んでいます」

最終的な結論はこれになります。

ではなぜ、この結論になるのかまずは事前に必要な知識から説明していきましょう。

夏って暑い日は『打ち水』をすることがありますよね。少し時間が経つと涼しくなりますが、この理由をご存じでしょうか?

それは、水が蒸発して液体から気体に変わるときに熱を奪っていく性質があるからなんです。汗も乾くと一気に体温が下がりますが、これも同様の現象でして、これを『気化熱(蒸発熱)』というんです。

もう一つ話をしましょう。キンキンに冷えたジュースをグラスに注ぐとグラスには液体がつきますよね。これは、周囲から熱を奪って空気中の水分が液体になる現象です。

気体が液体になることで熱が放出されていくことを『凝縮熱』というのです。

これが前提となる知識になります。おそらく、大人であれば学生時代の理科の授業を思い出せば習ったかもしれないと思うかもしれませんね。

 

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冷暖房の仕組み解説

さて、前提となる「気化熱」と「凝縮熱」を利用してまさにこの自然現象を人の思い通りにした、機械的な現象としたのがエアコンの冷暖房機能なのです。

エアコンというものは、部屋に穴を空けて室内機と室外機をパイプでつないでいます。実はこの中に「冷媒」と呼ばれる気体が入っています。

この冷媒はパイプの中を循環し、熱を運んでいく気体(ガス)です。この冷媒は冷やすことで容易に液体になる物質が使われています。

ここで最初に結論としてお伝えしたことに、少し言葉を付け加えてもう一度お伝えしましょう。

「冷えた液体状の冷媒が、室内の暖かい空気を外に排出しています」

「熱した気体状の冷媒が、外から暖かい空気を取り込んでいます」

ということになります。要は暑い部屋から熱を奪っていくのが冷房。寒い部屋に熱を与えるのが暖房ということなんです。

この熱のやりとりは室内機と室外機のパイプを通して行われます。

おそらく、知らない人は室外機をただの排気口と勘違いしていることがあると思いますが、実は室内機も室外機も同じ「熱交換器」なんですよ。

『圧縮機』と呼ばれる圧力を上げて冷媒を圧縮させ、温度を上昇させるもの。『膨張弁』と呼ばれる圧力を下げて冷媒を膨張させ、温度を低下させるものを室外機と室内機を繋げるパイプの行きと帰りに片方ずつ挟み込んで循環させることで、室内・室外の熱のやり取りができるんです。

では、冷房でどういう動きになるかご説明しましょう。

気体である冷媒が圧縮機に入ると、その気体が圧縮されて温度が上がり、高温の気体となって室外機から排出されます。だから、夏場の室外機は熱い空気を出しているんですね。

そして、室外機の中では高温の冷媒が通過する際に自身の温度より低い外気温に熱を奪われて、液体になります。

その液体になった冷媒は膨張弁で膨張してさらに冷やされて、室内より冷たい液体になっていきます。そして、室内機をちょうど通るときに冷媒が蒸発して部屋の空気から熱を奪っていくことで気化して涼しい風を送り出すのです。

わかり辛いかもですが、以下の図のようにぐるぐると冷媒をパイプの中で循環させ、室内から熱を取り込んで室外に放出する動きを繰り返しているのです。

 

暖房はというと、単純にこれを逆回しにするだけです。

温度設定は、センサで室内の温度を見ながらこの冷媒の循環を動かしたり止めたりすることでおこなわれます。

ちょっと技術的ですが、温度の自動調節の仕組みは下記でまとめています。

 

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フィルターの掃除はこまめに!

エアコンには必ずついているフィルターですが、ここまでを理解されているのでしたらどうして必要で、こまめに掃除が必要なのか何となく想像がつくかと思います。

そう、すべては「空気循環」の為なんです。

エアコンは室内の暖かい空気を取り込んだり、室内に気化して送風することで必ずフィルターを通します。

まず、そうでもしないと室内の小さな埃が室内機に入り込んでしまい、埃が溜まっていきますよね。当然、故障の原因になってしまうことにも繋がります。

そして、これが汚れて詰まっている状態ですと、うまく空気を取り込めず送風することもできなくなってしまいます。すると先に説明した室内と室外の空気の循環が悪くなってしまいます。

つまり、それだけ利きが悪くなりエアコンは利きにくい状態だというのに適正な設定温度になるまで動きを止めることなく動かし続けなければなりません。それは燃費が悪くなり電気代の上昇が起こると同時に長い目でみれば寿命が短くなることに繋がるんです。

こまめにフィルターを掃除することでエアコンを効果的に動かし、余計な出費を抑えられることができるのですから、長くても数ヶ月に一回くらいは綺麗にしておきたいところですね。

 

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まとめ

さて、エアコンの仕組みについてまとめさせていただきました。

どんな仕組みなのか、普通の生活ではなかなか知るようなことはないのではないかと思います。こういったことは調べると学生時代に習った理科が役に立つようなことが多いんですよね。

技術者でもなければ、その構造を理解する必要はないと思いますが、こういった理由からフィルター掃除はこまめにしておいた方がいいと覚えておいた方がいかもしれませんね。

本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。

 

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