以前に、下記の関連記事より日本のお金に使われている金属というものをご紹介致しました。
案外当たり前すぎて逆に不思議に思わないことというのは日常に溶け込んでいるのですが、よくよく考えてみたら日本の硬貨で『どうして5円と50円だけ穴があるのか!』と疑問に感じたことはありませんか?
今回は、その理由と意味について解説をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
昔の5円と50円は穴がなかった!?
日本のお金というのは、一般的に1円・10円・50円・100円・500円・1000円・5000円・10000円です。
2000円札などもありますが、まあほとんどいまや見かけないので一般的に流通しているお金からは除外してしまってもいいかもしれません。
とりあえず、1000円・5000円・10000円に関してはお札ですので今回の話ではでてこないのですが、問題は1円・10円・50円・100円・500円の硬貨の方です。
金属や重さの違いは当然あります(下記記事参照)が、よくよく見ると5円と50円だけ不思議なことに真ん中にぽっかりと丸い穴が開いています。
普段何気なく使っているお金ですが、そこに使われている金属ってどんなものか知っていますか?おそらく10円玉と1円玉は知っているでしょうが、他はなんだろ?と思う人が多いのではないでしょうか。今回はお金にはどんな種類の金属が使われ[…]
他の硬貨では開いていないのに、どうして5円と50円だけ開いているのだろうと素朴な疑問をもったことのある人は少なくないのではないでしょうか。
ちょっと歴史をたぐってみますと、お金の単位というのは時代と共に変わるもので明治時代であれば1銭や2銭といった通貨が普通でその頃は1円2円などは高額だった時代があります。
ですので、現在の5円玉や50円玉が作られたのも比較的最近の時代になるわけで、
- 5円玉:1959年
- 50円玉:1967年
が初めて発行された年号となります。
さて、この最初の5円玉硬貨と50円玉硬貨。最初は実は穴がなかったのです。
古い5円玉いっぱい出てきた pic.twitter.com/oi654T5hDC
— 猫島 (@nkjm_82) June 30, 2018
だというのに、なぜ後になって穴を開けるようになったのでしょうか?
そこには3つの理由があったのです。
どうして5円と50円硬貨に穴が開くようになったの?
古い50円玉出てきた。確か磁石にくっついた記憶が…(^^; pic.twitter.com/ybGhjMy6s2
— JG2AS_JJY船動画廢人 (@jg2as) May 26, 2018
それでは、どうしてこのふたつが穴の開いた硬貨になったのかを解説していきましょう。
結論からいえば、
- 偽造防止
- コスト削減
- 他の硬貨との区別
といった三つの理由から5円玉と50円玉にだけ穴を開けられるようになったのです。
ひとつめの『偽造防止』に関してはおそらく一番想像がついた理由なのではないでしょうか?
古今東西、悪いことをわかりつつも自身の利益と楽にお金を増やしたいが為だけにお金の偽造というものはどこの国でもおこなわれている犯罪です。
精巧に造られた偽のお金は、パッと見て気が付きにくい為にうっかり市場に大量に流通してしまうということもありえるわけです。まあ、数十年前は海外でよくそんなことがニュースになっていたようですね。
ATMから偽札が出てきた、とかですね。どこの国とはいいませんが。
ですので、そもそも偽物を造らせないことが前提にあるわけで、お金の発行には偽造防止の為にふんだんに技術が使われているわけです。
それが、5円と50円玉に穴を開けるということだったわけですね。
続いて『コスト削減』ですが、小さな丸を開けた程度でそんなに違いはあるの?と思われがちですが、意外と地味に削減となっています。
というのも、5円玉は5%。50円玉では4%のコスト削減がされるとなっており、毎年大量生産をすると結構この数%が響いてくるものなのです。
下手な経費削減案を出すよりはよほど理にかなった意味のあるコスト削減なのかと思います。
かつてのバブル期は作れば物が売れた時代で、経費なんて誰も考えていませんでした。しかし、バブルが崩壊して以降、どこの会社でも言われるようになったのが経費削減。コスト削減です。不況が続いてその取り組み方はどこの会社でもするようになり、結[…]
さて、最後の『他の硬貨との区別』ですが、これは使用する国民に寄り添った考えといってもいいのかもしれません。
というのも、硬貨というのは普段は意識はあまりしないでしょうが、よくよく触ってみると穴の有無やギザギザ、大きさなどで手触りから簡単に判別ができます。
特にこれは目の見えない人や夜に見えにくい状態になっていても手触りで何となくわかるというメリットになり、非常に区別がつきやすいといった意味をもった種類分けができるわけです。
ちなみに5円、50円と続いてなぜ500円は穴が開かないの?と思うかもしれませんが、重さも大きさも他の硬貨と違って触っただけで判別しやすいからという理由があげられます。
このように、日本で使われる通貨としての硬貨はさまざまな面から考慮され、製造されているというわけですね。
まとめ
さて、日本の硬貨でなぜ5円と50円だけ穴が開いているのか?についてまとめてみました。
これはふとした日常で疑問に思うことはあるでしょうが、どうせ役に立たない知識だとすぐに忘れさられてしまう雑学のひとつかと思います。
しかし、ちゃんとこうして当たり前の生活の中にあるものでもちゃんと意味と理由があることを知ると知識の幅が広がるのではないでしょうか。
本記事が参考になれば幸いです。