多くの物語で、「金がなければマグロ漁船に乗って稼げやっ!」といった表現を使うことがあります。
それで「ああ、マグロ漁船って稼げるんだ」という漠然としたイメージをもつのではないかと思いますが、はたしてどれくらい稼げるかというのはご存じでしょうか?
勿論、稼げる人や稼げない人もいますが大体これくらいは稼げるという目安がありますので、ご紹介していきます。
本記事が参考になれば幸いです。
マグロ漁船ってどれくらい稼げるの?
では、お金に困った時に乗るとされているマグロ漁船ではありますが、一体どれくらいの稼ぎがあるのでしょうか?
月給で平均すると、
43万円くらい
となります。
あれ?意外と少ないな、と思った人もいるかもしれませんが一応は一般的にいう高給取りの部類にはなるかと思います。
とはいえ、これはあくまで平均。等級によって貰える給料はかなり変わってきます。
が、新人は員級Bというクラスにされ30~34万円程度となります。そこから頑張って一人前の仕事ができれば員級Aとして40万円程度となります。
ちょっと危ない漫画とかですぐにマグロ漁船に乗れば稼げるという印象があるかもしれませんが、現実はこれくらいでかなりのスキルを持った会社員レベルです。
逆に言えば、そういったスキルや経験なしでここまで稼げるのですから大きい金額と言ってもいいかもしれません。
しかし、ここでのミソは遠洋漁業なので陸に上がれないという一点に限ります。
つまり、1ヶ月以上、長くて半年や一年以上お金を使うことができないわけです。ということは、それなりの給料をもらったうえにお金を使えないので貯まる一方。結果、借金などの返済にも最適という図式なのです。
ちなみに、「海技士」という資格をもって航海士になると、一等航海士として48~58万円程度にあがり、船長になれば70万円以上。統括している最高責任者になれれば毎月100万円以上になるとされています。
これは学歴や年齢関係なく得られるものですので、100%純粋な実力主義の世界ですね。
なお、独立して自分の船をもち個人漁師になると年収0の人もいれば1億円にもなる人もいるので、実力や運などが備わっていないと難しいかもしれませんね。
マグロ漁船での仕事内容は?
では、マグロ漁船に乗った漁師の仕事内容は当然ですが、マグロを捕まえることに他なりません。
遠洋漁業として世界の海へと繰り出します。ですので、まさに何かがあればその命すらも危険な仕事です。
漁船の乗組員は、漁労長(船頭)を頂点に、看板員、通信員、機関員などの20~25人です。この全員が海の上にいる限り共同生活を強いられます。そして、最近では外国人船員も増えています。
綱引きでとる延縄漁と、釣り竿で一匹ずつ釣る一本釣り漁でマグロを捕まえるのが有名かと思います。ただ、延縄漁は縄を海に投げ入れる作業、そして回収する作業を一日15時間以上おこないます。
周囲は100%体育会系ですので、のんびり休んでいられるような時間はありません。
ゆえに、たとえ船内が綺麗で個室があろうと、憩いのスペースがあろうと現代の奴隷船のようなイメージとなってしまうのは容易でしょう。
マグロ漁船で働くにはどうすればいいの?
漫画の影響などで一般人にとってはあまりいいイメージがないマグロ漁船ではありますが、マグロ漁船に乗る為にはどうすればいいのでしょうか?
裏ルートでもあるの?と思うかもしれませんが、全国漁業就業者確保育成センターが主催する就業支援フェアで探すことができます。
そして、インターネットにてマグロ漁業者協会サイトにマグロ漁師の求人を集めたものもあるんです。
つまり、探すのはそんなに難しいものではありません。
マグロ漁船に乗る為に学歴や資格などはまったく必要なく、あるとしたら長時間労働に耐えられる身体。そして力と根性でしょうか?
勿論、狭い船内で長期間暮らすのでコミュニケーション能力なども備わっていないとキツイかもしれませんね。
根性を鍛えなおす為にマグロ漁船に乗せられた、という話もありますが覚悟の無い人が働くには厳しすぎる環境ではないかと思います。
長期間家に戻らなくても平気な人、身体を酷使し続けられる覚悟などはなければなりません。
逆に言えば、長期間何かから逃げたいと思っている人にとっては最適な環境なのかもしれません。
ちなみに、マグロ漁船に乗ったことでそれを学びとし、先々に生かしている人もいます。
マグロ船仕事術―日本一のマグロ船から学んだ!マネジメントとリーダーーシップの極意
上司の思い付きでマグロ漁船に乗せられた人が著者という、どことなく非現実な現実をノンフィクションで書いた本です。
こういった啓発本は著者本人主観なので誇張されている部分もあるかもしれませんが、読みやすくて面白いので興味があればぜひ読んでみてください。
まとめ
さて、マグロ漁船についてまとめてみました。
厳しい仕事ではありますが、船の持ち主にもよりますが意外と漁船の中は広く快適となっています。
お金を使えないということは、自動的に溜まるということにも繋がりますので確かに稼ぎは大きく支出も少ないでしょうし、拘束時間の長い肉体労働ですのでこれくらいの報酬は当然と言えば当然なのかもしれません。
とはいえ、30~34万くらいなら肉体労働系の仕事や営業の仕事なら転職先としてあると思いますので、この辺りは自由を犠牲にして稼げるとはいえ考え物かもしれませんね。
本記事が参考になれば幸いです。