関東は濃い味で関西は薄味だけど、同じ日本で何で違うの?歴史の雑学

普段からあまり旅行のしない関東の人が関西にいくと薄味と感じられ、逆に関西の人が関東にくると濃い味であると表現します。

たしかに、そもそも汁物の色も違いますしこれは昔から言われていることです。

しかし、距離はあれど同じ日本国内なのにどうしてこうも地方によって濃い味と薄い味で違ってくるのでしょうか。

それは、昔からの生活習慣によるものだったりします。

今回は、そんな関東の濃い味と関西の薄い味の歴史の雑学について話をしていこうと思います。

本記事が参考になれば幸いです。

 

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関東と関西の味付けは違う

普段は何気ない毎日の食事、そして毎日あちこちの地方にいってあちこちの食事を食べているという人は一般人で普通の生活をしている人はそう多くはないでしょう。

だからこそ、たまに旅行で遠出をしたときに気が付くこともあるものです。

「関東の味も汁も濃い!!」

「関西の味も汁も薄い!!」

と話には聞いていても、実際に食べ比べなくてはちょっとわかりにくいところ。

ですがたとえば、うどんなどは代表例かもしれませんね。関東の物は関東側の人には当たり前ですが汁が黒くて、味も濃いことが多いかと思います。

一方で関西の物は関西側の人には当たり前ですがあっさり目の汁で見た目も比較的薄いように感じます。

地方ごとに郷土料理など味付けが珍しいというものはありますが、関東も関西も同じ日本の同じ日本人の生活圏であることからこうも差があるというのは不思議なものですよね。

さて、この違いはいったいどこで生まれたのでしょうか?

それを知る為にはかなり時代をさかのぼらなければなりません。

 

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関東の濃い味と関西の薄い味は戦国時代以前の名残

さて、日本の首都はどこでしょうか?と問われたら『東京』というのは常識中の常識です。

数多くの日本の中心となる行政機関が集まり、大企業の本社もあり地方から人が集まってくる世界でも有数の大都市です。

ですが、そんな東京が日本の中心になったのは前身にあたる『江戸』が始まった頃からでしかありません。

要は徳川家康が江戸幕府を『関東』で開いたことが現在の東京が日本の中心になった最大の要因といっていいでしょう。

それまでは、というと『京都』が日本の中心であったことは歴史を知る人であればいうまでもありません。つまり、関西ですよね。

実はこの関係が食事の味付けにも影響を及ぼしていたといっても過言ではないのです。

というのも、江戸時代までは京の都が日本で一番の都会で、関東はかなり離れた田舎というわけですし、そもそも治水などあまり土地としてもいいものではありませんでした。

さて、田舎のイメージと言うと農業ですよね。関東武士なども平時は農業にいそしんでいたわけです。

ともすれば、肉体労働が毎日の生活の中心となるわけで、膨大な汗をかきます。汗をかくとミネラル分、つまり体に必要な塩分が足りなくなってしまうことになってしまいます。

つまり、自然と食事の中で塩分を補給しようとした結果、関東は濃いしょうゆ味が広がって定番となったわけです。

では関西はというと、京の都では田舎である関東に比べて都会の為、知的な人間が集まり国を動かしていました。

要は肉体労働は少なく、食の発展など文化をリードする体より頭を使う立場の人が多かったからこそ、労働者が必要とするレベルの塩分は必要なく、薄味が主流となったわけです。

歴史の中でも有名な話としては、京にのぼった織田信長が「味付けが薄い!」と激怒して嘲笑されたのは知っている人は多いかと思います。

当時はそれくらい味の違いがあったわけですね。

 

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関東の味は濃い、関西の味は薄いは現代では錯覚でしかなかった!?

さて、ここまで言ってきたことをひっくり返してしまうようで何なのですが、

「実は関東の方が味は薄く、関西の方が味は濃い」

というのが本当のところです。

というのも関東の方は『濃口醬油』が一般的に使われています。

が、関西の方では『薄口醤油』が一般的に使われているものとなります。

なら、名前の通り関東の方は濃くて関西の方は薄いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、

「濃い、薄いは色だけの問題」

となっております。

実は、関西で使われている薄口醤油の方が2%ほど塩分が高く、味としては濃いのです。

ですので、醸造の時の糖分とアミノ酸の反応で色を調整しているだけで実は塩分濃度は逆なわけです。

ではなぜ今でも関東は味が濃くて、関西は味が薄いと言われ続けているのかというと、まさに料理の色から得た視覚情報による錯覚であるといえるのではないでしょうか。

色が濃いから、味も濃いであろう。色が薄いから味も薄いだろう。

そんな一般的な感覚から、錯覚しているのであると考えられます。

 

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まとめ

さて、関東と関西の濃い、薄いの味の違いについてまとめさせていただきました。

実際、あまりふたつを並べて食べ比べをしてみたという人は多くないと思います。ですので、昔からのイメージでどうしても関東は濃い味。関西は薄い味という先入観から、そう思ってしまう部分もあるのではないでしょうか。

本記事が参考になれば幸いです。