いちかばちかの大勝負!というように、よく勝てば天国負ければ地獄のような賭けに入る場合に使われる言葉です。
さて、当たり前の言葉としてなんとなく使ってはいるものの、どうして『1』か『8』なのか気になったことはありませんか?
今回は、そんな「いちかばちか」の言葉の始まりについて解説をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
いちかばちか、は元は賭博用語だった
改めて、よくここぞというときの勝負事のときに「いちかばちか!」と念じるように言って勝負に出ることがあります。
たとえばバスケットボールの試合時間ラスト数秒のときに、たった一点差。逆転をかけて本来難しい長距離からのシュートを放つとき、うまく決まれば逆転。はずれたらそのまま負けが決定などの場面で思わず口にする言葉ですよね。
あるいは、バトル物のアニメなどで苦戦を強いられている時、生死をかけた最後の技を繰り出すなど、まさに成功すれば天国。失敗すれば地獄という場面によく使われます。
ですが、
「なんで『1』か『8』なの?」
とちょっと言葉の意味について冷静に考えたことがある人は少なくないと思います。
漢字にすると『一か八か』ですので、数字に当てこんでいるのは間違いないでしょう。
結論からいえば、元々は博打用語として使われていたものとなります。
ギャンブルといえば、いまは競馬や競輪、競艇やパチンコ、海外風にいえばカジノのようなものが一般的に思い浮かぶかと思います。
しかし、時代劇などでみるように江戸時代などちょっと昔にさかのぼると日本はサイコロを使ってお金を賭けて遊んでいました。
『いちかばちか』の元となったのは、その丁半博打です。
丁半博打は知っているけど、ルールを知らないという人もいるかと思いますので簡単にルールを説明しますと、胴元が『賽(さい)』と呼ばれる外目からは見えない籠の中にサイコロをふたつ入れ、かぶせたまま床におきます。
そのときでた、サイコロの目が偶数なら『丁』で奇数なら『半』としてどちらが出るかを賭けるのが基本ルールです。
最終的には当たった方が負けた方のチップを奪えるのですが、文字通り一文無しで身ぐるみはがされるまでのめり込む人がいたわけです。
昔からギャンブルにハマってしまう人は多かったというわけですね。
さて、つまりは大負けしている人が最後の賭けに大きく出て『一か八か勝負!』と出たのがこの丁半賭博なのですが、どこに一と八の字が出てくるのでしょうか?
それは、
『丁』
の字の上が一となること。
そして、
『半』
の字の上が八に見えることから、語呂もよかったのでしょう。
ここから『一(丁)か八(半)か』という言葉が生まれたわけです。
こじつけのように見えなくもないですが、昔からの言葉の成り立ちの多くはこんなものです。
ちなみに、異説も存在します。
とはいっても、同じく賭博から生まれたというのに変わりはありません。
丁と半ではなく、サイコロの目として一がでるかしくじって罰になるか。
「一か罰か」から転じて『いちかばちか』になったという説ですね。
いずれにしても、賭け事をしていた人たちから生まれた言葉ということには変わりはなく、負けこんで切羽詰まった状態で一発逆転を狙う表現であることは間違いはありません。
まとめ
さて、一か八かの生まれについてまとめさせていただきました。
日常生活でも、あまりよくないことが続きどうにかしたいときに「いちかばちかこれをやってみるか!」と最終手段のように言ってなにかを行うことがあるかと思います。
このように、現在では浸透した言葉ではありますが元をたどれば過去のギャンブラーが作った言葉というのが何だか俗っぽいですよね。
日本の単語の多くが、元は何かの表現や意味があってつくられたものが多いので調べて見ると面白いかと思います。
本記事が参考になれば幸いです。