一見丁寧な「ご理解ください」という言葉は魔法の言葉ではない!

よくクレームなどを出した会社が「ご理解ください」と報告を出すことがありますよね。

NHKなどもお金の徴収時に「受信料で成り立っていますのでご理解ください」と都合のいい魔法の言葉のように言ってきます。

この「ご理解ください」という言葉に対し、少々まとめてみたいと思います。

本記事が参考になれば幸いです。

 

ご理解くださいという言葉とは

さて、会社を相手にしていると「ご理解ください」「ご理解いただけますよう、お願い致します」などといった言葉をもらうことがあります。

一応この言葉は「ご」が尊敬語で「ください」が敬語にあたる為、ビジネス上では敬語として使われます。

ちなみに、この意味合いはご存じでしょうか?

『理解』という意味合いを国語辞典で調べてみましょう。

・物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。「理解が早い」

・他人の気持ちや立場を察すること。「彼の苦境を理解する」

とあります。

要するに「わかった」「了承」ということですね。

ということは、「わかってください」「了承してください」という言葉の意味に言い換えることができます。

ですので言葉・メールなどといった文書で使われることがあるんですね。

ただ、このフレーズを使っている人は本当に理解して使っているのでしょうか?次の見出しではそのことについて、述べてみたいと思います。

 

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ご理解くださいはカチンとくる言葉

さて、「わかってください」の意味がある「ご理解ください」という言葉ですがこれが相手にとって、とても失礼であることを理解して使っている人がどれだけいるでしょうか?

確実に使っている人の何割もがその意味を理解しないで、聞き覚えのある言葉だからと使用しているのではないでしょうか。

そもそも、『理解』という言葉自体が、その単語だけで通じる言葉になります。そして、

「理解しろ!」

などと相手に叩きつけるような言葉で使われるようなこともありますよね。

意味合いとしては「わかって欲しい」や「事情を察してくれ」というものではありますが「理解」という単語が入っていることで印象としては、どこか強制するようなものに聴こえてしまいます。

事情と人の受け取り方によっては、「わかれ!」とか「いうこと聞け!」と捉えられる場合があります。

例えば、

「ご注文いただきました納期が1ヶ月遅れます。申し訳ありませんが、ご理解ください」

「お客様からご注文をいただいた誕生日ケーキの材料がそろいませんでした。すみませんが、ご理解ください」

など、何の事前連絡もなくいきなり言われたらどうでしょうか?物凄くカチンと聴こえませんか?

そもそも、こんなことを言われて「理解します」となるでしょうか?

これは完全に相手の事情を考えていませんよね?それがどんな意図があろうと、人というのは勝手な解釈をするものです。

「なんの対応もしないで、分かれ!……なんてふざけんなっ!その一言で理解しろなんてありえない」

と考え、神経を逆なでさせることでしょう。

クレームなどで都合よく魔法の言葉のようにこの言葉を添える人がいますが、内容と状況によりけりで挑発と捉えられてしまうこともあります。

日本人は、同調感情が強くあまり他者とぶつからない大人しい民族ですので「仕方ないな」と理解を示してしまう人もいますが、このような物言いを本来目上である顧客を相手に使う人間は無知で失礼な人間であることは間違いありません。

相手の心情を理解しない無能な社会人と言い換えてもいいくらいです。おそらく都合の悪いことを押し付ける為に便利に利用しているだけでしょうね。

クレームなどの相手の担当者や個人が読むようなもの、そして顧客のような目上を相手にする場合は丁寧さが欠け、むしろ失礼となってしまう可能性があるので使用はしない方が無難な言葉ではないかと思われます。

特に、相手の感情を逆なでるようなものは大クレームへと繋がってしまうおそれもありますので、気を付けた方がいいでしょう。

 

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ご理解くださいが妥当な場面と代わりの適当な言葉

では、この「ご理解ください」と使ってはいけないのか?というと使ってはいけないわけではありません。

時と状況を考えずに使えば反発される言葉ですが、ちゃんと妥当な場面では添える言葉としては効果的でしょう。

【ご理解くださいが妥当な場面】

この言葉が使える場面は、不特定多数の大勢の人間を相手にして、本当に仕方のない状態であればちゃんと理解を示してくれる効果的な言葉となります。

たとえば、2020年7月より買物におけるビニール袋が有料化となりましたが、これはスーパーなど販売店側にはどうしようもありませんよね。

このように抗うことのできない事象については「理解はしたくないけど、仕方ない」という感情の方が強くなる為に理解されやすい言葉となります。

ただし、NHKの受信料のように国民から徴収した金で年2000万円の超高額年収をもらったり、横領や無駄遣い当たり前などといったことばかりやっているところの言葉は、同じ言葉でも理解され辛く反発心の方が芽生えるでしょう。

年収を大幅に下げたり、不正をなくせば徴収料金が下がる。視てもいないのに払わされれる。CMを入れればそもそも徴収しなくてもいいのではないか?そんな部分が大きければ「理解はしない」となるのは必然です。

結局のところ、言葉や文字は人と人を繋げるものですので、失礼・失礼ではないというものは聴き手や読み手の感情に左右されるものです。

努力すればどうにかなるようなものについては理解はされにくいですが、相手がどう頑張ろうと社会全体の取り組みで皆に伝えるような言葉であれば、理解はされやすいということですね。

【ご理解くださいに代わる言葉】

ご理解くださいという言葉が個人などに向けられるとカチンとくる言葉だということをここまでお話してきましたが、では相手にとって受け入れやすい言葉というのはどのようなものでしょうか?

人は、押し付けられると反発心が出てくるものです。なので、

「大変申し訳ありませんが、ご了承をいただけますと幸いです」

「ご了承のほど、お願いを申し上げます」

といったように柔らかく、相手の感情の逃げ場があるように「お願い」という形式で相手に委ねるようなものにするのが一般的に誰を相手にしても通用する言葉です。

誰しも、無駄に怒ることで力を使いたくはありません。押しつけがましい強制するような言葉であれば怒るようなことでも、お願いされたら無下にはできないのが人情というものです。

特にビジネスにおいては、そんな言葉一つで客を失うこともあり、多大な損失になってしまうこともありえます。

時と場合を考えて相手に伝えたいものですね。

 

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まとめ

さて、ご理解くださいという言葉についてまとめてみました。

かなり都合よく魔法の言葉のように使う人がいますが、相手の感情を逆なでていることを理解しないで使っている人がいるかと思います。

ビジネス用語とはされていますが、本来は目上の者に対して使うことはないものです。使用するにしても、状況を考えて使いましょう。

本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。

 

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