――――自分はこういう意見である!
個人の考え方は千差万別。そう言って、他者とは違う意見であることを主張する人がいるのは当然です。
考え方はそれぞれ違うから人間の個性がそれぞれ出るものですが、意見が違う相手が自分側に意見を変えさせようと試みて失敗すると、
「あの人は頑固だから」
とまるで意見を変えないのを悪いことのように言ってくる人がいます。
これってどうなんでしょうか?今回はそんな都合よく頑固という人に対してのお話です。
ひとつの意見として読み物としてお楽しみください。
頑固な人とは?
「頑固職人」や「頑固な製法で作った〇〇」など、こだわり通したという意味で使われる”頑固”ですが、その一方で「頑固おやじ」や「頑固なヤツ」といった悪いように言われることもあります。
いい言葉ともいえるし、悪い言葉ともいえるこの『頑固』という言葉ですが、果たしてどういう意味合いで使われるものなのでしょうか。
ちらっと調べてみると下記のような形で出てきました。
かたくなで、なかなか考えや態度をまげようとしないこと。また、そのさま。かたいじ。かたくな。
「頑固」の意味は かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。
うん。読みようによっては何となく説明文の印象からあまりいい意味としては捉えられないような感じですね。
しかしその一方で、ただ自分の意見を通している人というようにも見ることができます。
『改めようとしないこと』というのは、ちょっと悪い表現のように思えますが、どちらにしても主観視点を変えるだけでどちらともいえるので、どう読んだかでどちらの立場かが分かれるのではないでしょうか。
頑固という言葉を都合よく使うな!同調圧力の気持ち悪さ
さて、学校や会社など組織的な集団でいると必ず個々に考えがあり、意見が分かれるものです。
大抵は多数派と少数派でわかれてしまい、少数派の人が意見を変えないと、
「頑固なんだから、少しは協調しなさいよ」
とあたかも少数派の人が意見を変えないのが悪いように言ってきます。
ですがこれ、本当に悪いのでしょうか?
嫌なことや違うと思うことをわざわざ我慢して協調する必要ってあるのでしょうか?
たとえば、多数派の意見を受け入れてしまうと間違いなく誰かが損をする、あるいはマイナスになって不利益になるようなこともあるでしょう。
こだわらなければならない部分を、こっちの方がいいからと簡単に変えることができない場面もあるでしょう。
そういった、自分に都合よく相手が意見を変えないからって『頑固』というのは違うのではないでしょうか。
それは、
- 自分を持っている
- 折れない自分の意見を持っている
- 信念がある
といったものであり、悪い意味での頑固とは少し違うような気がします。
しかし、多数派は「普通は~」「みんなは~」「こっちの方がいいでしょう?」といったように同調圧力で迫ってきてなぜか個々の考え方を認めようとしません。
自分がいいと感じたからって、他人もそれがいいとは必ずしも感じるわけではないのになぜでしょうね?
結局、それを理解できない人は他人の中、組織の中でしか生きられないような人たちですので、自分で独立してなにかを成し遂げるような器の人ではないでしょう。
あなたは自分が多数派の考えをしていると思っていますか?それとも少数派?訊き方を変えてみましょう。あなたは、他人と一緒の考え方がいいですか?それとも自分で考え、突き進む方ですか?実はこの考え方によって、成功する人と失敗する人。[…]
そういった主体性のない集団が同調圧力を生んでしまうので、非常に気持ち悪い状態になってしまいます。
とはいえ、明らかに間違っていることをわかっていたり、ちゃんと理解もしていないのに「昔からこれだったからこうなんだ」という頭が硬い人に限っては『頑固』という言葉がぴったりかと思います。
頑固な人との付き合い方、うまい説得の方法とは?
ここまでお読みになっていただいた方、何となく意見を曲げない人って付き合いにくいな、と感じるかもしれません。
しかし、そういう人って一本筋の通ったしっかりした人が多いので、付き合ってみるととても信用感のある人であることが多かったりします。
さらにいえば、一度その人の懐に入れば絶対に裏切らないような義理人情がある人が多いようです。
むしろ、ふらふらと多数意見にふらふらコロコロと乗り換える人こそ簡単に味方を裏切る傾向にあります。
そりゃあ、集団の中で都合よくその人たちの中での常識とか普通とか多数意見にあてこむだけで『自分』という主体性がないのだから、信用できない人間になってしまうのも当然ですね。
さて、そんな頑固な人との上手な付き合い方ですが、とにかく顔を合わせて会話の回数を増やすことです。
まずは相手の信用を獲得しなければ話になりません。
人間は心理的に相手と会った回数、言葉を交わした回数で親近感が湧いてくるものです。
いくら同じ組織内部の人間同士だとしても、普段から言葉をさして交わしていないのでしたら、信頼なんてされるはずがありません。
面倒そうな人、というのは第一印象だけかもしれず、実際に付き合ってみると義理堅い信用できる人ということはよくあるものです。
ちなみに、そんな頑固そうな人を説得する方法は、意見をちゃんと聞いたうえで、どこまで妥協できるかを提案しあうこと。そして、メリットをきちんと提示して極力相手の判断で変えた、決めたということにすることです。
そういったタイプは、他人から急に何か変更や決定事項が伝えられたとして、そこに納得いくものがなければ反発し、かたくなになっていくでしょう。
頑固な人を説得するには、上辺だけの説得ではなく心から納得させなければその意見を変えることはまずないと思った方がいいかと思います。
まとめ
さて、頑固ということについてまとめてみました。
自分の意見に相手がそぐわず、意見を変えないからと都合よく”頑固”と相手にいう人がいますが、やりたくないもの、やる必要性を感じないものを押し付けようとして何を言っているんだと思うことがありますよね。
価値観や、信念などは人それぞれですが、言っても反対されたから、同調圧力に応じないからと『頑固』と称するのは間違っている気はしますね。
本記事が誰かの参考になれば幸いです。