アラームセッタとはなに?計装初心者向けの警報器基礎知識

アラームセッタというものをご存じでしょうか?要するに警報器ではあるのですが、急激な温度の上昇や下降、危機管理などに利用されるものです。

しかし、このアラームセッタですが使ったこともない、よくわかっていない人には「なんだこれ?」となるかと思います。

だって、警報器だというのに警報のランプが回るわけでもブザーが出るわけでもありません。

ええ、じゃあ何に使うの?そんな計装初心者の方に向けて今回はアラームセッタについて解説していきたいと思います。

本記事が参考になれば幸いです。

 

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アラームセッタってなに?

さて、冒頭で述べたようにアラームセッタというのは要は警報器のことになります。

警報器と言われると、火災報知器のようにジリりりりりりり……とけたたましい音を立てながら鳴る物を想像される人が多いかと思います。

基本的にはその考えでまったく差支えはありません。

しかし、残念ながらこのアラームセッタにはその音を鳴らす機能はついていません。

それもそのはず、だってアラームセッタというものはどの警報装置を使っても問題ないように作られたものですから

つまり、音を鳴らしたりするものは別に組み込んで、アラームセッタ自身は感知するだけの制御装置の仕組みを持っているということです。

 

本当にざっくりとわかりやすく図にするとこんな形でしょうか。

基本的にアラームセッタからは、警報が入るとリレー接点で出力されます。

※外部リレーを本来とるべきでしょうが、便宜上外させていただきます。

警報装置は電源が入れば、作動する仕組みになっている為、リレーの接点が入ったら自動的に警報が働きますし、切れたら当然働きもなくなります。

ちなみに、こちらのリレーがそもそもわかっていないという人は下記記事をご参考ください。

 

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要するに、アラームセッタというものは現在の状況をモニタリングして、基準を超える状況になったら入る自動スイッチのようなものなのです。

ちなみに、アラームセッタにおいて接続する警報装置は多様にあります。

例えば……。

  • 警報ブザーを鳴らして危険を知らせる
  • 異常を感じたら装置を自動的に止める
  • 温度が上がりすぎたら冷却材を散布する

など回路の組み方や、つける警報装置の種類によってやりたいことが多岐に渡って便利に組むことができます。

何せ、電源の自動スイッチのようなものですので自由度が高い安全装置の大本になる部品ということですね。

 

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どのような動きができるの?

さて、警報を入れる為の自動スイッチのようなものと解説してきましたが、どのような設定でアラームセッタというのは動作するのでしょうか?

基本的には、入力されているセンサ(熱電対・測温抵抗体・アナログ信号)から温度や湿度、圧力やPH値などを読みとり、異常な値を感知したら警報を出せ!という命令をするのがアラームセッタの動きです。

しかし、その設定はあらかじめ人間が決めなければなりません。そうですよね、温めるのか冷やすのか、上げるのか下げるのかも機械は判断できません。

そして、特殊な動きをさせないのであれば、下記の4つが代表的な警報動作の設定内容になるでしょう。

※圧力とかではわかり辛いと思うので便宜上、温度で説明します。

【上限警報】

一般的にもっとも利用されるのが上限警報という動作になるかと思います。

温度であれば、温度が上昇しすぎた場合によく使われる動作なのです。下記の図を見てください。

普段100℃で安定させている装置が、何らかの部品が壊れてタガが外れて温度がぐんぐん上昇してしまった状況のものだとお考えください。

このまま上がり続けると、装置が温度に耐えられなくなって壊れてしまうかもしれませんよね。場合によっては人的被害が起こってしまうことも考えられます。

ですので、このようにあらかじめ設定する温度を決めておき、それ以上の範囲の温度になったら警報接点を出して装置を止めるなり、冷却材をかけるなり、音を鳴らして注意喚起をするなりすることができるようになります。

【下限警報】

上があれば、下があるのは当然で下限警報というものもあります。

温度上昇に比べたら危険は少ないですが、冷房や冷凍庫・冷蔵庫といったものの温度が下がりすぎてしまうというのも問題ですよね。

まさに上限警報の逆の動作をするのが下限警報です。

上記図は5℃で設定してある冷蔵庫が何らかの故障で下がりすぎたと思ってください。これでは、飲み物などが凍ってしまい困りますよね。

ですので、一時的に冷蔵庫の電源を切ったり、エラーランプをつけたりと回路で様々な対応をすることができます。

【待機機能付上限警報】

さて、上限警報と下限警報はそれ以上、あるいはそれ以下の温度になった時に警報装置が動くという認識なので難しくないかと思いますが、『待機機能付(メーカーによって違うかもしれません)』の警報動作というものがあります。

この待機機能というのは、電源を投入時に警報動作の範囲に入っていても警報を出さないという特徴があります。

ですので、このように〇がついた場所からスタートしたとしても警報は動きません。

ただし、一度警報範囲外に入るとこの待機機能は解除されますので、再び警報動作範囲に入ると警報が出る仕組みになっているんです。

なので、常温が警報動作範囲だったり、どうしても高いところからスタートの場合などに有効的に使える動作となります。

【待機機能付下限警報】

こちらは逆の待機機能付の下限警報の動作になります。

これまた、常温スタート等の時に警報が出てしまっては都合が悪かった場合に使う機能となります。

上限警報含めて応用すれば、多彩なことができるかもしれませんね。

【余談 ヒステリシスとは?】

なお、このアラームセッタにはヒステリシスと呼ばれる「あそび」の設定ができます。警報の設定値付近でうろうろされたら警報が入ったり切れたりを繰り返すだけですよね。

なので、温度であればしっかりと温度が落ちるまで警報を出力し続け、また警報設定値にきたら警報を出すという機能があるんです。

ですので、上記の上限警報の図でいえば一度150℃まで上がったら120℃までは警報を出しっぱなしにして、また150℃になったら警報を出すという動きもできます。

これを応用するとこの警報動作を使ったまた別の複雑な機械のオンオフができるようになるのですが、最初はこういう機能があるということだけを覚えておけばいいでしょう。

 

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アラームセッタは高い!そんなあなたに温度調節計

では、安全装置の為にアラームセッタを買おう、もしくはこれから使うから当記事をご覧になってくれた方もいるのではないかと思います。

一応、最初に言っておきます。アラームセッタの相場は高いです!!

2点・4点の出力をする警報器が一般的なアラームセッタなのですが、これが単純な機能の割に実に高く、メーカーによっても違いますがおおよそ定価で7~9万円くらいかかります。

後は仕入の関係や状況によりますが、5万円以上が多くの会社で購入されている相場というものです。

実はこれ、昔から形成されてきた相場というヤツで納得して購入している会社がまだまだ沢山あります。

しかし、あえて当ブログではこういいましょう。

「温度調節計の方が同じ機能で安くね?」

と。

実はどこのメーカーでも販売されている温度調節計ですが、アラームセッタと同じように警報出力が最低でも一点搭載されているのが普通です。

大抵がオプションをつけて警報が2点。それも48角・48×96角・96角と大きさも選べ、機種によっては4点や5点も警報出力として使えるんです。

しかも値段も1~3万円程度と高くてもアラームセッタの半分以下程度の金額というのですから、もし経費削減などを言われるのであれば一考してもいいのではないかと思います。

もちろん、「温度調節計」ではなく「アラームセッタ」あるいは「警報器」という名目がなければならないのであれば別ですが、こだわりがなかったり、経費が問題視とかであれば選択肢に入れるのも一つの手です。

ただし、設定はちょっとアラームセッタに比べたら複雑です。本機能が温度調節なので仕方ありません。

いずれにしても安全の為に試験は重要ですので、やってみる価値はあるのではないかと思います。

 

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まとめ

さて、アラームセッタの基礎知識についてまとめてみました。

ちょっと機能があって複雑だと考える人もいるアラームセッタですが、一度憶えてしまえば警報動作も含めてさほど難しいものではありません。

お伝えした通り相場も高く、意外と経費削減をうたいながら気付いていない会社が結構ありますので装置を作る際の考慮の参考になればと思います。

本記事が参考になるのであれば幸いです。

 

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