テレビを視ているとよく、「書類送検されました」とか「今後は民事にて争うことになります」とかよく聞くと思います。
しかし、民事裁判ってなに?刑事裁判ってなに?書類送検って逮捕されないの?どういう扱い?と疑問になったことはないでしょうか?
自分は事件に関係ないからとぼんやり何となくこういうもんだ、と聞き流してしまう人が大勢だと思いますが、気になると知りたくなるのが人というものです。
ですので、民事裁判と刑事裁判、そしてどうやって逮捕されて罪状が決まっていくのか解説をしていきたいと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
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民事と刑事の違いってなに?
さて、民事裁判と刑事裁判。どちらも警察が関わって逮捕された案件なんじゃない?と勘違いしている人もいますが、実は違います。
結論からいうと、
民事は個人や法人間の紛争
刑事は個人(犯罪者)を国家が罪状を決めて裁くもの
という考え方で間違いないと思います。
つまり、民事事件は日常生活で行われている法律上の争いというもので例えば、
- 貸したお金を返してくれない
- 土地は誰のもの?
- 会社が従業員に対して異常な減給をした
- 離婚するから子供の養育費を決める、あるいは払わないから払わせたい
などといった、あくまで違法な犯罪にあたらない個人間、あるいは法人との争いなどといった話し合いでは解決しないようなものが対象となります。つまり、民事裁判とは警察が関与していないものを裁判所に法に照らし合わせてもらい、判決を貰うというものですね。
主に簡易裁判所や家庭裁判所などが使われ、誰かに対して不服(金銭的な物がほとんどでしょうが…)があれば誰でも個人で訴えることはできるんです。
一方で、刑事事件は犯罪行為を行ったものに対してあてはめられるものとなります。
- 窃盗
- 詐欺
- 強盗
- 殺人
などといった、誰がどうみても警察が動く犯罪を行い、捕まって警察や検察が取り調べを受けるものが刑事事件です。
ですので、その検察が起訴した先の有罪・無罪を決めるのが刑事裁判というわけです。
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逮捕と書類送検とは
さて、そもそも『逮捕』というものはどういうものなのでしょうか?
刑事事件における逮捕というのは、容疑者が逃げ出したり、隠れたり、あるいは証拠そのものを隠滅してしまわないように拘束することです。
これは、警察署内の拘置所や留置所といった場所に収容して容疑者を確保しておき、その間に逮捕するのに十分な証拠や理由があるかを裁判所が判断して、『令状』を発行します。
明らかに犯罪を行っている人物であることがわかっている場合は、『現行犯逮捕』となりますので令状の発行の必要はありません。
犯罪が発生し、逮捕されてから警察は48時間以内に容疑者を釈放するか検察に送るかを決めなければなりません。
警察には逮捕権はあっても、そのまま裁判にかけるかどうかを決めることはできません。だからこのたった2日間の間に拘束したまま検察で取り調べをおこなうか、一度釈放してから容疑者を呼び出して検察の取り調べや捜査を受けさせるか決める必要があるんです。
さて、察しのいい人はお分かりかと思います。
ここで拘束したまま検察に送って取り調べに入ることを『送検』といいます。
逆に釈放して警察が捜査した関係書類だけを検察に送って、裁判にかけるか判断してもらう手続きのことを、まさにニュースでよく聴く『書類送検』というのです。
この書類送検、多くは暴力沙汰などの軽度な犯罪が多く、すでに容疑者を釈放していたり、逮捕・拘束の必要がない事件によく使われます。
つまり、日常生活を送りながら捜査が続けられるという状態のことですね。
ちなみに、『送検』された場合、検察も24時間以内に拘留を延長するか釈放するかの判断が必要になってきます。
裁判所に申請して原則10日、最大で20日まで延長はできますが、この間に検察は取り調べや証拠を集めたりして容疑を固めて裁判にかける準備をします。ここで証拠が不十分だと不起訴となり、嫌疑不十分で釈放しなければなりませんし、逮捕したからには自分達のメンツもかかっているので必死です。
テレビではよく逮捕されたらもう、犯人扱いしていることもありますが、あくまでここでは犯人とまだ断定されたわけではありません。それを決めるのは裁判所であり、有罪判決後に初めて『犯人』となりますので、勘違いしないようにしましょう。
民事訴訟の流れ・刑事事件の流れ
では、最後に簡単にですが民事訴訟と刑事事件の流れをひとつ解説していきましょう。
利用しないにこしたことはありませんが、人生何があるかわかりません。大まかにでも知っておくと役に立つこともあるかもしれませんので、頭の片隅にでも入れておくといいかもしれませんね。
【民事訴訟の流れ】
- 個人間あるいは個人vs法人、法人vs法人の紛争勃発
- 原告が簡易裁判所に訴状を提出
- 裁判所は訴状の受付・審査をして審理期日の指定と訴状・呼出状の送付
- 被告の元に訴状・呼出状が送られてくる
- 被告が答弁書を裁判所に提出
- 裁判所が答弁書を受理
- 原告が答弁書を受領
- 原告・被告は証拠書類や証人の用意をする
- 裁判所にて、双方の主張を聞き裁判官が証拠書類などから争点を審理する
- 和解あるいは判決
【刑事事件の流れ】
- 事件発生
- 警察が捜査
- 警察が逮捕・取り調べ(48時間以内)
- 検察の取り調べ(24時間以内 最大20日)
- 公判
- 判決
- 刑の執行
あくまでこれは罪の重い事件の流れです。
軽度な事件であり、拘束をしない書類送検であれば、略式起訴として罰金刑となるだけで公判となる正式な裁判はしないことがほとんどです。
とはいえ、基本的な流れは同じで略式起訴という措置にならなければ拘束されないだけで警察や検察は同じように動きます。
まとめ
さて、民事と刑事、そして書類送検など逮捕の流れについてまとめてみました。
ほとんどの人間が犯罪とは無縁なので、こういったことはニュースの中の話ではないでしょうか?
しかし、毎日のように「書類送検」という言葉はニュースの中で聴く言葉ではないかと思いますので、どういう仕組みかは覚えておいた方がいいかもしれませんね。
本記事が参考になれば幸いです。