多くのドレッシングにもあい、胃腸に優しいキャベツ。サラダにはかかせない野菜のひとつです。
よく食べるからこそ、自分の家庭菜園で育てたいという人も多くいるでしょう。しかし、意外と害虫などによって食べられてしまったり育てるのが難しかったりします。
ここでは、そんなキャベツにに含まれる栄養や育て方をお伝えしていきます。
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キャベツの栄養素とは?
アブラナ科のキャベツというのは、胃腸にやさしい野菜です。
というのも、キャベツに多量に含まれるビタミンUは胃腸薬にも用いられる成分で、健胃、胃腸潰瘍防止、整腸作用があります。
その他、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で風邪の予防や疲労の回復、それに肌の荒れを予防する効果などがあり、とても栄養が豊富な野菜なのです。
ちなみに、トンカツを食べるときによくキャベツの千切りなどと一緒に食べることが多いかと思います。
これはただ純粋にトンカツに合うというだけではなく、油に肉といった胃に負担がかかるものから胃を守るという効果も期待されるものです。
ですので、トンカツ定食を食べるときは先にキャベツを軽く食べてからお肉を食べる方が胃に負担が少ないのかと思います。
キャベツを栽培するのならまず品種から選ぼう!
キャベツはスーパーなどで一年中見かける野菜ではないかと思います。春まき、夏まき、秋まきと種をまく時期があり、その分品種が豊富にあります。
夏に食べるキャベツは少し硬くてシャキシャキして、冬に食べるキャベツは少し甘かったりしませんか?それは同じキャベツでも収穫の時期によって品種が違うからです。
家庭菜園としてやるのであれば、原産は西ヨーロッパということで暑さに弱く寒さには比較的強い性質のある野菜です。ですので、涼しい時期の秋まきの方が育てやすいでしょう。
ちなみに、秋に種をまいて翌春に収穫する品種は、
- 春波
- 四季穫
- マルシェ
- 春ヒカリ7号
などといった品種があります。
夏にまいて冬に収穫する品種は、
- 彩ひかり
- 湖月
- 冬風
- 金系201号
などがあり、収穫時期なども『早生種』『中生種』『晩生種』などを組み合わせて少しずつ収穫時期をずらせば長く収穫することができます。
この辺りは、品種によりけりですので購入時にひとつだけではなく、多くを見比べてみた方がいいかもしれません。
なお、最近では萎黄病抵抗性品種(YR品種)が出てきており、特に春から夏にかけて多い植物の病気に対して、発症を抑えられるようなものも出てきました。
家庭菜園は土壌がそもそも完成していないことが多いので、病気の発生の確率が考えられます。
ですので、あらかじめ土づくりはしっかりしておき、さらに耐病性の品種を選ぶのが重要です。
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ちなみに、形状から『丸玉系』『寒玉系(扁平型』『サワー系(やわらかいもの)』と分けて選択することもあります。
秋まきのキャベツを栽培してみよう!
アブラナ科
発芽適温:15~25℃
生育適温:15~22℃
結球適温:18℃
の植物がキャベツです。
となりますと、やはり秋まきの方が育てやすいといえるでしょう。25℃以上の高温時には生育不良になるので、注意が必要です。
ちなみに春まきのキャベツは発芽温度を上げる設備が必要で、ちょうど結球する頃に梅雨を迎えてしまい、非常に病害虫が発生しやすくなります。
家庭菜園には向かないと言っていいので、まずは作りやすい秋まき。そして夏まきの栽培方法をお伝えしていきます。
・植える場所の注意点
では種を買ってきたから早速植えようと焦ってはいけません。
多くの植物に関係しますが、アブラナ科も例外ではありません。このアブラナ科も、連作を嫌います。これは連作障害というもので去年植えた場所と同じ土壌で同じ科の野菜を育てると病害虫などが発生しやすくうまく育たない傾向にある現象です。
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3~4年はアブラナ科の野菜を作っていない場所でなければなりません。
水はけや水もちのいい、肥沃な場所に植え付けるといいでしょう。
その事前準備として、植え付ける2週間前に1㎡あたり若土石灰を2握りくらい施してよく耕します。
元肥は1㎡あたり推肥をバケツ1杯。化成肥料を2握り程度施してよく耕します。
畝の幅も少し気を配りましょう。
早生種:50cm
中生種:60cm
晩生種:60cm
くらいを意識するといいでしょう。
ちなみに、土のpHは6.2~8.2が最適で、5.8以下は根腐病などの病気が発症しやすくなります。
・種まきの時期を見測ろう
少し涼しくなってきたなと感じる気温になった9月~10月上旬に種をまきはじめます。
まずは畑に直接まくのではなく、苗をつくる為にビニールポッドなどで培養土を入れてまくのが一般的です。
あるいは、プランターで平床にして5~6cmにすじまき、もしくは箱まきポッドを使う方法もあります。
いずれにしても薄く覆土して水やりをしたら、敷きわらやぬれ新聞紙で発芽までの2~3日を土が乾かないように管理します。
・苗を育てよう
発芽後にわらや新聞紙を取り除きます。プランターですじまきにした場合は、本葉が見えてきたところで込み合った部分を間引いて2cm間隔にしましょう。
箱まきしたものは、発芽から10~15日程度で本葉2~3枚になるので、90cm幅の平床かビニールポッドに植え付けて本葉5~6枚になるまで育成します。
最初からビニールポッドで育てる場合は、畑土に腐葉土を2割くらいまぜた用土に1本ずつ植えて、新芽が伸びたら10日に一回程度化成肥料を1つまみずつ施すといいでしょう。
・植え付けをしよう
10月くらいに本葉5~6枚くらいに育つでしょうから、畑への植え付けを行います。先の通り、連作障害には気を付けて場所を考えます。
植え付けの際には株間40~45cmで苗が深植えにならないように注意し、北側の畝を高くします。
・越冬の準備をしよう
キャベツは寒さには強いですが、苗がまだ小さい頃に冬を迎えるので冬越しの対策をしなければなりません。
初霜の頃に、敷きわらをして乾燥を抑え、笹やよしずなどの風よけを立てて寒風を避けるようにします。
・追肥・土寄せをしよう
年内は、葉を10枚くらいにして越冬させるのがちょうどいいとされています。
なぜなら、この時期に追肥して葉が育ちすぎてしまうと冬の低温で花芽分化が起きてしまい、成長が止まってしまうので春にとう立ちしてしまいます。
ですので、秋まき春どりの追肥は3月から2週間ごとに2~3回くらいの頻度で行います。
そして、化成肥料を1株あたり1握り程度施して軽く中耕してしっかり土寄せをします。これは葉が大きく広がる結球が始まる前に済ませておくことが大事です。なぜなら、葉を傷んでしまうおそれがあるからです。
・薬剤散布をしよう
種まき時や植え付け時にオルトラン粒剤を土にまぜると初期防除ができます。
育成中はBT剤を散布し、植え付け後の120~150日くらい(つまり4月くらい)には結球が始まるので、残効の短いマラソン乳剤などで病害虫の防除を行うといいでしょう。
使用、購入する前に効能や注意等をご確認ください。
・収穫をしよう
4~5月になると収穫の時期になります。
外葉が広がり、内側の葉が巻いて結球が始まり、一ヶ月くらいで結球がかたくなったところを、外葉をはずして結球のつけ根に包丁などを差し込んでとります。
ただ、秋まきは収穫が遅れると裂けてしまったり、とう立ちが起きてしまったりします。
夏まきキャベツを栽培してみよう
さて、秋まきと基本的な要領は同じとなりますが夏まきのキャベツの育て方もお伝えしていきます。
夏は夏なりの対策が必要ですので、注意してください。
・種まきをしよう
7月中旬~下旬くらいに秋まきと同じ要領でビニールポッドなどに植え付け、苗をつくります。
・苗を育てよう
こちらも手順は秋まきと同じですが、ビニールポッドに移す場合は高温で作業中にしおれてしまうおそれがあります。ですので、手際よく根を乾かさないように移し替えます。
日よけ、虫よけの為にも寒冷紗をかけて育てる方がいいでしょう。そして約1ヶ月間、本葉5~6枚になるまで育てます。
この時期は乾燥が激しいので、水やりをしっかりとやらなければなりません。
・苗の植え付けをしよう
8月下旬~9月上旬頃、これまた秋まきと同じように準備をした場所に植え付けていきます。
ただ、畝の幅は60cmくらいです。
・追肥・土寄せをしよう
植え付けた後、2~3週間もすればちゃんと根付いて新葉が展開するようになってきます。
ここから、10日程度ごとに2~3回ずつ追肥として化成肥料を1株あたり1握り程度を施し、軽く中耕して土寄せをします。
球が握りこぶし程度になるまでに、最後の追肥を済ませましょう。
・薬剤を散布しよう
夏まきの薬剤散布も秋まきと同じです。ただし、夏まきは結球が早く植え付け後は30~40日程度で始まりますので時期を生育時期を見計らいながら薬剤を散布していきましょう。
・収穫をしよう
基本の収穫の仕方は秋まきと同じで、10~12月頃の収穫となります。
外葉が広がり、内側の葉が巻いて結球が始まり、一ヶ月くらいで結球がかたくなったところを、外葉をはずして結球のつけ根に包丁などを差し込んでとります。
キャベツの病害虫の一部を紹介
さて、アブラナ科のキャベツは実は病気は品種改良によって強くなっていますが、虫にもよくやられる植物です。さて、どのような病害虫がいるのか一部紹介していきましょう。
秋に多いのがべと病です。
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冬から春にかけて多いのが黒斑病でしょう。葉が枯れてしまいます。
肥料過多になってしまわないようにし、銅水和剤を散布するようにしましょう。
他にも、軟腐病や萎黄病といった土壌の細菌を原因とした病気がもし発生してしまったら拡大を抑える為にも早急に処分する必要があります。
土壌に関する感染症は品種改良で発生率は落ちていますが、発生しないとはいいきれないので発見のスピードが大事です。
害虫に関して、秋まきでよく発生しやすいのがハスモンヨトウです。
春まきをするのなら時期がら、アオムシが大発生することがあります。
生育中はBT剤を中心に散布するのがいいでしょう。
まとめ
さて、キャベツの栽培についてまとめてみました。
サラダの定番となるキャベツですので、キャベツを作りたい!という人は多いのではないかと思います。ただ、虫がつきやすい植物ですしケアはしっかり必要です。
葉の裏にモンシロチョウの卵がついていたとかもよくありますので、生育中はしっかりと管理してあげましょう。
本記事が参考になれば幸いです。