制御機器の表示精度ってどう計算すればいいの?計装初心者の基礎知識

温度調節計・変換器などといった制御機器を扱っていると『表示精度』や『指示精度』というものがあり、薬品など微細な温度変化で良品になるものやダメになってしまうものがある場合重要になってきます。

しかし『表示の0.2%以内または1℃以上のどちらか』なら何となくわかりそうですが『FSの0.3%±1ディジット以内』とか、う、うーん? とまだよくわかっていない人や使ったことない人は首を傾げてしまいますよね。

さて、今回はそんな制御機器の表示精度がどのようなものなのか、ご説明をしていこうと思います。

これが参考になれば幸いです。

 

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表示精度とは?重要なの?

さて、温度や圧力、水質などとにかく数字で人が見て確認できるものは表示器を使って数字で表されます

熱電対、測温抵抗体、アナログ(電流・電圧)どのセンサを使い、どんな入力であろうともセンサと表示器側がうまく設定できていれば表示はされるものです。

 

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しかし、ちゃんと表示されたこの数字。誰もが表示されているのだから正しいと思うでしょうが、どのような機器を使おうと、センサを使おうと誤差というものが生じてきます。

かつての偏差指示計というものが主流だった時代はかなりザルで今からすればまあ、大体合ってればいいだろうという工場や設備が大半でした。

 

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とはいえ、時代も技術も変わり表示がつき始めてからというもの、ちゃんと管理・記録するようになるといままで職人のカンでやっていたことが、ちゃんとデータという数字で再現し、自動化システムで大量生産ができるようになったのです。

さて、かつての時代と違って表示があるということは、この数字が正しいということでズレなど考慮は普通はしません。

だからこそ、多くの自動システムで採用されているのですが、先にお伝えしたように誤差は必ずセンサ側。そして計器側に生じるものなのです。

おそらく寸分互いなく常に誤差なく計測できるものはないでしょう。大なり小なり起きてしまうのが普通です。

一例ですが、本屋で売られている本にビニールカバーを自動的に熱風を利用してシュッとうまく包装させるシュリンクという機械があります。実はこれに関してはあまり精度は求められていないようです。

一方で、薬品機械の場合たった1℃や2℃で性質が変わってしまう為に、非常に精度というものが重要になってきます。場合によっては0.1℃以内という会社もあるくらいです。

つまり、この精度の重要さは何をつくるのかによっても変わってくるものなのです。

とはいえ、表示が大きく違っていればやはり表示の意味がなくなってしまいますので、ある程度の精度は必要になってくるのは必然でしょう。

 

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どう計算するの?計器側の精度表記の意味

チェックする社会人

さて、冒頭でお伝えをしたように計器の仕様をみていると表示精度の欄に、

  • 表示の0.3%以内または1℃以上のどちらか
  • FSの0.2%±1ディジット以内

といった表記があるかと思います。このあたり、メーカーによって表現方法も違います

統一すればいいのに、と購入する側としては思うところですが、他社の真似をしたくないという妙なプライドなどがあるのかもしれませんね。

最初の方の表記はわからんでもないですよね。

100℃を表示している場合、0.3%なので0.3℃。それと1℃以上のどちらか高い方という意味ですので、この場合は±1℃が適用されるということで、99℃から101℃の範囲の温度誤差は計器の許容範囲ですよということです。

これが桁が上がって1000℃なら3℃の方が大きいので、±3℃が誤差範囲として許容してくださいということですね。

さて、問題は下の『FSの0.2%±1ディジット以内』と書かれていた場合ですよね。おそらく、まだ計装業界に慣れていない人は特に何のこっちゃとなるかと思います。

そもそも、FSといきなり書かれてもなんの略かわかりませんよね。初心者にとっては非常に不親切です。

これは、フルスケールの略となります。

フルスケールというのは、センサの測れる範囲の最大スパンの幅ということです。

たとえば、熱電対のKであれば理論的に測れるのは-200℃から1370℃です。計器側はこの範囲を全て測れるものとして設定されていますので、200℃にプラスして1370℃となりますので、FS値は1570℃となります。

1570℃の0.2%となると、3.14℃となります。

つまり、熱電対Kであればどの温度でも3.14℃までは誤差の許容範囲としてみてくださいね、という精度表記なんです。

おっと、ここで締めてしまっては±1ディジット以内という言葉が書いてあるのを忘れてますよ、と言われそうですね。

大丈夫です、忘れてはいませんよ。

この±1ディジット以内という言葉は通常の誤差計算の値はそれとして、表示上のデジタル最小値の値が1つ上がったり下がったりしますよということです。

 

 

要するに、上記矢印のここが1つだけズレることがありますよということになります。

この下一桁ですが『1』と思いがちですが実は1とは限りません。

0.1かもしれないし、0.01かもしれません。あくまで表示上の最小値のデジタル値がズレる可能性があるということを表しているんです。

単純に説明もなく一文だけ書かれていると困惑しますよね。

 

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まとめ

さて、制御機器の表示精度に関してご紹介してきました。

初見だと精度ってどうやってみるのかわからない時がありますよね。ちなみに、熱電対Kの場合センサそのものも3℃くらいの温度誤差が許容範囲としてありますので、計器と合わせると最大5~6℃くらいの誤差に計算上なります。

えっ、こんなズレるの?と思うかもしれませんが、実際はメーカー側で調整をしているので問題ないと思います。

個人的に精度や機能でおすすめなのは、Omron製のものです。大手ですし精度もよく対応力もあるからです。

他のところでも、購入するのに精度が必要であれば事前にちゃんとチェックをした方がいいかと思います。

これが参考になるのであれば幸いです。

 

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