北海道のイメージと言えば、北海道ラーメンや海産物が美味しいとか、北国で寒そうとか思い浮かぶ人がいるかと思います。
しかし、ひとたび地図を広げてみれば『広い!』という感想がでてくるでしょう。
ですが、不思議なことに北海道はそれそのもの『道』で換算されることばかりで、県で分かれてはいません。
なぜあんなにも大きな土地の割には細かく県でわけないのか不思議に思う人も少なくないのでしょうか?
今回は、そんな北海道が県にわかれなかった理由を解説していこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
色んな地域が県に分かれた理由
北海道・東北・関東・北陸・甲信越・東海・関西・中国・四国・九州・沖縄とそれぞれの地方があり、各地方を細分化する為に『県』が存在して現在では47都道府県が当たり前となっています。
その地方ごとに特色があり、旅行などでは普段とは違う環境に飛び込めるので楽しいですよね。
さて、どのようにしてひとつひとつの『県』となったのか、ひとまずは学生の頃に習う勉強の簡単な復習としましょう。
そもそも、元々は日本の中には色んな『藩』とよばれる地域分けがおこなわれていました。
その『藩』は江戸時代に決められ、使われていたものですが明治四年(1871年)に『廃藩置県』という読んで字のごとく、藩を廃止して県に置き換えるという処置を明治政府がおこなったのです。
まさにいままであったものを無くして新しいものを作るのですから大改革ですよね。
どうしてそんなことをしたのかというと、明治政府は王政復古、版籍奉還、廃藩置県をおこなうことにより中央集権体制を築こうとしたのです。
かつては各地方の藩をそれぞれの大名が主となって治めていたのを、明治政府が一括統治という形にしたかったのですね。
最初こそ3府72県でしたが、いまのように47都道府県となったのはもっと後の時代となります。
どうして北海道だけ県に分かれなかったの?
ではそんな歴史があるのにも関わらず、どうして日本の国土面積の5分の1もある北海道は県に分けなかったのでしょうか?
四国や九州はちゃんといくつもの県に分かれているのに、それ以上の大きさの土地があるというのに不思議ですよね。
実はこれも古くからの日本の歴史が原因となっているのです。
元々、北海道は蝦夷(えぞ)と呼ばれて日本民族に征服されて追いやられたアイヌ民族がそれぞれ集落をつくって住んでいた土地です。
日本人が移り住み始めたのは室町時代以降で、江戸時代には松前藩の領地でしたが当時はいまほど防寒装備もないうえ本州と離れているので当然ですが、強く開拓の手を伸ばせませんでした。
しかし、明治に入ってから移住者も増えて広い土地に産業を多く興そうと開拓を進めようという動きになっていきます。
実はこの時に、蝦夷から一括りで『北海道』と改称されて呼ばれるようになったのです。
ですがこの時はまだ開拓地ということで呼称されているだけの土地といった立ち位置になります。
それから明治19年(1886年)に北海道庁が置かれるようになり、昭和22年(1947年)にようやく他の府県と同じ扱いとして北海道という場所は成り立ったのです。
このように、成り立ちとしては本州や四国、九州などとは違った歴史を歩んできたがゆえに、いまでも日本の国土の5分の1あろうが一つの道庁によって管理されて『北海道』として治められていることになっているのです。
さて、本州の人はなかなか知りえない人が多いかと思いますが、一つの道庁で管理しきれるのかというとなかなかそうはいきません。
さすがに一つだけであの広大な土地を管理するのは限界があるので、北海道の中でも地方に分かれて下記の14の支庁が存在して管理しています。
- 網走(あばしり)
- 石狩(いしかり)
- 胆振(いぶり)
- 渡島(おしま)
- 上川(かみかわ)
- 釧路(くしろ)
- 後志(しりべし)
- 宗谷(そうや)
- 空知(そらち)
- 十勝(とかち)
- 根室(ねむろ)
- 日高(ひだか)
- 檜山(ひやま)
- 留萌(るもい)
です。読み仮名をふりましたが、おそらく半分はよく聞く名称かと思いますが、あまり聞かない名前のところはちょっと一瞬では頭から出てこなさそうですね。
しかしおそらく、この地方が仮に県に昇格したときはこの名前の支庁がそのまま県庁となって、県名になるのではないでしょうか。
なにかのきっかけで北海道に多くの人が増えるようなことがあれば、そういう日がくるのかもしれませんね。
まとめ
さて、北海道になぜ県はないの?ということでまとめさせていただきました。
まあ、なかなかこのあたりは学生時代の社会科でも習わないと思いますので、知らないという人も多いかと思いますし、別に作ろうと思えば作れたわけですのでなんで?という新たな疑問が生まれるところでもあるかもしれません。
ひょっとしたら曖昧なまま北海道とつけたまま進んできたことや、人口などの兼ね合いもあっていまさら改革しようと思わないだけなのかもしれませんね。
このあたり、詳しく北海道の歴史を調べてみると他に派生した様々なことが知れて面白いかもしれません。
本記事が参考になれば幸いです。