子供の頃に電車にあこがれて、いつか運転してみたい!という人は多いのではないかと思います。
しかし、意外とこの電車を運転できるようになるのって大変だったりするんです。そして、なったらなったで理想と現実に直面するのではないかと思います。
はたして、この電車運転士になるにはどうすればいいのでしょうか?大学などの卒業が必要?どのくらいの月収で働いているの?
そのような疑問を持った方の参考になればと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
電車を運転したいならまず、鉄道会社に入社しよう!
あこがれの職業のひとつである『電車運転士』という職業ですが、その名の通り電車運転士は電車を運転して乗客を駅から駅へと運ぶ職業です。
勿論、乗客は人だけとは限らず『荷物』というお客さんを運ぶ貨物列車も運転します。
時間に正確に。そして、安全に責任を持った専門職というのがこの仕事です。
ただ、実際に運転ができるようになるにはそれなりに経験が必要となります。
一朝一夕で簡単にただ運転をしたいというのであれば、ゲームの『電車でGO』あたりで気持ちにお茶を濁すしかありません。
でも、やはり志をもって電車業界に勤めたい!電車の運転をしたい!というのであれば、しっかりと経験を積むことです。
では電車を運転する為にはどんな資格が必要なの?というと実は特別な資格は必要ありません。 必要なのは純粋な経験と勉強になります。
そのとっかかりとして、まず鉄道会社に入社することが当たり前ですが第一条件となります。
そして実は、鉄道業界に就職して駅で働いている人の多くは高卒で、大学をわざわざ卒業する必要もないのです。特に商業高校や工業高校といった就職にも力を入れている学校に募集して採用することが主流となっています。
他には専門学校などにも募集をかけている為、非常に多人数の採用枠があります。ちなみに2021年のJR東日本の年間採用計画では1400人だそうですので、鉄道会社の規模にもよりますが、比較的採用枠としては多いです。
が、人気がある業界ですので数千・数万人規模が入社を希望します。当然倍率は跳ね上がりますので、採用枠の多さに比べて意外と沢山の『落ちた』となってしまう人がいます。
ちなみに、鉄道交通課や鉄道サービス学科のある専門学校もあるので興味があれば調べてみるといいでしょう。
入社後も実は大変!電車運転士までの道のり
さて、無事に鉄道会社に採用されたら早々に電車の運転の勉強をして……とはいきません。
まずは改札など、誰もがよく見かけるような駅員の仕事をして数年経験を積む必要があります。
そして日常の業務をこなしながら、社内試験を受けて『車掌』にまずならなければならず、なったとしてもまた一定期間ちゃんと車掌の経験を積む必要があります。
しかし、下積みはここまでです。ここからは養成所に通い、しっかりと電車を運転する訓練を受けて『動力車操縦者運転免許』を取得することで晴れて電車運転士になることができるようになるんです。
電車を運転する為には入社→駅員→車掌→運転士の過程をしっかり時間をかけて経験と勉強を積み重ねていかなければならないということですね。
ちなみに、電車運転士になって3年以上の経験をすると、新幹線運転士の募集があった際に応募できるようになります。新幹線の運転なんてとても華やかなイメージですよね。
その選抜試験に合格して、訓練を経て新幹線運転士の免許を取ることでついに新幹線も運転をすることができるようになります。
まさにキャリアアップしていくことで、幅が広がっていく職業ではないでしょうか。
電車運転士の収入と意外ときつい現実
さて、この電車運転士という職業ですがどれくらいの月収があるのでしょうか?
平均月収でいえば、
33万円
となります。会社の規模や経営状況などにも左右されるので、あくまでこれくらいという平均です。
特殊技能の割には意外と貰えないといえるのかもしれませんね。
そしてこの電車運転士ですが、
「きつい」
とよく言われています。車掌もそうですが、拘束時間がかなり長くて始発や終電時間の運転などで帰れないことも当然あります。
そして誰もが一度は電車に乗ったときに経験があるかと思いますが、『腹痛』に襲われることもあります。生理現象だから仕方ないとはいえ、長時間の運行をする貨物列車などは地獄ですよね。
一応、最悪のときは無線で連絡をして交代要員を次の駅にスタンバイしてもらうこともできますが、非常に恥ずかしい行為だそうです。
そして多くの場合は、その日の乗務からは外されてしまい、何度も繰り返すと運転業務そのものから外されてしまいます。
なので、簡易トイレを持ち込む場合もあれば、腸の動きを活発化させる乳酸菌飲料はNGとされることもあるんです。
仕事そのものができなくなってしまうので、もっとも重要なのは体調管理なのかもしれませんね。
もっといえば、メンタルもかなりやられるそうです。厳しい時間管理、福知山線の某事故もJR西日本の緻密なタイムスケジュールと、遅れることによる厳しい罰から起きてしまったことです。
そして、鉄道はバスと違って交通事情がない為、到着時間や停車位置を正確に守らなければなりません。もし遅れが出たりミスをしたら……そう考えると日々ストレスが溜まるのは当然というものですよね。
さらに何より怖いのが、飛び込みです。運転士ということは当然、先頭車両の一番前で運転するわけで……人が飛び込んできたら真っ先に跳ね飛ばし、スプラッタな光景を見ることになるかもしれないんです。
まあ、そういった掃除も駅員時代に経験するのかもしれませんが、自分の運転した電車に人がひかれて亡くなるなんて、そのショックは本人にしかわからないくらい強いものでしょう。
たとえば、飛び込んだ人と最後に目が合ったりなんかしたら……ね。と想像するだけで怖いですよね。
インターネットでも『電車運転士 きつい』や『電車運転士 辞めたい』と検索されている人もいますので、どことなく格好いいイメージはあるものの、これだけに限らずあらゆる精神的な覚悟が必要な職業であることは間違いないのかもしれません。
まとめ
さて、電車運転士について簡単になり方や収入等についてまとめてみました。
時間も不定期、拘束時間も長く、しかもメンタルがやられる。理想と現実にはかなり隔たりがある職業なのかもしれませんね。いざ就いてみたら想像と違ったというのは、あるあるな話ではないでしょうか。
人間関係などもあるでしょうし、大変な仕事であることは間違いないかと思います。
本記事が参考になれば幸いです。