リニアライザとはどんな使い方の変換器?計装初心者の基礎知識

変換器を勉強していると横文字が多くて困りますよね。ディストリビュータやアイソレータなど、まだ覚えていない人はパッとどんなものか出てこないかもしれませんね。

そんな横文字の変換器の中にはリニアライザというものが存在します。

とても便利な変換器なのですが、ちょっと複雑な為に意外と知られておらず台数も出ない機種です。

さてこの機種、どんな使い方をするのでしょうか。それを初心者用に解説していきたいと思います。

これが参考になれば幸いです。

 

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リニアライザとはどんなもの?

ではまずリニアライザという言葉の意味からお話していきましょう。

リニアというのは『直線』という意味になります。ライザは機械的?な言葉のようですので、機械的に直線にするという意味で捉えて間違いはないでしょう。

だって、基本的な機能が下記の図のようなものなのですから。

そう、リニアライザという変換器は結論からいえば疑似的に直線的な信号にして機械で読み取らせやすくする機能をもった変換器なんです。

そして、世の中のセンサのほとんどが本来上記図の左側のような特性をしているんです。

ここで考えてみてください。この図の左のような出力のセンサを持ってこられても、接続する装置全てを特殊仕様にするわけにはいきませんし、センサ毎に仕様を変えていたらわけわからなくなりますよね。

だから、熱電対や測温抵抗体、湿度センサや圧力センサやPHセンサなどといった一般的に出回って使用されているセンサに関しては、表示器側あるいはセンサ側の基盤の中ですでにリニアライズされて直線のリニアになっているんです。

 

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だから普段はあまり気にしないと思いますが、中には妙な信号で出てくる不親切なメーカーだったり海外製のセンサだったりするとそのままではまったく使えない物も存在します。

そういう時に登場するのが、このリニアライザです。

リニアライザはいくつかのポイントを取ることで、疑似的に直線に補正して出力するものです。

 

元の数字

(mA)

リニアライズ後

(mA)

     0.3  →     4
     0.5  →     6
     0.8  →     8
     1.2  →     10
     1.7  →     12
     2.3  →     14
     2.9  →     16
     3.3  →     18
     4.0  →     20

 

 

ですので、上記表の左のように0.3mA~4mAというわけ分からないうえにちょっとリニアではない特性のセンサがあったとしても、右のような形でポイントを指定して(例えば、0.5mAのときは6mA出しなさい)いれば、対応する信号に変換されて出てくるというわけです。

ちなみに、ポイントとポイントの間は自動算出した平均値で疑似的に出るので表示上の数字に問題はありませんが、あくまで機械的に「これくらいかな」と平均で算出された値なので正確ではないかもしれません。

そしてリニアライザ側で設定するポイントが少ないとそれだけ誤差が大きくなります。

面倒でも細かくとる方が数字的な確実性は増すので取っておきたいところですね。

基本的な使い方は、このように普通では読み取れない曲がっている特性のセンサを直線にして機械で読み取らせやすくする機能と思っていただければいいかと思います。

 

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応用するとなんでもできるリニアライザ

基本的な使い方についてはご理解をいただけましたでしょうか?
実はこのリニアライザですが、応用するととても便利な機種で信号を意図的に変更できるということはなんでもできるということに他なりません。
つまり、リニアだったものを意図的にリニアではなくすることもできるということなんです。
仮にバルブを想像してみてください。水門でも構いませんが、ああいうのって開閉で換算すると0-100%ですよね。
ですが勢いよく開いたり閉めたりを繰り返すとぶつかるようにキュッと最後までいってしまいます。
最初はそうでなくても、それを繰り返せば徐々に負荷がかかってダメージが蓄積してしまうこともあるでしょう。
図で表すとこんな状況でしょう。
ただの0-100%状態ではまったくあそび(点線の部分)のない状態なので、開閉時に完全に開ききったり閉め切ってしまいます。勢いがつくとその分力も強くなるので、部品の摩耗も早ければ事故の原因にもなりえるんです。
だったら、このように上下閉めきらないようにすればいいじゃないかという考え方もありますね。
勿論、リニアライザでもできますがこちらはリミット変換器という出力最大・最小値を規制する別の変換器の方が本来の仕事になるでしょう。
リニアライザでしたら、設定の仕方しだいでこのようにある一定の場所から曲線に変えて少し緩やかに開閉を行うこともできるんです。
これに限らず、頭を使った考え方しだいで都合のいい信号のグラフに持っていけるのでリニアライザはとても便利な変換器なんです。

 

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変換器購入時のアドバイス

 

チェックする社会人

ここで変換器購入時のアドバイスです。

基本的にこういった工業製品はエム・システム技研のような変換器専門メーカー、あるいはアズビルのような空調専門の大手で購入するのが一番安全です。

なぜかというと、名も通っていない中小企業のような温度調節計メインで扱っている『ついで』に変換器を販売していたり、食品・空調・水質・薬品などあちこち違う業界に手を出しているような特化していないところは知識もノウハウも不十分なことが多いです。

場合によっては、満足にテストをしないまま販売するので内部で熱を発して誤差が生じるなどクレームやトラブルの温床になりかねないことが多々あります。

実際にクレームになった事例をよく聞きますし、対応も「相手の使い方が悪いんじゃないか?」と非常に誠意がない回答を貰ったこともあります。やはり大手とは質そのものが違うと感じます。

客先に出す製品だからこそ、安心安全でなければなりませんよね。あくまで故障・不具合は可能性の問題ではあるのですが、大手の方が対応も早く、いざというときの小回りもききますので、メーカーにこだわりがなければ、大手メーカーさんをまず検討した方がいいでしょう。

 

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まとめ

さて、リニアライザについてまとめてみました。

出力される信号を都合よく変更できるというのは便利ですよね。ただ、便利だけどどこに使うのか思い浮かばないということもあるでしょう。だから特殊なセンサでも使わない限りはあまり普段使いはされない機種かもしれません。

必要な場面になったら思い出せるよう、頭の片隅においておくのはいいかもしれません。

これが参考になるのであれば幸いです。

 

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