温度調節計・温調用多点ユニット・シーケンサなど温度を制御するものは多々あれど、それについている機能で警報動作などは必ずついているものではないでしょうか。
そこででてくる『偏差(へんさ)』という言葉ですが、普段仕様しないものだからわかり辛いですよね。
今回は、そんな『偏差』がどういうものかご説明していこうかと思います。
これが参考になれば幸いです。
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偏差ってなに?
さて、偏差というものが使われるものは温度制御において、警報動作で主に使われる言葉だと思います。
取扱説明書や誰かの説明などで「偏差で設定値に追従するから~」と言われてもチンプンカンプンではないかと思われます。
習っているわけではないので当然でしょうし、覚えてしまった人はすでにそういう言葉が当たり前で分かっているので、初心者を相手にしても当たり前のように通じると思ってしまいます。
取扱説明書もまた、わかっていない初心者には未知の単語が並んでいることでしょう。
さて、偏差ですが現在はどこの温度制御でも『上限警報』『下限警報』には必ずついている言葉かと思います。
後は『上下限範囲警報』といったところでしょうか?メーカーによって呼び名は変わったり機能が多かったり少なかったりするかと思います。
では、この『偏差』は何に該当するのかというと、設定する温度の動きに関係があります。
通常、温度装置においてはどの温度で安定をさせるのか、というものを示す必要がありますね。というか、そうでなければ温度制御をする理由がありません。
だから、大本となるのは『温度設定値』なのです。
例えば、上記の図のように300℃にて安定をさせたければ、温度設定値を『300℃』に設定しますよね。
しかし、温度が上がりすぎてしまうと事故を起こしてしまうので、350℃まで上がった際にブザーを鳴らしたい。あるいは、装置を強制的にストップしたいということがあるかと思います。
青のところまで温度が上がってしまったら、警報を出したいという形ですね。この場合は温度以上の場合なので上限警報を使うのが一般的ではないでしょうか?
しかし実は、警報を出したいのが350℃だからと、そのまま350℃を警報の設定値として入れてしまうと、
このように温度が行き過ぎてしまい、いつまで経っても……いえ、650℃までは警報が発されることはありません。
さて、このような間違いをする人がとても多いのが、この偏差を使った機能の落とし穴なんです。
察しの良い人は650℃という言葉で気付いたかと思います。
つまり、偏差として使われるこの上限警報は大本である温度設定値にプラスする温度を設定しなければならないのです。
300℃(温度設定値) + 50℃(警報設定値) = 350℃(警報出力する温度)
という関係になるのです。
何でそんな面倒なことを……と考えるのが面倒になりそうですが、意味はちゃんとあるんです。
その意味というのは、温度設定値を変更しても警報設定値はそのままなので、温度設定値に追従するということです。
このように100℃温度設定値を上げた場合、自動的に450℃が警報設定値になります。
ですので、温度設定値(300℃)に対して警報設定値(50℃)として入れた値を乗せて温度設定値の変動(400℃に変更等)によって変化(350℃→450℃に自動的に変更)していくのが偏差という意味合いになってくるのです。
ちなみに、偏差と聞くと学生時代に『偏差値』というものを誰でも一度は測ったことを思い出すのではないでしょうか?
偏差値というのは、テスト等を受験した集団における完全な平均の値を50点にして、それ以上か以下かを数字で表したものです。
これは偏差は偏差でも、実はこの設定に対しての『偏差』とはちょっと違う意味合いになります。中央となる平均値を作るという意味では同じですけどね。
なのでここで制御として使われる偏差とは、絶対偏差と呼ばれる種類で基準値との差を表すものとなります。
偏差指示計というものがあった!
最近では、デジタル表示が当たり前で仮にユニットに表示がなくてもタッチパネルなどを接続して表示させるのが主流となっています。
しかし、そんなものがなくシーケンサやタッチパネルすらなかった時代、温度を確認するのにメーターのような形で温度表示された板に針で指し示す方式をとっていました。
それとは別に、偏差指示計というものがあったのです。
この偏差指示計ですが、なんと温度表示なし。さらに、針で指し示すようなことはなくランプのみで表すのみでした。
こんな感じです。つまみかなにかで、安定させたい温度を設定し、その設定した温度に近くなることで左からランプが移動していき、設定値と同じになったところで真ん中のランプが光ります。
このランプ、一つ一つが5℃くらいの間隔ですので設定値±25℃くらいの範囲の温度にならないと一番左、もしくは右しか灯らないのです。
今や温度が表示されないと不安でしょうが、このように大体温度が合っていればいい、これでも高性能といった時代があったんですね。
しかも、いまのOmronなどから発売されている48角程度の調節計と違って、かなり大きなものでした。いまや古いパソコンのように化石みたいなものですが、それでも一台10万円以上という高価なものだったんです。
ちなみに、何が偏差かというと、つまみで変化する温度設定に対してこの中央のランプの位置が変わることから、偏差温度指示計という名で販売されていました。
今や見かけるのは少なくなりましたが、アナログ計器主流の2000年以前はこういった計器が多くあったんです。
精度が求められることや視認性がいいことからデジタル化されてきましたが、アナログ時代はそういった精度が出なかったので職人の勘がより鋭敏でなければいけなかったのでしょうね。
まとめ
さて、偏差について説明してみました。
こういった電機業界ってとても専門用語が多くて困りますよね。いきなり温度警報は偏差だからと言われてもわからない人にはわからないと思います。
分かっている人が言っているからこそ、書いているからこその説明や取扱説明書ですので初心者は一個一個覚えていくしかありませんね。
参考になるのであれば幸いです。