計器の表示がおかしい!センサと計器どっちが壊れている?

温度・湿度・圧力・水位など、数字を表示する計器がおかしな数字になった、あるいはまともな数字が出ないということは計装業界ではよくあることです。

しかし、センサを交換してもなおらない。計器を交換してもなおらない。困った。

そういうこともあるあるです。はたして、このとき何がおかしいかわからないことも多いでしょう。

本記事では、どこが悪いのか、どうしたら解決するのか参考となる方法を解説していこうと思います。

これが参考になれば幸いです。

 

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計器の表示がおかしい!

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熱電対・測温抵抗体・電流・電圧などの信号を計器内部で変換し、温度や湿度、圧力などといった『表示』に変換するのが一般的な表示器の役割かと思います。

表示だけをさせるもの、調節計といった出力や警報を出せるといった多様な機能をもたせた計器がありますが、この表示(便宜上本記事では以下を温度とします)がおかしいと問い合わせをする人は多いです。

まあ、中には温度が違う『気がする』という勘だけで言うような人もいますが、さすがにこれはどうしようもありません。

ちなみに多いのは、

  • 温度が表示されない
  • 温度が明らかに違う

などといったことが困ったという人が多いかと思います。

しかし、よくわからないからとセンサを変えてみた。計器を変えてみたといった、どちらに原因があるかわからない、あるいはどちらの原因でもないのに変更してしまう人が多々います。

確かに、熱電対や測温抵抗体といったセンサは消耗品ですので一番可能性が高いですが、そうとは限らないのが計装業界の計器の面倒なところ。

ですので、下記は本ブログ管理人が知る限りのどこが壊れている『であろう』という問題を特定する可能性の高い方法をお伝えしていこうと思います。

 

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熱電対を使っている場合

さて、まず熱電対をセンサとして使っている場合の計器の表示不具合パターンです。

一番多いのが、上記の表示になってしまっているパターンです。

上部横線が並び、点滅している状態になっているものをバーンアウトといいます。

計器側がどういう状態かというと、上に振り切れてしまっている状態です。

この場合、可能性として高いのはセンサが断線状態にあるというセンサの故障の可能性が一番高い状態にあります。

主に、特別何の設定も触っていないのにこの状態になった場合は大抵がセンサの断線です。

ですので、センサを交換する方が異常がなおる可能性は高いです。

ちなみに、計器側の故障の可能性はないのか?と問われたら、もちろんあります。センサ断線はあくまで可能性が高いという目安にしかすぎません。

この場合、2パターン計器側要因が考えられるでしょう。すなわち、

  1. センサの入力種類設定が間違っている
  2. センサの入力回路が壊れている

のふたつです。では以下詳しくしてみましょう。

①センサの入力種類設定が間違っている

一番単純なのは設定時の人的間違いであるセンサの入力種類が間違っているパターンです。

K熱電対入力なのにPT100にしてしまったり、4-20mAなどまったく違う信号入力に設定していた場合は同じくバー線表示が出て点滅してしまいます。

なぜなら、熱電対は『起電力』という微弱な電力を感知して計測していますが、測温抵抗体は抵抗値、電流・電圧はmA(ミリアンペア)やV(ボルト)など種類の違うものは感知するものが違うので、センサが入っていない状態。つまり、断線状態になっていると判断されるからこの表示が出てしまうのです。

ちなみに、同じ熱電対でもKで設定するつもりだったのに、JとかTとかRとかにしてしまったらどうなるのか?というと同じ起電力を感知しているので温度は表示されてしまいます。

 

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しかし、明らかに常温の状態でも温度表示が違ってきてしまうことが多いので、温度がおかしいと思ったらセンサ入力設定の種類を確認するといいでしょう。

②センサの入力回路が壊れている

もう一つのパターンである『センサの入力回路が壊れている』場合ですが、この場合は『短絡』という方法を使います。

これは熱電対における入力回路異常を判断する基本的な方法となります。

その方法は現在、熱電対の線を入力している部分に針金や銅線、いっそクリップを伸ばしたものでも構いませんが単一の線を接続するだけです。

仮に⑦⑧が入力回路接続端子であれば、このように針金などをかまして一度電源をつけてみるという方法です。

これをすると、現在の周囲の温度が表示されるようになります。空調の利いた場所であれば20℃前後といったところでしょうか。

つまり、この短絡をして温度表示がつかないということは、

  • 入力回路が壊れている
  • 先にお伝えしたようにセンサの種類設定が間違っている

のどちらかが要因となることはほぼ間違いありません。

一方で、これで温度表示がつくということは、回路は無事だから別の要因であるということが判別することが可能です。

自分でやるのが心配であれば、電機の資格をもっている業者さんにやってもらった方が確実でしょう。

 

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測温抵抗体を使っている場合

測温抵抗体の場合、正直ちょっと確認方法は面倒です。

というのも、熱電対のように素直な短絡といった判別方法が使えません。

もし、入力回路が故障かそうでないかを確認するのであれば、一度熱電対の入力設定に計器側を変更して短絡を試してみるのも一つの手です。

一応、センサの種類と計器側の入力種類が一致しているか確認してみましょう。

あるいは先の、

こちらのバーンアウト表示がされているのであれば、これまたセンサ側に異常がある可能性が高いですので、この表示が出ているのであればまず測温抵抗体を交換してみた方が無難です。

よく測温抵抗体を使用して、少し電機に詳しい方であれば、測温抵抗体『出力』の変換器などを試験信号として使ってみるという方法も考えられるでしょう。

 

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電流・電圧入力といったアナログ信号を使っている場合

電流・電圧といったアナログ信号をセンサの入力信号として利用している場合、やはり基本的に確認するべきところは、

こちらのバーンアウト表示が基準となります。

ただし、4-20mAや0-1Vなど信号が断線して入ってこない場合、一般的には上に振り切れるのではなく下に振り切れるのが通常です。※設定が計器内にある場合は変えられることもあります。

ですので、横棒も下で点滅するようになります。だって、信号が1mAも入ってこないのに上にいったらおかしいですからね。

そしてこちらの方は、測温抵抗体に比べるとまだ入力側か計器側かの故障の判別がつきやすくなります。

ただし、下記のようなテスターを使う必要があります。

 

 

このテスターでアナログ入力信号がちゃんと出ているか測定して、ちゃんと出ているようであれば計器側の入力回路の故障。

出ていないようであれば、アナログ信号が出ていないのでセンサ側の異常と判断がつきます。

なお、ちゃんと信号が出ているのに表示される温度がおかしいという場合、0-100%のスケーリング値をあてこんでいない可能性が高いです。

4-20mA や 0-1V などはあくまで『信号』であり、0-100%をあてこまなければ計器側はちゃんと表示ができません。

使用者が望む0-100%のスパン値が入っていない可能性がありますので、確認するといいでしょう。

 

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まとめ

さて、計器の表示異常についてまとめてみました。

ここにあげたように、ある程度は自分でどんな可能性があるのかを検証できるかと思います。

しかし、あくまで目安としてこういう症状であるだろうという判断であることは確かですので、厳密的に確認をしたいのであればメーカーに送って修理として見てもらうしかありません。

ですが、大体はこの辺りのチェックで解決する問題かと思いますのでご参考ください。

これが参考になるのであれば幸いです。

 

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