家庭菜園をやり始めると一番厄介なのが、病気や害虫ですよね。農業をやっている以上は虫が嫌いなんて言っていられません。
せっかく自分で育てている野菜を虫なんかに食べられたくないでしょうし、病気になられてダメになられても困ります。
だからこその防除作業が必要です。害虫ならたとえば、天敵を放ってみたり生活用品で薬を作って薬剤を散布してみるなど方法があります。
農薬を使うのは簡単ですが、使いたくないという人の方が多いでしょう。ですので、農薬を使わないその防除の方法をお伝えしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
農薬を使わない病害虫防除は管理が必須
さて、病害虫から作物の被害を守る為に農薬は簡単ですが、せっかく家庭菜園をやるのにできるだけ農薬を使いたくないのは皆思うところでしょう。
しかし、そうなると管理方法は大事になります。
- 病気に強い品種の選択
- 病害虫の少ない時期に育てる
- 間引き、剪定などの適切な処理
- 一緒に植える植物の選定
- ネットをかける
など多くの対処をして、作物の健全な育て方の実践をしなければなりません。
そして、普段から作物をよく観察するのが重要です。目視以上の確認・対応方法はありません。
作物の生態が一番よくあらわれる時間帯というのは、早朝の日の出から30分程度後の時間帯です。朝の作業の準備と共に家庭菜園を見回り、育てている野菜をよく観察しましょう。
特に表だけではなく葉の裏に隠れていることが多いので、ひょいとめくって確認してみると害虫の卵がついていたり、アブラムシがいたりします。
病斑や虫食いなどもあるかもしれませんので、その発見にも注意が必要です。
他に土壌の確認もしてみるのも一つの手です。かびのような嫌なにおいがあれば土壌が原因で病気になる可能性もあるので要注意です。
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作物も種類によって環境を合わせなければならないこともありますので、もし野菜があまりいい状態でなくなってしまうのなら確認しておきましょう。
葉についている害虫の一部を紹介
野菜につく害虫は多々いますが、ここからは代表的な害虫を紹介していきましょう。
【モンシロチョウの卵・幼虫】
まっくろくろすけ(野焼き跡の栗)とモンシロチョウの卵(桜はどうした) pic.twitter.com/ksz8l7wb1j
— 胡坐家 (@AGLAYA0731) April 7, 2019
https://twitter.com/tama2uji/status/1263080025567330304
畑には蝶々がよくやってきます。日本ではモンシロチョウをよく見るかと思いますが、野菜の葉の裏などに卵を産み付け、幼虫になってしまうと葉を食い荒らしていくので、できるだけ卵のうちに駆除しましょう。
キャベツなど食べられてボロボロになってしまうこともあります。
【ヨトウムシの卵・幼虫】
https://twitter.com/karakusatei/status/1058136082334642176
【幼虫写真注意】ヨトウムシの幼虫(*´ω`*)可愛いけど、トマトの葉っぱ食べちゃうので処分です(泣) pic.twitter.com/mQgsNIQ9GM
— アロエ (@tamahokori1) September 27, 2015
ヨトウムシは葉の裏に産卵し、大きくなると5cmくらいになります。レタスなどは一晩で食べつくされてしまいますので、害が出たら早めに駆除することが重要です。
昼間は土の中に隠れているので、食痕を見つけたら株元にいるかもしれないので土を掘ってさがしましょう。じゃないと被害が広がります。
【アブラムシ】
https://twitter.com/010oharubo109/status/1300751706263678976
アブラムシは植物の病気の原因になりうる虫です。放っておくと作物の被害がかなり甚大になってしまいます。
ですので、見つけしだい早急に駆除しなければならない害虫です。ですので、その為にもこまめな作物の確認が必要となります。
病害虫の防除 発生時期からずらす
毎年、野菜の病気や害虫が発生する時期はほとんど決まっています。
蚊だって、夏以外にはあまりみかけるようなことはないですよね。
暑くなってくると嫌な音と共に出てくる嫌な害虫『蚊』ですが、どうして針に刺されているのに痒くならないのか不思議ではないですか?気付いた時にはすでに痒くて肌が盛り上がっている。そういうこと、よくあるでしょう。それは蚊ならではの特性による[…]
ですので、その発生時期に対して少し前か後にずらして栽培計画を立てると被害が少なくなる傾向にあります。
病気や害虫の発生量も割っているので、発生の少ない時期を選べば無農薬でも野菜を育てることができます。
一般的には、同じ野菜でも春に種をまくものと、秋に種をまくものでは秋にまく種の野菜の方が病気や害虫が発生する確率はグッと低くなります。
家庭菜園をやる人にとって、種をまく時期や苗を植える時期は重要です。ビニールハウスのように一年中野菜を作ることができる施設を持っている人は少ないでしょうから、ほとんどが青空の下で野菜を育てることになるかと思います。当たり前です[…]
当たり前ですが、春まきの種の野菜は夏に向かうので自然と暑くなっていくので病気や虫の発生が多くなります。一方で秋まきであれば涼しくなっていくので、虫も少なくなっていくので育てやすくなっていきます。
ちなみに、四国や九州、沖縄といった暖地では11~3月は病害虫の発生が少ないです。
病害虫の防除 天敵となる生物を利用する
一般的には自然の中では害虫が発生しても爆発的に増えることは稀です。害虫が増えるということは、それを食べる天敵も集まってきます。
食物連鎖はうまい具合に働いていてバランスを取れるようになっているのですが、この世界の常識です。ですので、自身の畑にもその天敵を呼び込めれば、防除することができるでしょう。
これが『生物学的防除法』といわれている方法で、有機農法ではよく取り入れられている方法です。
ちなみに、害虫用の天敵の卵や幼虫も売られていますが、家庭菜園のような青空の下の開放的な空間ではさして効果はありません。
ですので、天敵がいつきやすいように実のなる木を植えたり、水場や鳥箱を作って小鳥に住み着いてもらったりと効果的な方法を考える必要があります。
なお、不用意に薬剤をまいてしまうと天敵も一緒にやられてしまいますので注意しましょう。
なお、害虫の天敵というと
- カエル
- ナナホシテントウムシ
- クモ
- カマキリ
- カゲロウ
- クサカゲロウ
- トンボ
- 鳥類
があげられます。いついてもらうのは大変ですが、それぞれ一日に畑の害虫となる虫をたっぷりと食べてくれるので、畑の害虫の防除には最適です。
天敵の種類によって、食べる害虫の種類も変わってきます。
初心者なら農薬を必要としない野菜を栽培する
どうしても病害虫は作物をつくるのに難易度が高い事項かと思いますので、初心者であれば病害虫がつきにくいものから育てるのがオススメです。
たとえば、同じ葉物でもアブラナ科(コマツナ・キャベツ等)よりもアカザ科(ホウレンソウ・フダンソウ等)の方が被害にあいにくい傾向にあります。
- ゴボウ
- サツマイモ
- サトイモ
- シュンギク
- ショウガ
- セリ
- セルリー
- タマネギ
- ナガイモ
- ニラ
- ニンジン
- ニンニク
- ネギ
- パセリ
- フキ
- フダンソウ
- ホウレンソウ
- ミツバ
- ミョウガ
- ヤマイモ
- ヤマトイモ
- ユリ根
- レタス
- ワケギ
こういった野菜は比較的病害虫が少ないものとなります。
ですので、このあたりから家庭菜園初心者は始めてみるといいでしょう。
その他 病害対策
さて、野菜の生物としての敵は虫だけではありません。鳥や動物などから被害がおきる場合もあります。糞害なども考えられますので、下記のような対策も有効です。
- 不織布などで覆う
- 防鳥ネットをかける
- 雨避けや敷きわらを設置する
- 天然防虫剤を使う
実などを鳥についばまれることもありますし、雨や道路に面したところでの泥はねなども病気の発生になりやすい原因となります。
少しでもやられる可能性を低くしたいのであれば、事前にその為の対策をしておくと安心です。
台所用品で安全な天然防虫剤を作ってみよう!
実は台所にあるもので安全な防虫剤を作ることができるんです。今回はその方法を紹介していきます。
【牛乳+石鹸水】
有名なアブラムシ対策の方法で、牛乳を散布することでアブラムシの動きを封じて撃退することができます。
散布するときはスプレーなどを使いますが、牛乳をそのまま注ぎ込むとスプレーが詰まってしまいますので、石鹸水などで薄めると使用しやすくなります。
【木酢液+ニンニク】
ハダニなどの撃退や、ネグサレセンチュウ・ネコブセンチュウなどの土壌線虫の被害を抑えるなど効果的です。
すりつぶしたニンニクを水に溶かし、市販の木酢液に混ぜて葉に散布します。
【食酢+石鹸水】
害虫が寄ってくるのを防ぎ、カビや細菌の繁殖を抑えるのに酢が効果的です。
これを薄めて散布するだけで効果がでるのですが、効果を持続させる為に糊の役目として石鹸水を混ぜるとさらに有効です。
【食酢+焼酎】
防虫やカビなどの繁殖を抑える効果を、焼酎を混ぜることでさらに強力になります。
ニンニクやトウガラシなどを混ぜるとさらに効果的です。多量の水にほんの少しだけで十分ですので、作って試してみましょう。
まとめ
さて、病害虫対策についてまとめてみました。
家庭菜園をやる以上は、害がある可能性のある農薬は使わずに無農薬でいきたいところです。
このようにさまざまな方法がありますし、プロに相談すれば多様なやり方を教えてくれるかもしれません。植物を育てるのに虫が嫌とは言ってはいられないので、早めになれる必要もあるでしょうね。
本記事が参考になれば幸いです。