世の中のお店を回っていると、「本日限定!」とか「当日限り!」とか「閉店セール!」とかよく見かけます。
そこでついつい買ってしまうという人もいるでしょう。おそらくこれがお店の作戦であるということはご存じでしょうが、どのような心理で買ってしまうのでしょうか?
この限定商法についての解説をしていきたいと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
なんで限定品という言葉を乱用するの?
さて、多くの人が、
- 期間限定
- 数量限定
- 残り一品
- この場限り
などといったPOPを見てしまうと思わず手に取ってしまうことが多いでしょう。むしろ、こう書かれると弱い!という人も結構いるかもしれませんね。
実はこれ「希少性の原理」というもので人間の心理に訴えるものなのです。
つまり、世の中に出回る数が少ない商品ほど、人間は希少性を感じて魅力的で価値のある物と感じやすいので、お店はその効果を狙っているということです。
たとえば『閉店セール!』とか『改装の為、売り切りセール!』とか言われると安いかも!とか、この機会を逃したら買えなくなるかも!とかそういった気持ちが働くのです。
とはいえ、その効果を期待してか年がら年中『閉店セール』をやっているお店もあります。
どちらかというと、別の地方・地域から来た初見の客層を狙ってそういうお触れにしているのだとは思いますが、さすがにちょっとズルイですよね。
ちなみに虚偽ではないか?となると、〇年後に閉店するからいまから閉店セールだ!となるようです。まあ、間違ってはいないですけど本来は景品表示法違反になる可能性があります。
棚卸や改装を理由に閉店セールを繰り返しているお店もありますが、これを閉店商法と言って地元の人には嫌われるやり方です。
心理的リアクタンス!その効果は人の所有欲にあり!
人が購入を決定するときに得られる満足は三つあります。
- 選択の満足
- 購入の満足
- 所有の満足
の三つです。限定品商法はこの三つのうち『所有の満足』を大きく満たすものに違いありません。
仮に「本日限り」と言われると「この機会を逃せば二度と買えないかもしれない」という心理が無意識化で働きます。
お正月の福袋なんて最たるものではないでしょうか。何が入っているかわからない、お店の在庫処分かもしれない。そんなことを思いつつも、毎年大勢が買っていくのは、期間限定であり、さらに数量限定や誰かに買われてしまう!といった考えが働くからなのです。
そう、自身がいつでも買えないということは、制限がかけられるということです。人は自由を制限されると抵抗する力が強く働き、自由に執着をしてしまう心理作用が働くものなのです。
この心理作用のことを「心理的リアクタンス」と呼びます。
だからこそ、他人にその自由に買えるという権利を奪われまいとしてうっかり購入してしまうことになってしまうのです。
多くの人が転売ヤーを憎むのは、その購入の自由を奪うからこそと言えるでしょう。
いくつかの限定商法の効果はこれ!
それでは、思わず買ってしまう心理を利用した限定商法をいくつかその効果と共にご紹介をしていきたいと思います。
【数量限定】
「一日〇食限定!」「残りあとわずか!」といったように、サービスや商品数量をあえて絞ることにより、希少性を演出できます。
実際はまだいくつもあるのに、希少性を見せかけて買ってもらったり、材料を仕入れればいくらでも作れるのに〇食限定などは、購買層のリピート率を上げるのに効果的です。だって、次回は絶対に食べてやると一度目は別の物を注文するからです。
落ち着いて考えれば大したことがなくても、希少である可能性が目に入ると人間は手に入れたり、食べてみたりしたくなるものなのです。
【限定特典】
「期間限定予約特典」「いまなら〇〇がついてくる」といった、期間限定特典も重要なマーケティングの一つです。
商品そのものよりも、付属品などといった特典に希少性をもたせることで販売するやり方となり、週替わりやお店によってこの限定特典に違いがあると、優良顧客は同じ商品であろうとも限定特典の違いを求めていくつも購入してしまう人がいます。
つまり、売り手としては販売数量が勝負ですので、一人の客がいくつも買ってくれるのであれば大変な成果をもたらすということに繋がります。
【期間限定】
「〇日まで何割引!」「今だけ〇〇をサービス」などといった、特典ではなく金額やサービスといった期間限定の物も有効です。
じゃあ、サービスが終わるまでに買っておくか……といった、購買意欲を高めることができるからです。
外食チェーンなどでよく、夏限定のメニューとか季節限定メニューを出すことが多くありますが、これはその時しか食べられない!という心理効果を期待して期間限定の提供を呼び掛けているのです。
まとめ
さて、限定商法についてまとめさせていただきました。
このように世の中のお店では、人の心理に訴えかけて購買意欲を促進させることが多々あります。落ち着いて考えればなんてことはなくても、パッと見て期間限定というPOPを見てしまうと、どんなものか見たくなるのが人の心理です。
販売側のマーケティングの基礎としては当然ですが、購入者側もちゃんと考えないと散財してしまうので気を付けなければなりませんね。
本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。