事務系の仕事をしていると、
「あ、これ赤した後で〇〇で黒入れておいて」
と処理の指示がされるようなことがありませんか?
でも、『赤』とは?『黒』とはなに?と伝票処理に慣れていないとその言葉自体が意味不明という人も意外といるかと思います。
今回は、そんな伝票上の赤と黒について解説をしたいと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
赤伝票、黒伝票とは?
さてまあ、結論から申し上げると、赤伝票と黒伝票というのは、
赤伝票はマイナスの伝票
黒伝票はプラスの伝票
と単純に言ってそれだけとなります。
つまり、これを同時にやることで赤伝票の赤と黒伝票の黒で、赤黒処理と一般的に呼ばれています。
「ん?んんーっ!?なんで伝票をわざわざマイナスしたのに、またプラスで上げるの?」
といった疑問をこれだけの説明では考える人もいるでしょうね。
ここからは詳しく事例をあげて、ぼんやりとでもどのような場面で赤伝票処理や黒伝票処理を行っていくのかを図解にしましたので見ていきましょう。
・通常の取引
まずは、一般的な取引の構図です。このように販売店から顧客に対して¥10,000- の商品を販売したとします。
通常はここで納品書という納品時の明細を商品と共につけて顧客に渡すのが一般的です。
販売店側は売掛金として、売上をプールしておき、毎月20日や月末にその月に販売をした分をまとめて、顧客に請求するというのが通常の会社の取引の流れです。
商社など、実店舗で直接現金で販売しない場合の取引形態ではこれが通常の取引となります。
就職活動するにあたり、業種って世の中色々あることに気が付きますよね。さて、『商社』ってなんでしょうか?あまり普段の生活になじみのない人や社会に出ていない人にとってはピンとこない人がいるかと思います。ここではそんな商社というも[…]
・事例1 値段が間違っていたとき
さてさて、ここからが重要となります。仮に本来¥10,000-で販売するべき商品を¥12,000-で販売してしまったらどうでしょうか?
金額が違うと顧客から言われるのは当然ですが、納品書もこのままの金額というわけにもいかないですし、このまま高い金額でいいよ、なんて言ってくれる顧客はまずいないでしょう。
そんなときは、
値引を入れて帳尻を合わせます。
これが値引伝票という、赤伝票処理(通称:赤伝処理)となるのです。
上記図では赤文字で入れていますが、¥2,000-のマイナス処理をおこないます。
これなら赤伝票処理だけで、値段を合わせられるということですね。
・事例2 返品があったとき
次に返品があったときですね。
上記のように販売店が顧客に商品を販売をしたところ、返品があった場合のことです。
ちなみに、気軽に返品を言って返そうとしてきたり、聞きかじった『クーリングオフ』という言葉を使ったりして、不必要だったからとか間違えて買ったとか、あまったなどといいながら商品を返そうとしてくる人がいます。
が、正当な理由がない限り通常は返品はできないのが一般的です。やってくれるとしたら、販売店側の好意であることを覚えておきましょう。
もちろん、クーリングオフも訪問販売など勢いで買わされたという自分の意思が全て介在しないで買った場合にのみ適用されるもので、通常の売買では安易に使えないものです。
さて、そんな余談はともかくとして、販売店側が送付する商品を間違えたなどヒューマンエラーによるものはよくあることです。
そうなると、必然的に返品をするのですが、通常は在庫管理という観点上、ここで値引きが使われることは滅多にありません。
このように、返品された品物が到着しだい、返品伝票というものを入れます。
これもまた、マイナスの金額の伝票を入れる為、赤伝票処理(通称:赤伝処理)と言われます。
・事例3 品物が合っているのに伝票が違うものが入ってしまった場合
人為的なミスはあるもので、正しい商品を送付したはいいですが、納品書が間違えて違う商品だったり違う値段だったりするものが顧客に入ってしまうこともあるものです。
当然ながら正しい商品が入っているので、顧客側は特に品物を返品する必要性はありません。
この場合は、伝票上のみの処理で対応します。
つまり、上記のように一度間違っていた伝票内容の商品を返品としてマイナス処理をして、正しい納品書を計上して顧客に送るのです。
一度返品する処理を赤伝票処理(間違えた分をマイナス)、正しい納品書を上げることを黒伝票処理(正しい金額をプラス)と呼び、このふたつを合わせて赤黒処理と呼ばれています。
まとめ
さて、赤伝票処理と黒伝票処理についてまとめてみました。
事務作業をしているとよく聞く言葉なので、当たり前のように赤処理・黒処理と使われますが、普段こういった伝票処理をしない人や新入社員などは「なんのこと?」となる人が結構いるようです。
会社において一般的な処理方法ですので、この辺りは伝票関連に携わっていなくても覚えておいて損はないのかなと思います。
本記事が誰かの参考になれば幸いです。