在宅避難という言葉を知っていますでしょうか?
国や自治体は、災害の後で倒壊の恐れがない場合に在宅避難を勧めています。
さて、この在宅避難とはどのようなものでしょうか?メリットとデメリットについて本記事ではあげていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
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いざという時に手ぶらで逃げてしまうと後々でさらに困ってしまうかもしれません。
東日本大震災のときのように大災害が起きたとき、何も持っていなかった人が少なくても避難所にたどりつくまでどれだけ苦労したかは記憶に新しいことでしょう。
防災のプロが監修した『防災バッグ』をもしもの時の為に用意しておくと、いざというときにすぐに持ち出せて安心です。
在宅避難とはどういうもの?
おそろしいことに、一行で本記事の主題である『在宅避難とは』について終わってしまいましたが、まあさすがにこんなこと誰でも想像つきますし、わかっていることかと思います。
もう少し詳しくいえば、災害による建物へのダメージなどで倒壊のおそれが少ない建物で、何か危険性があればすぐに逃げられるよう自宅で警戒を続ける状態のことです。
「そんなの、なりふり構わずに避難所にいけばいいじゃないか」
と思う人も言う人もいるかとは思いますが、範囲の制限された小規模な災害であれば万が一のことを考えて早々に避難した方が安全なのは間違いありません。
ですが、大規模な災害であればどうでしょうか?
東日本大震災のときの避難所への避難者は約47万人でした。
一方で最悪を想定した南海トラフ地震の避難者の予想としては、950万人とされています。
これが過大なのか過少なのかは、現実に起こってみないとわかりませんが、少なくてもかなりの広範囲に被害が出ることが予想されているのは確かです。
さて、残念ながら日本の避難所はこれだけの人数を各被害想定地域で分散しても収容できる許容量はありません。
運よく避難所に入れて貰ったとしても、わずか一畳程度のスペースしかなく、被災や食料や水不足、衛生問題などストレスが溜まる一方な状態になることは東日本大震災の避難所の状況から明白です。
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となると、倒壊のおそれがない、あるいは少ない自宅があるのなら極力家で警戒をしつつも、復旧まで可能な限り頑張って貰おうというのが在宅避難なのです。
国や自治体でも、東日本大震災以降はまだその規模の大災害が起こっていないにも関わらず、すでに近未来に起こるであろうことを想定して推奨をしています。
まあ、いまからすでに言っているということは実際に大災害が起こり被災して避難所に行ったとしても、自宅が無事だからと追い出されてしまう可能性は高いでしょう。
自宅が住めない状態になって逃げて避難所に行くにしても、自宅が無事で在宅避難をするにしても、ちゃんとした備えは平時にしておくといいのではないかと思います。
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在宅避難のメリットとデメリット
さて、不安だから避難所に行きたい。あるいは自宅の方が安心するから在宅避難でいいなど人によって意見も変わるでしょうし、被害状況にもよるところではないかと思います。
とはいえ、住み慣れた我が家が一番であり、知らない他人がごった返す避難所には行きたくないと考えている人の方がおそらく多いのではないでしょうか。
ですがこの在宅避難、基本的には自宅にいるだけですが災害による被害があるうちは平時と状況が大きく違ってきます。
ここからは、そんな在宅避難のメリットとデメリットをあげていきましょう。
・在宅避難のメリット
在宅避難のメリットとしてもっとも大きなところは、住み慣れた家で家族のみで生活することができることです。
避難所にいるときのように「他人の目」を気にして過ごすことなく、プライパシーを持ったまま過ごせ、特に我慢がきかない赤ちゃんや子供、ペットの泣き声などが迷惑にはならないこと。
特にペットは災害時には人間が優先されてしまう為、大事な家族であろうとも二の次にされてしまいますので、一緒に自宅にいられるのならそれに越したことはないでしょう。
他にも、
- 犯罪に巻き込まれにくい
- ストレスが溜まらない
- 感染症リスクが低い
といった、人間が集まると必ず起きてしまうトラブルを回避しやすくなります。
それに大災害で避難所に行ってしまうようになると空き巣が多発します。わざわざ空き巣をする為に被災地までやってくるといった、くだらない犯罪者もいますので注意が必要です。
洗濯物を干しておいたりして在宅であることをアピールしたり、人感センサーなどを設置しておくと空き巣から強盗になってしまうような被害リスクも低減しますので平時のうちに設置することを考えた方がいいかもしれません。
・在宅避難のデメリット
当たり前ですが、大災害時ですのでいつもの日常と違ってくる為、在宅避難時にデメリットも発生します。
一番大きいのが、情報が届きにくいことと食糧や水の問題です。
災害時の情報は優先的に避難所に回ってくるようになっていて、わざわざいるかいないかわからない、しかも個人の自宅まで連絡はなかなか届きません。
ましてや、おそらくそこまでの災害であれば間違いなく停電していると思いますので、テレビや携帯電話などが使えないことが想定されます。これでラジオがなければ新鮮な情報はなかなか入ってはこないでしょうし、避難所に届くはずの支援品や救援物資などもいただくことができません。
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さらに、自宅ですと食糧や水は自分で調達しなければなりません。
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避難所に仮に行っても避難所の人ですら十分な量が配られるとは限りませんので、在宅避難の場合は平時に買い溜めていた備蓄がしばらくは役に立つでしょう。
大災害はいつ、どこで起きるかわかりませんので何もない時にこそ、もしもを考える必要があり、起こってしまっては遅いです。
ある程度長期保存できる物などを普段から用意しておくと安心かと思います。
ちなみにデメリットは他にも、
- 人がいない・建物倒壊など二次災害による不安感の増加
- いざという時に協力できる人がいない・相談する人がいない
といったことがあげられます。
まとめ
さて、在宅避難とはについてまとめてみました。
起きて欲しくはありませんが、いつかどこかの未来で必ず起こるであろう大災害。東日本大震災より時間も経ち、警戒感が薄れてきたからこそ南海トラフ地震でなくても、何かが起こるかもしれません。
そのとき、自宅に留まることを求められることもあるでしょうから、そのときの備えをしっかりとしておく必要はあるかと思います。
本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。