植物に感染する病気、『炭そ病』というものをご存じでしょうか?
葉に黒い斑点ができているのを誰しも観葉植物などで見かけたことはあるかと思います。
放っておくと広がっていき、穴があいて被害が広がっていくのがこの病気の症状です。
さて、この植物の病気はどのようなものなのでしょうか?症状発生の原因や対策などをお伝えしていきましょう。
家庭菜園をやっていて、これ病気か?それとも害虫か?とどこかおかしいことに気が付いても、どういった病害か害虫にやられたのか分からないということが多々あるものです。虫害といっても、肝心の虫が見つからない。でもこのまま手をこまねい[…]
炭そ病とは?
炭そ病です。 pic.twitter.com/7zbxS8idwX
— きらファーム (@kirrafarm) July 11, 2016
炭そ病(たんそびょう)というのは、庭木や観葉植物、家庭菜園などでしばしばおきる病気です。
葉に円形で褐色の病斑ができ、穴があいていくのがこの病気の特徴です。
この病気の原因はなにかというと、カビ(糸状菌)が原因となります。
しかも、伝染性ですので放っておくとどんどん広がっていきます。たとえば、この病気の被害にあっている病斑の部分の黒い粒やピンク色の胞子の塊が雨の跳ね返りで別の部位に飛散するなどをすれば簡単に植物全体を同じ被害に合わせてしまいます。
葉はあからさまに健康な色から変わっていきますので一目でわかりますが、カキやスイカなどの果実でも同じことがおきるのです。
最初こそ黒色の小さな斑点であったものが徐々に大きくなっていき、円形の病斑がみられるようになっていきます。
木の枝もまた、黒褐色の斑点がついていくので、これ病気かな?と思ったら早急な対処が必要となります。
【発生の原因は?】
炭そ病はカビが原因です。つまり、日当たりの悪さや風通しの悪さ。あるいは水はけの悪さなどカビが発生しやすい環境になってしまうと発生する可能性が高くなります。
逆にいえば、日当たり・風通し・土壌の水はけ・湿度などカビが生えない環境を作ることが大事ということです。
茎や葉が茂り過ぎていると自然と上記環境にならないことに繋がってしまう為、発病を促してしまうおそれがあります。
【発生時期は?】
発生する時期はだいたい4~11月と、植物を育てる時期ほとんどに合致しています。
しかも、この病気の厄介なところは冬になっても冬眠するかのように病斑の中や土の上で眠って越冬することです。
なので、前年被害にあい、冬におさまったと思っても翌春になるとまた再び増殖してしまうのです。本当に厄介ですね。
【発生しやすい植物は?】
・野菜類
- イチゴ
- キュウリ
- スイカ
- ホウレンソウ
など
・果実類
- カキ
- ウメ
- サクランボ
- イチジク
など
・花木や庭木類
- ヒイラギナンテン
- ツバキ
- アジサイ
など
・草花類
- ベゴニア
- ニチニチソウ
- スズラン
- シンビジウム
- カトレヤ
など
・観葉植物
- アイビー
- ポトス
- ドラセナ
- ゴムノキ
- デイフェンバキア
など
毎日の管理による炭そ病の対策とは?
炭そ病は伝染病ですので、被害を受けた葉をそのままにしておくと、どんどん広がっていきます。
ですので、毎日しっかりと管理して早期発見して周囲に伝染する前に被害部分を取り除くのがもっとも重要です。
かからない為にも、普段からできるだけ密植を避けて風通しや日当たりをよくしましょう。
鉢植えでの栽培では、水をあげるのは株元へと行い、屋外で育てるのであれば雨を避けて育てるのが普段から気を付けることとなります。
炭そ病に効果のある薬品はなに?
さて、植物の病気の発生にはちゃんと対処できる薬品のスプレーが販売されています。
発生初期に早急に発見をして、すみやかに散布をしましょう。この病気の場合は植物全体に散布することを心がけましょう。
【ベンレート水和剤】
植物のカビ(糸状菌)が原因で起きる全般の病気に使用できるものです。薬害も少なく、低濃度で使用するので葉への汚れも少なくなります。
主に病原菌侵入の予防効果と、病原菌そのものを退治する治療効果を兼ね備えています。
水和剤ですので、水で1000~4000倍に薄めて希釈させ、スプレーなどで病気の予防となる発生前や発生直後に散布することで効果が見込めます。
・効果のある病気
- うどんこ病
- 黒星病
- 白さび病
- 褐斑病
- 球根腐敗病
- 萎凋病
- フザリウム菌の病害
- ごま色斑点病
- 炭そ病
- 花腐菌核病
- 灰色かび病
- つる枯病
- つる割病
- 菌核病
- 黒色根腐病
- 葉かび病
- 半身萎凋病
- 立枯病
- 萎黄病
- 胴枯病
- 灰星病
- 果実腐敗病
- すす斑病
- 白紋羽病
・使用できる植物
- トマト
- ナス
- キュウリ
- レタス
- キャベツ
- ハクサイ
- イチゴ
- ジャガイモ
- サツマイモ
- ネギ
- サヤエンドウ
- サヤインゲン
- ブルーベリー
- ミツバ
- スイカ
- ウメ
- カキ
- モモ
- 柑橘類
- リンゴ
- キウイフルーツ
- バラ
- キク
- チューリップ
- シクラメン
- シャクヤク
- ボタン
- パンジー
- 樹木類
まとめ
さて、炭そ病についてまとめてみました。
あまり病名としては聞いたことがないかもしれませんが、植物を見ている人であればよく見かける症状ではないかと思います。
葉にダメージがあるということは、光合成などができなるということですので自然と植物はしおれていきます。せっかく育てているのにそれは嫌ですよね。
ですので、早めの対処が必要ではないでしょうか。
本記事が参考になれば幸いです。