花火の色ってどう決まるの?色の仕組みは炎色反応によるものだ

夏に定番となっている花火。夜空に大輪の花を咲かせるのは情緒もあり、毎年楽しみにしている人もいるのではないでしょうか?

しかし、どうやって花火の色が決まっているのかご存じですか?実はその仕組みって学生時代にも習う炎色反応を利用しているんです。

花火の色がどう決まるのか。それを解説していきましょう。

本記事が参考になれば幸いです。

 

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花火の色を決めるのは炎色反応

炎色反応という言葉を知っているでしょうか?おそらく学生時代に理科の授業で習う内容だと思います。

そう、金属というのは加熱すると光を出す性質があるんです。そしてその色は金属の種類である元素によって変わってくるんです。

その色の一覧は下記になります。

 

金属(元素)炎色反応の色
リチウム深紅色
ナトリウム黄色
カリウム淡紫色
ルビジウム暗赤色
セシウム青紫色
カルシウム橙赤色
ストロンチウム深赤色
バリウム黄緑色
ラジウム洋紅色
モリブデン黄緑色
青緑色
ホウ素黄緑色
ガリウム青色
インジウム藍色
タリウム淡緑色
スズ淡青色
淡青色
リン淡青色
ヒ素淡青色
アンチモン淡青色

 

 

 

 

金属というものは、非常に小さな原子が集まっています。一個の原子には中心に一個の原子核があり、その周囲をいくつかの電子が回っています。

原子が加熱されると、回っていた電子はその熱のエネルギーを吸収してその回り方を変えてしまいます。

が、原子核から離れたことで元の安定した回り方に戻ろうとします。その際に吸収した熱エネルギーを放出します。それが光となって見えます。

このとき、金属が違えば光の波長も変わってきて違う光の色に見えるのが炎色反応なのです。

つまり、このような色の違う金属と火薬を花火の火薬玉に詰めることで、夜空を照らす多くの色鮮やかな花火となるのです。

 

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打ち上げ花火の打ち上げと花火玉の仕組み

さて、花火の色を決めるのは金属の違いによる炎色反応であることはおわかりいただけたでしょうか?

ここからは、花火を打ち上げるときと星の仕組みについて解説をしていこうと思います。

【花火の打ち上げ】

花火の打ち上げは、大砲の原理と同じです。あるいは火縄銃といってもいいかもしれません。

花火を打ち上げるときの手順は下記のようになります。

①地面に打ち上げ花火用の筒を用意します。この筒を「煙火筒」と呼びます。

②打上げ火薬を筒に充填します。

③花火玉を筒にセットします。

④筒の火薬に点火すると、その勢いで花火玉が空高く打ちあがります。

⑤上空で導火線から花火玉が点火します。

⑥星と呼ばれる火薬玉が飛び散り、色を変えながらほんの数秒の綺麗な花を咲かせるのです。

つまり、下記のように上空に打ち上げ火薬の爆発を利用して高速で空高く打ち上げるんですね。

【花火玉の仕組み】

https://twitter.com/nobu7092/status/1196043314262200320

 

花火玉は、下記のように導火線。紙製の玉皮。割薬と呼ばれる火薬。そして、星という火薬玉からできています。

星というのは、真ん中にある芯に向かって、異なる金属を火薬にまぶして作られます。この星は外側から順番に燃えていくので徐々に色が変化していくのです。

なので、打上げ時に導火線に点火。空中で導火線の火は花火玉の割薬に引火して星を散らばらせます。まさに爆発ですね。

そして散らばった星は外側に点火しやすい火薬を詰め込んでいるので、花火玉の爆発と同時に火がついて外側から色を変えながら燃えることで見上げている人は夜空に咲く火の花が色を変えていく姿を見るわけです。

ちなみにこの花火玉、打上げの高さによって大きさも値段も変わってきます。最大高度が700mくらいで40号。外形120cmの420kgの巨大なものですと一発260万円もするんです。

逆に50mくらいの高さですと、外形5.6cm程度で100gと軽くて小さいものです。これだと3千円程度ですので、安いといえますがその分開花は小さいものとなります。

とはいえ、花火大会は一発で終わらせるものではなく数千発から一万発くらい打ち上げるので、一回の開催で5千万円から1億円近くがかかるんです。

 

 

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個人は打上げ花火をあげられない

最後にご注意があります。

いつか自分のコミュニティーで打上げ花火をあげたい!そう考える人がいるかもしれません。

あるいは、個人企画で打上げ花火をしたい!なんて突発的に考える人がいるかもしれませんね。

しかし、残念ながら打上げ花火を個人ですることは不可能に近いほどハードルが高いといっていいでしょう。

そもそも、花火を打ち上げるには煙火打揚従事者手帳というものを持っていなければなりません。要するに花火を購入したり打ち上げる為の資格です。

これは花火に関連した会社に所属していなければなりませんし、そのうえで講習・技能認定と取得までになかなか時間のかかるものですので、突発的に思い付きでとれるようなものではありません。

しかも、花火は火薬の塊ですので火薬保管責任者という資格がないと買っても持ち運びすることは不可能です。しかも国家資格ですので難易度はかなり高いです。

かなり本気で取り組まないと個人で打上げ花火なんて夢のまた夢ですね。他にも場所や警備の人手の確保。さらに打上げ花火をする為には都道府県にちゃんと申請を出さなければなりません。

ときおりアニメなどで簡単に主人公たちがあげたりしていますが、完全に違法で逮捕案件ですので現実的に考えると無理があり、アニメだからこそということですね。

それだけハードルの高い打上げ花火ではありますがもし、仮に個人でやるとするのでしたらプロを雇うしかありません。

最近ではイベント用に花火の打ち上げプランなどを提示している会社もあり、希望に沿った内容や花火を作ってくれるのでお金しだいでどうとでもなるでしょう。

ですが、やはり花火大会などで大輪の花は愉しみ、個人では公園や広場などで仲間や家族と愉しむのが手堅く一番ではないかと思います。

 

 

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まとめ

花火の色がなぜできるのか、それと打上げ花火の仕組みについてまとめさせていただきました。

花火玉を作るだけでもプロの技術がふんだんに使われており、一発につき本の一瞬だけとはいえ皆を愉しませてくれるんですね。

しかも、炎色反応という学生時代の勉強が役に立つのですから、どこで何が使われているかわからないものですよね。

本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。