国語・算数・理科・社会。小学生の基本となる教科です。さらに増やすと、体育・家庭科・美術・音楽・習字・英語・コンピューター・道徳が週に何時間かあるくらいでしょうか?
中学校・高校になるとこれがさらに細分化して専門学科としての勉強となっていきます。しかし、これははたして将来役に立つのでしょうか?
「学校の授業なんて将来役に立たない・意味がない」そんな発言をする大人がいますが、それは非常に狭い視野で見ているだけです。今回は、この授業と大人になった時に何に役に立つのか。考察を述べてみたいと思います。
本ブログでは、何かの気付きになれば幸いです。
学校という時間と勉強の意味とは?
学生時代の勉強はとにかく「面倒くさい」「さっさと大人になってお金を稼ぎたい」「こんなことして将来なんの役に立つの?」そんな発言をする生徒が多いと思います。
実はですね、その考え方は非常に損なんです。大人になると理解しますが、学生時代は時間もあり、友人や仲間も大勢いて、多くの人が学生時代に戻りたいというのです。
学生の頃は教科書や勉強道具に囲まれて気付かないかもしれませんし、面倒に思えるかもしれませんが大人になって勉強するというのは結構困難なことなんです。
仕事があるから時間の確保ができない。誰かに教わるにしてもお金もかかる。強制力がないから忙しさにかまけて結局やらなくなってしまう。などです。
むしろ、大人になってからの方が知識欲は強くなるものなのです。だから、学生時代に勉強できる時間というのはとても幸せなことなんです。
「もっと勉強しておけばよかった」なんて発言する人もいるくらいなので、その言葉の重みを理解いただければと思います。
しかし、そんな心情を語られてもわかりませんよね?ですので、学校の意味と勉強の意味を考察し、書きだしましたので一つの意見だと思って読んでいただければと思います。
【学校の意味】
学校とは勉強の場!!と言われることが多いですが、それは短絡的な形骸化された発想の言葉でしょうか?それとも深い意味を含んだ言葉でしょうか?
もし、そういうものとして思い込み、短絡的な考えて発言しているのならそれはとても薄い言葉に相手は聞こえるでしょう。
勉強なんてやろうと思えば大人だってできるし、個人で自主的に勉強をすればいい。親が子に教えればいい。それは昔から人間がやってきたもので『学校』である必要性はないんです。
理由を問われたら国語とか算数とか勉強しに行くのだから、勉強の場といって間違いないだろう。そう答える人はどれだけいるでしょうか?合ってはいますが、それだけで本気で言っているのならテストなら20点です。
他にも学校というシステムは多くの物があり、同じ『勉強の場』という単語の中にも多くを理解していれば意味を成すものなのです。
・勉強をする
多くの人が思い浮かべるのはこれですね。教師や教科書から知識を得ることで、知識を増やしていく。余程の事情がない限り日本人は少なくても中学生までは学校に通って知識を得ます。
・集団生活を学ぶ
学校は同じ歳の多くの子供たちが集まって皆で集団行動し、協力し合うことで多くのことを学んでいきます。家庭だけでは決して学べない経験です。
・友達付き合いを学ぶ
集団生活の中から友人ができ、個人間で遊ぶこともあるでしょう。生まれた時から一緒なのは両親や家族ですが、学校で他人と関わり仲良くしたり喧嘩したりするのも経験と勉強になっていきます。
・親からの独立を学ぶ
保育園・幼稚園までは親の保護の元で過ごしますが、小学校・中学校・高校と進むに連れてしだいに親から離れ、考え方も親と違ったものを持つようになっていくでしょう。
それは、親元を離れ、学校で多くの人に触れて多くの考え方を学んできたからなのです。反抗期など、子供の独立心の象徴ともいえるでしょう。
・常識を学ぶ
基本的な常識は親が教えるものですが、社会的な常識は学校生活で実践して学ぶものです。年上の先輩や教師への言葉遣い、態度。後輩の面倒や家には置いていないような物の掃除の作法などの家では学べない常識を学ぶ場でもあります。
・心の成長や痛みを学ぶ
家ではどうしても肉親である家族が守ってくれますが、学校ではそうもいきません。教師に苛立つこともあるでしょうし、友人同士で喧嘩になるかもしれません。その一方で、成功体験など多くを経験することで心は喜びや痛みを感じて大人へと成長していくのです。
まだまだあると思いますが、教科書を使っての勉強は多くの学校生活の学びの一側面に過ぎないのです。では、その勉強ですが一体どのような意味があるのでしょうか。
【勉強の意味】
ひとえに『勉強』といっても多くの意味合いが含まれますが、ここでは一般的な教科書を使った勉強についての意味合いで述べさせていただきます。
さて、「勉強って意味があるの?」という疑問をもつ人はとても多いですし、大人になってから「学生の勉強に意味はない」という人がいますが、それは間違いです。ちゃんと勉強には意味があるんです。
詳しい教科別に関しましては次に考察を述べますが、総合的に考えると『考え方を学ぶ』というのが正しい表現ではないでしょうか?
学生時代というのは、一生でもっとも脳が成長しやすい時代です。そして、勉強というものはまさに自身が知らないことを覚え、工夫や失敗を繰り返していくものです。
①という答えに限らず、②という答えも導き出すなど様々な考え方があることを学ぶ場ではないでしょうか。
学科別による将来の影響考察
さて、では学科別に将来にどのような影響をもたらせるのかを考察していきましょう。
おそらく、どのような科目にもまったく意味がないということがないと思います。
ちなみに、ここでは中学以降の専門学科を含めるときりがないので、大別する為に小学校の学科名にて考察していきます。
【国語】
読む・書くということは社会人としてどころか、生活の基本ですよね。日本は平仮名、カタカナ、漢字と複合的に組み合わせて文書にしますので、文字の読み方を覚えるのは必須です。
そして、これはこのようなことを示している、と文書の読解力を鍛えることで本を読む知識だけならず会話でも相手の意思をくみ取ることができるようになる能力を鍛えられるのではないでしょうか。
加えてことわざや四字熟語などを知ることで自然と会話の組み立て方にも影響し、会話能力を学べる学科かと思われます。
国語の延長である古文などを覚えることは日本における文字の歴史を知り、そして考古学などに興味をもつ人を作る為かもしれませんね。
【算数】
足し算、引き算、割り算、掛け算といった四則演算は大人になっても日常で当たり前に使うものです。買物の時に計算ができなければ話になりませんし、どこの企業やどんな役職についても計算というものは必ず使います。
それは小学校低学年で習うことですが、ではちょっと学年を上げてみましょう。知っていますか?面積を求めたり、重量を求めたり、塩分濃度を求めたりするのは測量をする上で重要な計算なんです。
いまは機械で簡単に求めることができますが、その機械を作った人はそういう計算をプログラムしないといけません。
では、数学になったらどうでしょうか?二次方程式など複雑な計算式なんて使うのか?いえ、実は使うんです。二次方程式に限らず、多くの計算式は世の中のあらゆることに使われているんです。
最低限の計算さえできていれば問題ない?とんでもありません。パソコンや携帯電話、他にも身の回りにある家庭用の機械や産業機械などは数学知識の集合体といってもいいほどに複雑な計算式が組み込まれているのです。
多くの人には確かに意味はないでしょうが、技術や開発といった職業の人。そして、例えば地球の面積や距離を求めるようなことができる数学者などには日夜関係が深いものなのです。
【理科】
ひょっとしたら、学校の授業の中で小学生の頃から一番専門性が高くなる授業かもしれませんね。
元素記号の知識や薬品知識など、テレビでも当たり前のように出てくるものもあり、最低限知っていることが常識になります。
薬学や遺伝子工学などにも繋がっていく知識を蓄える授業ですし、宇宙船の材質や燃料などにも使われるのでこの分野を勉強すれば勉強するほど科学者の道へと踏み出していくことになります。
広域でいえば、人類が生きているということ自体が生物学というすでに理科の分野ですし、工業はほとんどが理科の知識を使ったものだと思っていいでしょう。
勿論、そんな高みばかりではなく、実は知らず家庭でも使われています。料理などは混ぜ合わせた化学反応などを利用して美味しくしていたりとその最たるものですよね。だからといって、理科を意識はしていないでしょうが。
当たり前に使っている掃除用の洗浄液も理科です。ドメストとサンポールを混ぜ合わせたら毒ガスが出るという話を知っていますか?決してやらないでいただきたいですが、あれは薬品同士の化学反応によって毒ガスになってしまうのです。
知識を使うのは確かに『作る側』ですが、その他大勢の人も最低限の知識を持っていないと危険ですので学生のうちにしっかり勉強しておきたい学科ですね。
【社会】
公民のような政治に関わることは、大人にとって必須の知識ですし日本人は成人すると選挙権が発生します。その一票が自分たちの将来の生活に関わることになるかもしれないので、必ず覚えておきたいところです。
じゃあ地理や歴史なんて何に使うの?という人は多いと思いますが、もし営業などをやるのでしたら地理はかなり重要な知識です。たとえば工業関係の営業職に就いて工業地帯の場所を知らないなんて、もっての外ですよね。
水処理作業などを専門にしている業者であれば、河川などを知っておかなければいけません。
それに、日常生活であれば雪の降りやすい場所、山の多い場所や漁業が盛んな地域などニュースでは当たり前のように毎日伝えられています。
では歴史は?となると実はこちらは織田信長とか源氏・平氏など基本的歴史知識があればさして将来に役立つということは多くありません。会話として使う程度の人が多いでしょう。
物語として使ったり、考古学者や歴史家などにならない限りは興味の対象ということくらいしかないのではないでしょうか。
社会は一般知識を得られる科目ではないかと思います。
【英語】
国際化の現代、どこでも英語というものは必要になってきます。特に世界共通語が英語になっている以上、日本人でも外人から話しかけられたり海外からの電話を受ける時は英語です。
日常会話の中にも英語は浸透していますが、日本人は総じて日本語以外の言語が苦手な人種ですので授業で苦労する人はかなりいます。
学校程度の英語の授業では、会話ができるようにはなりませんが文字を理解することくらいならできるようになります。
あくまで基礎程度ではありますが、日本は内需より貿易が多く外資系企業や海外に輸出している企業はそこそこ多く存在します。最低限これを覚えなければ社会に出て苦労するかもしれません。
逆に、英語を取得できれば就職の幅が広がり有利になるのは間違いないでしょう。
【体育】
学生だからと言って、勉強が全てではないですよね。体育があることで体を動かし、勉強の合間の気分転換にもなります。
そして、学生時代は身体の成長期ですので机に座って勉強するだけではなく運動をすることで成長も促すことができ、体を作ることに繋がるんです。
定期的に体を動かさないとなまっていくだけですので、適度な運動は必要です。
他にも、勉強より運動の方が得意という生徒は多いかと思います。勉強はできなくてもスポーツ選手になる素質を持っていたり、スポーツインストラクターになるなどを目指す人もいるでしょう。
加えて、体育でやることで世の中のスポーツのルールを知ることもできます。
運動が苦手な子にとっては嫌な時間かもしれませんが、社会に出るとオリンピックやサッカーなどの話で盛り上がることもあるので最低限ルールくらいは知っておくべきでしょう。
【家庭科】
おそらく、これが一番役に立つ!と思う人が多いのではないでしょうか?
そうですね、料理・裁縫・洗濯など一般家庭に必要な知識が勉強できるのが家庭科ですので、ダイレクトに将来に役立つ知識であることは間違いありません。
しかし、こちらは家で覚えられるものですし授業時間としては少ないので学校としてはあまり重要視する科目ではないのでしょう。
ですが生活するうえで必要なものですので、しっかりと覚えておきたい授業ですね。
【美術】
絵を描いたり紙粘土などで創造したりすることは、感性を磨くうえで必要なことですし、美術の歴史を知ることや歴史的偉人を知るのは一般的常識の範囲です。
ピカソやレオナルドダヴィンチなど、高名な作者は誰でも知っている名前といっていいでしょう。
もちろん、自分で描いたり作ったりすることで表現力が鍛えられますし自分の才能の見極めにも繋がるのです。漫画家やアニメーターなど絵を描くことを必要とする才能が見つかるかもしれませんね。
【音楽】
音楽はまさしく文化といっていいでしょう。その歴史も含めて一般常識としては知っておかなければならないことが多いですし、どのような形であれ音楽に感銘を受ける人は大勢います。
もちろん、学校の授業程度ではさして勉強という意味ではできないでしょうが、音楽に触れて奏でるのが好き、歌をうたうことが好きなどそういう生徒もでてくるでしょう。
まさに才能の発掘の為にこういった授業があるのかもしれませんね。
【習字】
字のうまさ、綺麗さというのは社会人になっても必ず使うものです。そして、毛筆については慶弔があるたびに袋に入れるものですので日本人なら必須の授業と言っても差し支えないのではないでしょうか。
いくらパソコンが便利になったからといっても、自分の手で字を書くという行為はまずなくなることはありません。
特に習字は書き順や止め、跳ねなど手順をしっかり繋げて字を綺麗に書くことが重要になってきます。知識というよりも、普段の生活に密着した技術を習得する授業ではないでしょうか。
【コンピューター】
コンピューターがなくては何もできない時代に移り変わってきました。小学校の頃からコンピューターに触れさせ、プログラムなどができるようになるよう、日本も授業に組み込むなど取り組みはじめてきています。
おそらく、将来的に誰もが仕事で大なり小なり使うであろうパソコンや端末はもはや日常生活や社会生活に溶け込んでいるものです。
プログラムの知識が将来に必須ではないとはいえ、IT系企業やITを使った仕事が増えている現代においては将来の選択肢を増やす為にも覚えておいた方がいいかと思います。
【道徳】
学生時代はこれ何の意味があるのかわからない授業といったことがあるかもしれません。
しかし、道徳というものは人間が生きる上でとても重要なものです。『常識』という考え方を教わる大事なものです。
他人に嫌がらせをしてはいけません。自分がされて嫌なことを他人にしてはいけません。いじめはいけないことです。
教師によっては教えるべき教師自身がこの意味を理解していませんが、生徒は全員が家庭でこの『当たり前のこと』を教えられているわけではないので、人として必要なことを教わる授業です。
まとめ
ここまで授業で習うことの意味を考察してお伝えしてきました。結局のところ、どんな授業にも何らかの意味はあるんです。
学校の授業なんて意味がない、という人はいますが学校というのは人間形成に必要なものを学ぶ場でもあるんです。もちろん、ここであげたこの限りではありませんが、その勉強の意味を考えて授業を受ければまったく違ったものが見えるかもしれませんね。
本記事が何らかのきっかけになるのでしたら幸いです。