年々強くなっていく台風被害や、大雪被害、あるいは大雨被害など季節ごとにやってくる災害もあれば、巨大地震のような大被害を及ぼす大災害はいつやってくるか現代技術では予想もつきません。
しいていえば、30年以内に来る確率が高いと言われるくらいでしょう。それも、誰も答えを持ってはいません。
そんな災害の多い日本では、いつどこで自分が被災者になってしまうかはわかりません。
そのとき、避難所のお世話になるようなこともひょっとしたらあるでしょう。
今回は、そんな避難所生活のメリットとデメリットをお話していこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
防災グッズは『いま』という平時だからこそ買えるものです!
いざという時に手ぶらで逃げてしまうと後々でさらに困ってしまうかもしれません。
東日本大震災のときのように大災害が起きたとき、何も持っていなかった人が少なくても避難所にたどりつくまでどれだけ苦労したかは記憶に新しいことでしょう。
防災のプロが監修した『防災バッグ』をもしもの時の為に用意しておくと、いざというときにすぐに持ち出せて安心です。
避難所生活のメリット
この投稿をInstagramで見る
災害があったときに比較的安全な場所に避難する場所と言えば各自治体が指定している『避難所』でしょう。
学校の体育館や公民館、集会所などさまざまですが、非常時だからこそ同じように避難してくる人が集まってきて、そこにはメリットとなることもデメリットとなるようなこともあるかと思います。
まずは避難所生活のメリットを考えていきましょう。
・食糧配給などがある
避難所には自治体が万が一の災害用として保管していた食糧などが優先的に配給され、その為の目印となるのが避難所なのです。
食糧だけならず、災害の規模によって生活必需品なども配られることもあり、身を寄せる人達が最低限でも臨時に過ごすことができるような配慮がされています。
着の身着のままで何とか逃げて来た人もいるでしょうから、そういう人達にもありがたい用意ですよね。
ですが、そればかり期待していても災害の規模によっては配給することも難しいこともあります。
できれば、平時のうちに万が一の避難準備はしておいた方がいいでしょう。
阪神・淡路大震災はすでに記憶に薄れてしまった人や知らない人は多いかもしれませんが、東日本大震災はまだはっきりと記憶に残っている人の方が多いかと思います。そうでなくても近年は強い巨大台風や、大雨や大雪などの被害で避難を余儀なくされると[…]
・人がいることで安心できる
たとえば、余震が続くときやゴウゴウと大雨と風が叩きつけるような音を立てているときに、一人でいるのは不安なもので恐怖を感じることもあります。
そんなときに、周囲にたとえ他人であろうとも誰かがいることで安心感が生まれます。
なぜなら、いざというときに助けになってくれるかもしれないという想いがあるからこそ、心理的にホッとするところが出てくるのです。
隣近所など顔見知りが同じく避難しているのであれば、固まるようにしていると会話などで気も紛れていいでしょう。
・情報が得られやすい
避難所は何か災害があったときに一番初めに頼り、集まる場所です。自治体としてもそのつもりで指定しているはずです。
なので、優先的に避難所から各情報が伝えられるようになっています。
災害時はいま、自分達がどういった状況におかれているのかを知る為の情報が必須です。それに知ることで不安の払拭へと繋がるでしょう。
テレビの設置や、電源による携帯電話の充電、避難者同士の情報交換など、避難所にいれば多くの情報を得やすくなります。
・二次災害リスクを回避しやすくなる
自治体が避難所として指定している以上、ある程度は堅牢な造りをした安全な場所であることは間違いないでしょう。
下手に家に留まっているよりも、自分の身を守るという意味では安心なのが避難所に退避することです。
特に自宅にいると停電などにより、ライフラインが無くなってしまうおそれも考えられます。避難所であれば、非常用電源などに切り替わるようになっている場所もあるので、電気がつく可能性はあります。
夜に自宅でまったく電気の無い状態で過ごすのは不安でしかないでしょうから、電気が使えるだけでも安心感は段違いでしょう。
避難所生活のデメリット
避難所で暮らすということは、それだけ人が集まっている場所で過ごすということでまあ、当たり前にトラブルの火種はあちこちにでてくるでしょう。
特に自分勝手な人間が一人でもいると、それだけで不快な思いを受けることもあるかもしれません。
そんな避難所でのデメリットをあげていってみましょう。
・プライバシーが守られない
おそらく、避難所生活の最大のストレス源はこれなのではないかと思います。
広々とした体育館に点在するように居場所を作れるのならいいでしょうが、人が集まれば集まるほどに狭くなっていき、スペースを分けるのはダンボールによる仕切り程度の場合もあります。
これでは着替えもろくにできないですし、他人に聴かれると困るような会話なんてそもそもできません。
四六時中、お互いに見えっぱなし、近づきっぱなしの状況でストレスが溜まらない方がおかしいですよね。
せめて、避難者同士で協力して更衣室などを作るといった工夫などが必要かもしれません。
こういった状況ですと、実はキャンプなどの体験や道具が重宝したりします。特に自立式のテントなどは他者から見えなくする壁として機能するので、家族だけのプライベート空間を維持できるでしょう。
最近、アウトドアレジャーとして人気のあるキャンプ。ソロで楽しむのもいいですし、家族や仲間と一緒に楽しむのもとてもいい経験になりますよね。野外でテントを張り、椅子や机を用意して、料理やバーベキューをして焚火をして囲んで食事など普段の生[…]
・1人に割り当てられるスペースが小さい
避難所でひしめき合っているときには、一人ずつ割り当てられるスペースが与えられますが、平均して約1畳程度のスペースしかないといわれています。
家族がいれば、その人数分のスペースが与えられますが4人家族でも4畳~4畳半程度しかありません。
結局のところ、狭いスペースであることは変わりなく、落ち着くことはできないどころかエコノミークラス症候群を発症してしまうおそれがあります。
ですので、じっと自分のスペースにずっと座っているのではなく、せめてストレッチなどをする必要があります。
仮に騒いだところでお互い様ですので、いずれにしても我慢を強いられるのは間違いないでしょう。
・物資の取り合い
大きな災害で避難した場合、支給される物資が少ない場合があります。
その場合「自分が先」と自分勝手な人が優先して配給を得ようとするなどで、どうしてもトラブルになりがちです。
特にストレスが溜まりやすい環境であるので、非常に誰もが沸点が低く、ちょっとしたことでケンカが勃発してしまいます。
食糧などは平時に最低限備えておいた方がいいかもしれませんね。
ただし、せっかく用意した人が食べられず、自分勝手な人たちに奪われるおそれがあるので工夫は必要かと思います。
・衛生環境の悪化
最初からあるトイレ、そして途中から備え付けられる仮設トイレなど最初はいいかもしれませんが、人が多い避難所では数が足りずにすぐに掃除やゴミの回収がされないまま衛生環境が悪化しがちです。
衛生環境が悪化すると怖いのが感染症などの病気でしょう。
可能であればウェットティッシュなどを避難道具として用意しておき、トイレの後などに消毒したり、土足厳禁の場所を作るなど衛生環境がさらに悪化しないようにする必要があります。
・感染症が広まりやすい
人が密閉空間に大勢いる状況になると、それだけ感染症リスクはあがります。
水が使えれば、手洗いうがいを徹底し、マスクの着用。衛生環境の悪化を防ぐなど多くの対策が必要となります。
災害の規模によって長引くこともあるでしょうから先のエコノミー症候群同様に、何らかの疾患にならないように最大限の予防をするべきです。
おそらく、そのレベルの災害ですと病院も急患だらけでまともな診察もしてくれないおそれがあります。
・睡眠不足になりがち
避難所では常に人の気配があります。人が集まっているのだから当然ですよね。
となると、ちょっと神経質な人は夜中に誰かの立てる音や気配ですぐに起きてしまい、寝不足になってしまう可能性が高くなります。
いびき、足音、ゲームの音や光、携帯電話の音や光など睡眠妨害の要因となるものが非常に多いので、どこでも寝れるという人以外はゆっくりと寝入るというのは難しいですよね。
ましてや、知らない他人が多い環境です。眠った後に何されるかわからないという警戒心もあるので、満足に熟睡できることはなかなかできないかもしれません。
互いに配慮したり、信頼できる者同士で可能な限り固まって交代で寝るなど、自衛することで少しは安心して寝ることができるかもしれませんね。
まとめ
さて、避難所生活のメリットとデメリットということでまとめてみました。
大規模災害の東日本大震災のときの記録は新しく、避難所生活が報道されたり体験談が残っていたりすることもまだ多いかと思います。
実際、想像するよりも避難所生活は過酷な状態だった様子ですので、普段から防災に関してはシュミレートしたり、準備をしたりしておくといいのではないかと思います。
本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。