ふと、海外との貿易ってなんで必要なんだろう?日本国内で回すようにすることはできないの?
と疑問に思ったことはないでしょうか?大人になると、貿易そのものはわかるようになりますが、そもそも貿易とは?わざわざ海外と貿易する意味や役割はあるのだろうか?
ということも感じるかもしれませんね。
今回は、基本に戻り学生の勉強レベルで貿易の意味と役割について解説していこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
貿易とは?貿易の意味と役割と必要性
さて、世の中はグローバル化といわれて久しい時代となりました。
それもこれも輸入と輸出が増え、さらに日本人が海外に行って買い付けたり、お店を進出したり、逆に外国人が日本にきて買い付けたり、商売を始めたりと日本も外人に苦手意識がなくなり国際化社会が進んでいます。
貿易とはこのように国と国との間で行われる商品の取引のことになります。
日本人が海外に行って買い付けて日本に送ってもらうようにすれば輸入。お店を出して海外で人を雇い、日本製の物を送れば輸出。
外国人が日本にきて買い付けて海外に送るのならば輸出。外国人が日本にきて店を出して外国から取り寄せるのなら輸入です。
このように、個人単位から企業単位、国単位で諸外国と取引をして品物を送ったり、送られたりすることをが貿易となります。
構図としてはこんな感じですかね。
各国は、自国で採れた資源などの産物や加工した製品や食料を輸出し、自国では採れない資源や産物、国民の生活に必要な原料や食料、製品などを輸入することで不自由のない生活をしているのです。
仮にこの貿易がなかったら、あるいは突然ストップしたらどうでしょうか?
日本は古い昔の時代より、いまほど大規模ではないにしても海外と貿易を繰り返してきました。そこには製品や穀物の種などだけではなく、技術なども渡ってきていました。
そして、江戸時代には鎖国をしましたが『まだこの頃は』日本の中だけで何とか生活を回せていました。
というのも、現代日本より日本人の総人口も少なければ、農業があちらこちらの地域でやっていた為、時には飢饉などはあれど食料は何とか回せていましたし、そもそも電力のない時代に『資源』などなくてもよかったのです。
さて、現代日本はどうでしょうか?
農業は後継ぎもおらずにやめてしまう人が多く、伝統工芸の職人も少なくなり、そもそも大した資源が採れない日本では燃料すらありません。
なので国内だけでは日本人全てを生存させることも、まともな暮らしをさせることもできず、貿易そのものがなければおそらく早々に破滅の道を進みだすことでしょう。
このように、貿易をする意味は国際規模でいえば世界各国の資源の不均等を調整しつつ、各国の特色(たとえば広大な土地があれば広い農園ができる等)を活かして国際的な分業を促進することで、先進技術の供与などを互いに行い、世界全体の経済を発展することができるということ。
それにより、国と国の結びつきが強まるといったものが貿易の意味と役割です。
……といっても、日本は資本主義国家なので基本は『商売』です。
このような国際規模の大層なことを一企業が考えるわけではなく、利益を追求して輸入と輸出をするのが一般的です。
ゆえに、貿易をおこなっている会社は収入も高く、英語がある程度できる人はぜひ外資系企業などを狙ってみるといいかもしれません。
もちろん、いまの時代は英会話教室も子供から社会人まで対応可能な教室があり、学ぶ機会もいっぱいあります。
英語は自信ないけど、高収入の外資系企業を狙ってみたい、転職したいと思うようなことがあれば英会話の勉強をしておいた方がいいでしょう。
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最近では、個人でも海外のバイヤーから直接買って輸入して、ネットショップなどで販売をしている人も多くいらっしゃいます。
確かに、個人で日本では見かけない珍しい海外製品を販売すればいい商売になりそうですよね。
すでに会社が従業員個人を守ってくれる時代は終わり、新卒で入社して定年まで勤めきる人が少ない時代となってしまいました。元々はバブルがはじけて以降、企業が自分さえよければいいという経費削減を前面に押し出して社内留保を増やす経営者が増え、[…]
とこのように、日本だけではなく世界各国が独自に採掘したものや、加工して製品にしたものなどを自由に国際的に交換できるようになれば、自然と世界全体の富を増やすことができるというのが、自由貿易論といわれるものです。
とはいえ、いくら自由とうたっていようとも各国共に思惑が違っており、実情は世界が皆仲良く交換し合いましょうなんて夢物語です。
なにかやらかした国が、経済制裁として輸入をすることができなくなったり、関税と呼ばれる要は貿易による税金を一部の国からの輸入品だけ何倍にもしたりと、全て平和的にというわけにはいかないのが貿易という海外取引の難しいところでしょうね。
貿易はどんなお金で取引されるの?
では貿易の話のついでに、どのようなお金で取引がされるのか疑問に思う人がいるかもしれませんのでお話をしていきましょう。
一般的に、貿易による取引は国際通貨を使用しておこなわれます。
現在主要な取引としては、アメリカのドルやEUのユーロが主な国際通貨として海外貿易をする際に取引に使用されています。
だって、我々日本人が見慣れている日本円が使えるのは日本国内だけで、海外では紙切れとまではいかないものの、その国で使える通貨でなければ取引ができません。
ですので、一度相手と同じ通貨に合わせることで、国際的な売買を成立させるのです。
つまり、互いにまずはドルやユーロに自国のお金を交換し、購入後あるいは売却後に改めて自国のお金に戻すというのが貿易による売買の基本なのですね。
しかしこのドルやユーロ、交換比率が毎日変動します。この交換比率のことを為替相場(為替レート)といいます。
ちなみにこの為替相場、1949年より1ドル360円と定めた固定相場制でしたが、1973年から需要と供給の関係で変動する変動相場制へと移行したという経緯があります。
いま現在が1ドル100円強と考えると、当時と比べて物凄い相場の違いがあるとも思えますが、戦争に負けた日本の『円』の信用が低かったのだから当然と言えば当然かもしれませんね。
ちなみにこの為替相場の違いによる円安と円高がよくわかっていないという人の為に簡単に説明しますと、2021年の時点で1ドルは約110円。
つまり日本が110円払えばアメリカから肉まん(1ドル)一つ買える金額ですね。
しかし、1ドル360円に上がってしまうと、このアメリカの肉まん1つが360円出さなければ買えなくなってしまうということ。これは迂闊に買う(輸入)ことはできないですよね。この状態が円安と言われています。
逆に日本が美味しい肉まんを作って1ドルで売れば(輸出)なんと肉まん1つが360円で売れてしまうのです。つまり円安時は輸出に有利ということですね。
逆に円高は、アメリカが日本に肉まん(1ドル)を売ろうとしても、1個80円や70円程度にしかならないからアメリカが日本に売っても損。
逆に日本が通常の相場以下の肉まんを安く買えることになります。ですので、円高時は輸入に有利ということですね。
どちらも一長一短ですので、どちらがいいということは本来はないのですが日本は輸出で儲かっている部分が大きいので、円安の方が喜ぶ人が多いといえるでしょう。
そして、まさにFXなどがこの為替相場の変動を利用した資産運用の方法ですので、貿易による通貨のことを詳しく知りたいなら勉強してみるといいかもしれませんね。
まとめ
さて、貿易についてまとめてみました。
お互いに持っていない物を交換し、分け与えることで互いに大きくなっていこうというのが貿易の目的ではありますが、これを利用した国同士の政治的な駆け引きなどが最近では多々見受けられますね。
本来の意味のそれがなされる、なされないは別として日本人が豊かな生活をしていられるのも海外からの輸入に頼っているところもありますので、知っておいた方がいい知識ではないかと思います。
本記事が誰かの参考になれば幸いです。