料理やお吸い物で定番の山芋、すりおろして”とろろ”にしたりすると美味しかったりして、多くの調理法や食べ方があるかと思います。
しかし、口の中に入れる分には何ともないのに、ひとたび手についたり口の周りについたりすると痒くなってしまうというのはよく聞くところです。
はたしてなぜ、口の中は平気なのに皮膚だと痒くなってしまうのか。
今回はその理由について話をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
どうして山芋で口の中はかゆくならないの?
どこか素朴な味を感じさせ、多くの調理法で料理される山芋。
すりおろして食べる”とろろ”など、ちょっとしたときに醤油をかけてご飯と一緒に食べるのが好きという人もいるのではないでしょうか?
しかし、この山芋ですがよく言われるのは、
「肌につくと痒くなる」
ということです。
しかし、ただ食べるだけではまったく口の中がかゆい!とはなりません。
一体、人の皮膚と口の中でどう違うというのでしょうか?
結論からいえば、
「唾液が山芋のかゆみ成分を洗い流しているから」
という、まったく何でもないことが答えとなります。
そもそも、山芋のかゆみを引き起こす成分というのは何か?
それは、シュウ酸カルシウムという、かゆみを引き起こす成分が原因なのです。
山芋や、おろしたとろろなどがうっかり人の皮膚に付着して、この成分が固まると針状になります。
それが皮膚に刺激をあたえて、かゆくなるというのが、山芋がかゆみを起こすという全貌となります。
まさに、山芋はアクの強い食べ物であるといえるでしょう。
ちなみにこのシュウ酸カルシウムですが、劇薬に指定されている成分となります。
うっかり付着してかゆくなったらどうすればいいの?
さて、そうはいってもうっかりと料理中に手に付着してしまうことはあるでしょう。
気が付かず、後からかゆいと感じ始めてしまうことも当然ながらあります。
しかし、幸いなことに後からでも対処可能なのがこのシュウ酸カルシウムという成分。
その特徴としまして、
- 酸に弱い
- 熱に弱い
というものがあります。
よく知られていて、手頃なのはお酢を患部に塗り込んで水に流すということです。
なぜこれで対処できるのかというと、シュウ酸カルシウムが酸性であるお酢によって中和されて溶かされるからです。
ただし、ニオイがつくのは仕方ないと諦めるしかありません。
そしてもう一つが、お湯に患部をつけることです。
熱に弱いということもあり、お湯に浸けることで徐々にかゆみが緩和されていくかと思います。
まとめ
さて、どうして山芋で口の中はかゆくならないの?ということでまとめてみました。
結果としては、あまり予想外の要素はなく口の中の唾液という粘液が守ってくれているというわけですね。
そもそも、そうできなかったのならば山芋はおそらく加熱が必須あるいは食べられない植物として毒キノコと同じような扱いをされていたかもしれませんね。
本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。