初めての登山に、行くべき山を決め、準備をバッチリとしたらあとはさあ、何をすればいいかと思うことでしょう。
もう完璧だ!やることがないというのであれば、翌日の為にも早く寝ておくといいでしょうが、何か足りていないと漠然と感じているのであれば、この辺りのチェックが必要でないかなということをあげていくので確認をするといいでしょう。
今回は、登山初心者が前日・当日にやるべきであろうことをまとめましたので、参考にいただければと思います。
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前日あるいは前日までに確認をしておくこと
さて、それではまずは登山初心者が前日あるいは前日までにしておくことに関してあげていきたいと思います。
とはいえ、さすがに『持っていくべき所持品のチェック・詰め込み』なんてのは当たり前すぎていまさら過ぎるでしょう。
心配となる要素があれば、もうこちらに関しては再チェックを入れていただくくらいしかありません。
ここでは、その他の前日までにするチェックすべきことをあげていきたいと思います。
・登山口まで何でいくのかチェック!
登山口まではマイカーを使っていくか、公共交通機関を使っていくかの二択になるかと思います。
しかし、登山初心者はできるだけマイカーという選択肢は避けた方がいいでしょう。なぜなら、登山で疲れるからです。
慣れない場所で、慣れない道を長時間歩くことになるのが登山です。歩いている間は疲れを感じなくても、終わったという達成感を感じるとドッと疲れてしまいます。特に足がくたくたの疲労状態で車の運転なんて事故のもとになります。
マイカーは行動するのに時間の都合がつきやすいのがメリットですが、どうしてもという理由がなければ最初は公共交通機関を利用するのが無難です。
一方、公共交通機関は電車・バス・ロープウェイなどを使うにしても時間の縛りができてしまうのがデメリットですが、車中で体を休めておけますし、なんといっても旅らしさを感じることができるでしょう。
知らない駅や光景を見るのもテンションが上がるかと思います。
ついでに駐車場まで戻ってくることをせずに、そのままどこかに自由に立ち寄っていけるのもメリットといえばメリットですね。
発射時刻や登山口までの電車やバスのルートを前日までにチェックしておいて、計画通りにいくか試すのも子供の頃の遠足のような気分でワクワクしませんか?
ちなみに、タクシーを使って登山口まで連れて行ってもらうのもアリですが、場所によってはタクシーがつかまえにくいところもあります。いざという時の為に予約を先にしておいたり、地元タクシー会社の番号を調べておくのもいいでしょう。
・インターネットやガイドブックでコース内容をイメージ!
登山の場合、相手が山なので調べすぎて損になることはありません。前日までに登山する山のチェックを欠かさないようにしましょう。
「事前に調べると楽しみが減ってしまう」
なんてくだらないことを言っていると、思わぬ事故や通行止めなどの憂き目にあってしまいます。
インターネットでは各地域の観光協会が見どころやコース内容を教えてくれます。勿論、当日携帯電話で見れる情報もありますが、
このような登山ガイドを買っておくといいかと思います。バックの中に一冊入れてサッと取り出せるようにしておくだけでも、かなり安心感が違ってきます。
なお、コース情報をインターネットやガイドブックで集める際は下記ポイントをみておくといいでしょう。
①コース上の情報やコースタイム
登山口から下山口までのコースを決めておきます。モデルコースがあるので、そこから選択していくことになるかと思いますが、初心者がいきなり長時間の行程を組むのは難しいでしょう。
まずは2~3時間程度で、自身の体力・技術・所要時間を考慮して自分のレベルに合うコースを決めるといいかと思います。
登山中に休憩できる場所も考えて、ガイドに記載のあるコースの目安時間を1~2割くらい余裕をもつようなくらいでちょうどいいです。
計画の立て方については後ほどご紹介します。
②難易度や危険な場所の確認
先に体力・技術・所要時間を考慮してコースを決めるのがいいとお伝えしましたが、
- 歩く距離や標高差(体力)
- 危険な場所の有無や登山道の分かりやすさ(技術)
でかなり変わってきます。特に技術の方は歩き方や歩く場所の着眼点など慣れが必要になってくるでしょうから、最初は素直に難しいかなと思ったコースは回避するべきでしょう。
難易度の高い道を通っている最中に突然の雨など降ろうものなら思いもよらない事故に繋がる危険性も大きくなってしまいます。
ガイドブックなどでこの辺りの情報は網羅されていると思いますので、しっかりとコースイメージを掴んでおきましょう。
③季節の情報や登山適期を調べる
インターネットやガイドブックの情報には、登山適期というものが記載されています。
登山適期とは、その山に快適に登れる季節ということで初心者はこれにある程度合わせるといいでしょう。
もちろん、その季節でなくても山は四季折々の顔を見せてくれるものですので、季節の情報を調べておくとその季節にしか見られない花々や紅葉などを意識して見ることができます。
逆に調べて行かないと、せっかく普段の生活では見ることができないものを見逃してしまうかもしれません。
色んな自然の光景を楽しむのも登山のいいところですので、事前にチェックしておくとより楽しめるかと思います。
・天気予報をチェックしよう
前日に、翌日の天気情報をチェックするのは必須です。
低気圧が近づいている……なんて言われたら、いくら予定を立てていたとしても中止を検討しなければなりません。
雨が降るだけでぬかるんで滑りやすくなったり、視界が悪かったりと難易度はかなり上がってしまいます。
山の天気は変わりやすいとはいえ、明らかに翌日大雨が降るというのにわざわざ危険なことを最初からするのは避けるべきでしょう。
いくら初心者向けのコースとはいえ、街中ではないのですから強行軍が危険なことは理解しておいた方が自分の為です。
・ルートとコースタイムを計画して登山計画書を書こう
ある程度、ぼんやりと行く山。コースを決めたら具体的にルートの確認とコースタイムの計画を立てましょう。
事前に地図を見ながらシュミレートしておくことで、結果的に危険を回避することになったりするものです。
①ルートの状況を確認
コースの少ない山、いくつものコースが合わさっている山などがあり、自分が実際に行くべきルートを事前に確認します。
たとえば分かれ道で迷った時に、事前に目印をチェックして頭の中に入れておくといいでしょう。
誰かについて行けば何とかなるだろうと思っていると危険です。その人が上級者だった場合、本来とは違った道に進んでしまったうえに、あっさりと引き離されて自分の位置がわからなくなってしまったり、最悪遭難してしまうようなこともあります。
トイレ・売店などの休憩場所・雨宿りできる場所など把握しておいて、自分がたどってきた道の目印として利用するといいでしょう。
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②下山時間から逆算してコースタイムを考えよう
初心者の登山時間目安としては11時頃に山頂。15時には下山していることです。
『出発』の時間を決めるより『帰り』の時間を決めることが上手なコースタイムの設定に繋がります。
登山地図にはそれぞれのルートの目安となる時間が記載されています。初心者の場合、そこにさらに余裕を持つくらいの時間をあてこんで、下山している時間帯から逆に計算していくとおのずと出発時間も見えてきます。
出発時間は少し早めに!休憩時間も考慮して!を心がけた組み立て方をするといいかと思います。
③エスケープルートを把握しておきましょう
急な天候の変化や、体調不良などがあったときを考えて通常のコース時間より早く下山できるルートがあれば、把握しておくといざという時に安心です。
まさか山を突っ切ってショートカット!なんていう力技をする人はいないと思いますが、危険すぎるのでそれは考えても実行してはいけません。
ただし、ショートカットルートがマイナーだったりして整備されていなかったり、草木が生い茂っていてかえって危険があることもありますので、臨機応変に元来た道を戻る方法も選択肢に入れなければいけません。
事前にこの辺りの情報を把握しておけば、状況の判断材料とすることができます。
④登山計画書を書こう
さて、ここまでの登山計画を立てたら登山計画書を記載しましょう。
下記を見てください。
これは、福岡県警が発行している『登山計画書』です。
「えっ?警察?登山計画なんて自分で作るものじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、これは違います。この登山計画書は、
遭難した時や怪我、最悪死亡してしまった時などの非常事態に役に立ったり自分を助けたりするものです。
ゆえに、登山口や麓の駅などで提出箱が設置されているので、登山前に入れてから山に入ります。
鋸山には登山計画書を提出する箱が設置されています。
不安だと思ったら書いて提出することをオススメします。
それと今でも沢コースはプロの業者でないと登山道の復旧ができないくらい倒木などで立入禁止です。
車力道は⭕️
鋸山にはコース外もあります。無闇矢鱈に入らないほうがいいです。#鋸山 pic.twitter.com/Ni36ptCO4h— 朝ラー (@asara2525) February 22, 2020
提出箱を探すのが面倒というのでしたら郵送でもいいですし、いまはインターネットでも提出できるので、極力出しておきましょう。
場合によっては、家族や友人に渡しておくと非常事態に気付きやすくなり、足取りを追いやすくなります。
なお、上記画像のひな形は福岡県警のものですが、特別フォームに決まりはありません。要は何かあった時に手がかりになるものであればいいので、自分で線を引っ張って作成した計画書でもいいわけです。
歩くコースや準備事項を頭の中で整理・確定させることにも繋がりますので、毎度提出する・しないに関わらず書いておいた方がいいでしょう。もちろん、できるだけ提出しておいてください。
当日の朝に確認すべきこと
当日の朝は持ち物の確認。忘れ物がないことのチェックや自身の体調チェックなど、最低限のことは誰でもすることかと思います。
時間に余裕をもって、起きたら合わせて以下の確認もしておくといいでしょう。
・登山地図の再チェック
人間の記憶は曖昧なものです。前日に確認をしていたとしても、再度登山前にチェックをしておいた方がいいかと思います。
ふとしたことを忘れただけでコースを外れてしまうことも無きにしも非ずです。
頭に入れておく情報は新鮮な方がいいので、登山地図など時間があれば再チェックをしておきましょう。
特に休憩場所などは改めて確認をしておくといざという時に困りません。
登山は、ただ山道を歩くだけという考えではいけません。休憩をおろそかにしていると疲れすぎて歩けず、集中力も低下して事故のもとになってしまいます。疲れを感じたら休めばいいや、と思っていると休憩場所がなく結局、疲労困憊になってしまうことも[…]
・天気の確認(重要)
当日の朝にチェックするものとしてもっとも大事なのが山の天気の確認です。
広域の天気予報と気温、山の現在の天気と天気予報、そして気温などをチェックし、懸念すべきところがあれば断念するのも一つの手段です。
山の天気情報はインターネットを見れば簡単に出てきますので、参考にするといいでしょう。山の気温は100mあたり、0.6℃低いとされています。1000mの山でも6℃も平地より気温が低いです。
そこに、強い風や雨に吹かれたら体温が奪われて、体力の消耗が激しくなっていきます。朝の時点で天気が悪かったら一度考えて行くかやめるかを選択しましょう。
かといって、朝は穏やかでも街中よりも標高の高い山では突然の雨やゲリラ豪雨が頻繁に起きるものです。
登山中も霧が出てきたり、風の匂いに変化があったり、雷が鳴り始めるなどしたら早急に雨具を取り出していつでも着用できるように準備をした方がいいかと思います。
もちろん、雷が鳴ったら高い木の下などに行かず、体を低くしたりして早々に山小屋に避難するなど対処が必要となります。
山の天気がどうなるかは気象予報士でも難しいので、危険を感じたら早々の避難行動が必要です。
まとめ
さて、初心者が前日、当日にチェックすることをまとめさせていただきました。
登山初心者がやるべきこと、チェックすべきことは多々あります。中級者・上級者が当たり前にやっていることでも、初心者はまだ慣れておらずできないことの方が多いです。
なので、一つ一つできること。知る知識を増やしていくように意識的にやって、経験して覚えていくしかありません。