しばしば、インターネットの中では『炎上』という言葉が使われて、不適切な表現や発言、行動をした人がこぞって大勢に叩かれるという現象が見受けられます。
インターネットがなかった時代には、そもそもこのようなことはありませんでしたが、はたしてどうしてこのような攻撃的な行動をとるようになってしまったのでしょうか?
それは、インターネット時代の匿名性が関わってくるのですが、今回はこちらの炎上する理由というものについて話をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
ネットは炎上しやすく攻撃的になりやすい?
おそらく、時代的にはインターネット、あるいはSNSなどに書き込むことをする、しないに関わらず触れるような人は多いのではないでしょうか。
かつてはパソコンすら高価でインターネットなどは一部の人しかいじっていませんでしたが、パソコンでインターネットができるようになり、さらにスマートフォンでできるようになりと誰でも手軽に使える身近なところにあるようになりました。
けど、しばしば聞くのは『炎上』という一人の誰か、あるいはグループをインターネットを扱っている人が集団で叩く行為ですよね。
確かに本人は悪ふざけでやった、という行為や軽犯罪にあたることもあるでしょう。それは確かに悪いことですし、法に違反していることを嬉々としておこない、誰かの迷惑になるのであれば罰されなければならないこともあります。
が、近年では悪いことをした人を社会的に潰すというレベルに到っており、まるでリンチのようになっているものも見かけます。
なるほど、確かに悪いことしたのかもしれません。そして人権が、のようなことを言うつもりはありませんが、過剰すぎといえることを感じている人も少なくはないのではないでしょうか。
はたして、どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか?
結論からいえば、
「インターネットの匿名性によるもの」
というのが、炎上がしやすく攻撃的になってしまいやすい理由となります。
まあ、そうはいっても大抵の人はここまでは予想していたのかと思います。
ですので、ここからは心理的な部分も含めて、さらに詳しくしていくとしましょう。
自分の正体がバレず、自己主張ができるのがインターネット
まずは現実世界の話をしましょう。
現実の世界では、そもそも自分が何者かを相手に知らせなければ誰とも関係を築くことはできません。
性別・趣味・好きな食物・仕事・容姿などなど、互いを互いが知らなければ心理的な距離は縮まらず、友人どころか知人になることすら難しく、極端にいえば生活すら困難ではないでしょうか?
では、その一方でインターネットの世界はどうでしょうか?
インターネットというある意味で仮想空間の世界では、自分は何者かということを告げず、相手もまた誰なのかも知らないままハンドルネームでコミュニケーションを取るのが一般的です。
当然、現実世界の知り合いだけではなく同じ日本人、あるいは海外を含めた世界中の人と音声あるいは文字を使って会話をすることができるわけです。
そこでは自分の主張を伝えること、意見を交換すること、他人から何かを教わるということもあるでしょう。
あるアメリカの心理実験では、人というものは相手に自身が知られていないと精神的な抑制力が弱まって攻撃的になってしまう性質があるというものをつきとめたのです。
ついでにいえば、気に入らない相手にはさらに攻撃力を増して牙をむくということもわかっています。
この構図、ネット上の炎上を見ているとピッタリとあてはまりませんか?
もちろん、最初に何かを起こした人が悪いですし、最近では悪質な転売ヤーのSNSなどが炎上して荒らされていますが、大抵責め立てるのはまったく関係のない他人です。被害を受けたわけでもないですし、ただ相手の行動が気に入らないというだけで攻撃を加えるわけです。
ちなみに、電話でも同じことがいえます。
電話口ではクレームをガンガン入れて怒鳴ってくるのに、直接家にいってみると、まったく怒っていたような素振りをみせないどころかヘコヘコしていたりします。
仕事をしている人は一度は経験があるのではないでしょうか?
やはりこれも、相手の顔が見えないから攻撃的になっているという人間の本質的ないい例なのかもしれません。
しかし、インターネットの世界では電話と違って完全に匿名です。つまり、法に触れる発言などをしない限りは無責任なことを言っても現実には影響がありません。
結果、自分の正体が見えないときほど人は自己主張するようにより攻撃的になってしまうのは明らかです。
インターネット上では違う自分を演出している!
さて、人がインターネット上で攻撃的になってしまう理由をさらに深堀していきましょう。
インターネット上では現実の自分を誰もしらない匿名性が強いシステムとなっています。
このような、自分がどこの誰かもわからない状態を没個性化といいます。誰も自分を知らないということは、インターネットという仮想空間の中でどのような人物も演出できるわけです。
昔から言われているようにネカマというネット上で男性が女性のフリをすることや、偉そうに大胆な発言をすることなども簡単にできてしまいます。
これを没個性化現象といい、自分がどこの誰かもわからないからこそできることなのです。
ですので、インターネット上では偉そうだったり、激しい性格をしている人でも現実ではただの引きこもりニートだったり、真面目な会社員だったりすることはよくあることです。
まさに、インターネットという別の世界で違う自分を創っているといって過言ではないでしょう。
なお、実は匿名性を使って過激な発言をする人ほど現実世界では友人がいない、いじめられているなど満足のいくような毎日を送っていない人が多い傾向にあります。
現実では誰かに認められなくても、インターネット上では誰かに認められ、反応してもらい、注目を集めることから自分を演出して目立ちたいという心理になってしまうのでしょう。
一昔前に問題になっていたネトゲ廃人という人達は、まさにそのような人達ではないでしょうか。
まとめ
さて、ネットの書き込みでなぜ炎上する?についてまとめさせていただきました。
結局のところ、匿名性が原因で攻撃的な人が増えて炎上してしまうという構図なわけですね。
確かにお店の冷蔵庫の中に入ったなど、悪いことをした人が元は悪いのですが、叩き過ぎるのも問題になっています。
このままいくと、インターネットはアカウント登録制で本人情報が全て開示されるようになってしまう時代がくるのかもしれませんね。
本記事が参考になれば幸いです。