近年は登山ブームもあいまって、登山を始めよう!という初心者が結構増えています。
しかし、ただ勢いだけで登山を始めてルールを知らないまま山に登ってしまうという人が多くなってしまっているのも事実です。
もちろん、厳格な法律のようなルールは存在していませんが、結果的にマナーを守ることが自分の身を守ることに繋がることにもなります。
一般常識の範囲もありますが、たとえ初心者でも登山者ならではのマナーをしっかり学んでから山に挑みましょう。
本記事が参考になれば幸いです。
最近ではゆるキャン△やヤマノススメなどのアニメの影響や、健康志向。誰かに影響されるなどさまざまな理由から登山を始めたい、始めよう!と考えている人が増えてきました。確かに、非常にいい運動にもなりますし、のんびりとした森林浴はとても気持[…]
他の登山者とすれ違った時は挨拶を忘れず!その隠れた意味とは?
山というのは当たり前ですが、上りもあれば下りもあります。一方通行ではないということは、人とすれ違うこともあるということですね。
どうせ他人だし、と思って無言ですれ違うのは街中では普通の行動かもしれませんが、実は登山のルールとしてはNGとまではいいませんが、できるだけ挨拶をしましょう。
少なくても、登山上級者は必ずと言っていいほどやっている常識で、慣れている人は先に挨拶を交わしてきます。
あまり他人と会話をする、話しかけるのが苦手な場合は、
「こんにちは」
の一言で構いません。それだけでお互いに登山者仲間としての意識ができて気分がいいものです。
特に下ってくる人に声をかけて「この先、どうでした?」と尋ねると先々の情報を教えてくれるかもしれません。
実はこの行為、ただの挨拶に思えますが登山者がこれを率先してやることには隠れた意味がちゃんとあり、万が一の際に自分の身を守る為にも重要なことなんです。
街中にはあちらこちらに防犯カメラが設置されており、警察などは事件があると意外と個人の細かい行動というものが何らかの足跡を追えるようになっています。
一方、山の中はどうでしょうか?自然の中にそんな電機装置をあちこちに設置していたら自然に対しての環境破壊の一因となってしまいます。
となると、情報源は人の記憶しかありません。
もうお分かりだと思いますがこの挨拶の目的は、挨拶を交わした者同士、万が一遭難や事故に合った時の情報源となる為に覚えていてもらうことなのです。
人間の記憶なんて、意識しなければすぐに忘れてしまうもので、ただすれ違っただけの相手のことを鮮明に記憶している人はほとんどいません。昨日外出した際に、街中ですれ違った人や電車の中で横になった人のことをどれだけ覚えているでしょうか?
余程特殊な格好や迷惑行為でもしていない限り、ろくに覚えてはいないでしょう。
一方、一度でも声を交わした相手なら声・体格・服装くらいはぼんやりと思い出せるものです。
もちろん、挨拶をするという気持ちの良さは変わりませんが、いざという時にこの一人の記憶が自分を助けることに繋がるかもしれません。
だから登山上級者は、必ずと言っていいほど挨拶を忘れません。それが暗黙のルールであることを理解しているからです。
登山中にすれ違ったら上りと下りどっちが優先?
さて、すれ違ったら挨拶を交わす意味はわかったと思いますが、次は行き交わったときに上りと下り、どちらが優先されるのかを知っておきましょう。
とはいえ、こちらも車の交通ルールのように厳格なものは存在しません。
広い登山道であればいいですが、さして歩く幅がない場合、一般道ですれ違った時と同じで臨機応変に安全な方が道を譲るというのが通常です。
要は空気を読み合うということではあるのですが、基本は上りの人優先。と考えた方がいいでしょう。
道を譲る方は焦らず、上りの人が通り過ぎるのを待ちます。その際、背中にバックパックを背負っていることを忘れてはいけません。
上っている方は意外と視野が狭くなっているので、バックパックから飛び出ている突起などに気付かないことがあります。
ですので、山を背にして見送るように譲ってあげましょう。
といっても、先に臨機応変とお伝えしたように上りの人優先とはいえ、細い道ですれ違ったら、たとえ他人であろうとも気遣って譲り合うということが大事です。
山で出したゴミは自分で持ち帰ろう!
悲しいことに、一般常識すら知らないのか!と思えるような人がいて、誰もいないからと山の中でポイ捨てするような人が後を絶ちません。
山は人間の居住環境ではなく、他の生き物たちが穏やかに過ごしている生息環境にあります。登山者はそこにお邪魔していると考えた方が気持ちはやさしくなるかと思います。
そもそもゴミは出さない!出したゴミは持ち帰る!
これは大前提であり、大原則です。人間として恥ずかしくないルールといっていいでしょう。
その為にも、以下を心がけると山と自然にやさしい正しい登山者であることへと繋がっていきます。
①ゴミとなるものは家で捨ててくる
お菓子や薬の外箱など、必ずゴミとなりかさばるだけでいずれにしても捨ててしまうものは、事前に荷物を詰め込む段階で捨ててしまいましょう。
持っていく場合は小袋単位で、ファスナー付のビニール袋に入れるなり工夫することで荷物そのものの空きスペースも確保できます。
結構こういったひと手間だけでゴミが少なくなるものです。
もしアウトドア料理を作りたい!というのであれば、より意識しなければなりませんので気を付けましょう。
登山も何回かやって慣れてくる、あるいはせっかくだから最初から色々としたいという人はおそらくアウトドアでご飯を作ってみたい!と思うことがあるのではないでしょうか。小学校の遠足を思い出し、お弁当を作って広場で食べるのはいいけど現地で作っ[…]
②他人が出したゴミでも拾って帰ろう
これは別に決まったルールではありませんが、人間が出したちょっとしたゴミが自然環境や景観を台無しにしてしまいます。
わざと捨てたのかもしれないですし、かがんだ拍子に気付かずに落としてしまったゴミなのかもしれません。
そのゴミを捨てたり落としたりする無頓着な人間を考えると嫌かもしれませんが、自然環境を守る為と考えるとそう悪い気はしないのではないでしょうか。
遠くから見ると綺麗な山でも、いざ歩いてみるとゴミだらけということもあります。近年はちゃんとした意識を持った人達がゴミ拾いをしてくれていますが、やはり一人一人の「やさしさ」が大事なのかと思います。
最大限、自然保護に努めよう!
さて、ゴミを捨てないというのは当たり前のことですが、山中にある山花や野草なども気軽に摘まないようにしましょう。
そのわずかな無神経な行動が、自然破壊の一助となってしまいます。
他、野生の動物に餌やりも厳禁です。野生動物は野生環境の中で生きているものですので、人間は餌をくれると覚えてしまったら厄介です。場合によっては、その動物を殺すことになってしまうのはニュースなどでもよく言われていることでしょう。
いわゆる「間違ったやさしさ」というヤツですね。
花や草、動物も山という自然環境のひとつですので、そのままにしているのが一番なのです。どうしてもというのなら、携帯電話の写真などで我慢してください。
これができず、自分本位な行動で自然環境を汚すようなことをするのであれば最初から山に登らないでください!大勢のまともな登山者の迷惑です。
なお、道を譲ったりするときにうっかり脇に生えている草花を踏んでしまったり、ストックで草木を傷つけてしまうことがあります。
そういったこともありますので、意識や配慮はするように心がけましょう。
まとめ
さて、基本的な山のルールについてまとめさせていただきました。
頭の中に入れておくこと、守るべきことというのがあったかと思います。何回も経験のある登山者はちゃんと身に着けていることですので、最初は把握くらいはしておきましょう。
知っているのと知らないのとでは大違いです。厳しい人だと最低限のマナーがなければ怒られることもあります。
とはいえ、さほど難しくないことばかりだと思いますので、意識すればすぐにできることかと思います。