副業で海外から輸入して販売するという人が以前より増えてきました。
インターネットでのやりとりや、売買サイトのサービス拡充によるものかと思います。
さて、商売をやることを前提として必ず疑問に思うのが、海外商品でアンティーク品などを扱った場合に古物商の許可は必要なのか?違法にならないのか?
ということを考える人は多いでしょう。
今回は、そんな輸入販売をしている人に古物商許可の対象かどうかをお話していこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
海外の品物を入荷販売は古物商許可が必要?
さて、副業として個人バイヤーになって海外の商品を仕入れてAmazonやメルカリなどに販売するということをしている人が増えています。
副業としての稼ぎ方として『個人バイヤー』というものがあります。基本的には個人で仕入れを行って日本のサイトなどで卸したり、特定の販売先があるのならそこに販売をする形となるものです。今回は、そんな個人バイヤ―として海外から商品を[…]
しかし、商売目的で中古品を転売することは古物営業法に引っかかる為に古物商許可を取らなければなりません。
となると、海外製品で例えばアンティーク品やヴィンテージ品、あるいはレア物の中古品などを仕入れて国内で販売することは違法なのかと心配になる人が多くいらっしゃいます。
結論からいいますと、輸入品を販売する分には古物商の許可は必要ありません。
ただし、輸入業者から購入した品物に関しては古物商の許可は必要になります。
ここら辺をちょっと詳しく説明していきましょう。
・そもそも、古物商許可とは?
古物商とは、商売を目的として中古品を売買したり交換する業者や個人のことをいいます。
たとえば、中古本や中古ゲームをショップに持っていったり送ったりすると、自分を証明するものを提示して査定され、お金にしてくれますよね。
その後にショップは販売利益をのせてお店やウェブ上で売れるのを待ちます。
まあ、この辺りは想像しやすい一般的な不用品の販売と買取の構図で当然ながら誰でも古物商免許をもっていないとできない商売であることは想像がつくでしょう。
しかしこれは、個人にも適用されますのでたとえば中古本を近くの中古本屋で仕入れて『せどり』目的で販売するとなると同様の法律が科せられて古物商の許可を取らなければなりません。
副業のひとつに『せどり』というものがあります。基本的に自分が動き、見極めをつけて購入・販売する方法となる副業形態のひとつとなります。今回はそんな『せどり』の稼ぎ方について話をしていこうと思います。デメリットもあります[…]
仮に委託販売であろうとも、レンタルであろうとも古物で商売をする以上は警察署に古物商許可を取りにいかなければならないのです。
あくまで個人が不用品をショップに売って換金するというだけであれば、ここには引っかかりません。
が、明らかに転売を繰り返して利益を得る『商売』であると判断されると違反行為となり、
『懲役3年または100万円以下の罰金』
となります。
知らず、LIVE販売やメルカリなどで派手に稼いでいる人がいるようですが、通報されたら犯罪となってしまいますので、商売目的であれば面倒でも古物商許可を取っておいた方がいいかと思います。
とはいえ、あくまで自分で購入したものが不要になったからフリマやオークションで販売する分には必要ありません。
これを都合よく拡大解釈している営利目的で販売する人がいますが、何度も出品して稼ぎを取っている場合は、明らかに疑われますし、免許も税金も必要になりますので警察や税務署がきても言い逃れはできないでしょう。
・なぜ輸入は古物商許可が必要ないの?理由は?
ではなぜ、日本で販売しているのに輸入品は古物商の許可を必要としないのでしょうか?
それは相手の業者が海外だからです。
雑に言うのであればお金を払う場所が日本の法律も警察も適用外の所から買っているので、関係ないという言葉がしっくりとくるでしょう。
だから、海外の業者にお金を払ってアンティーク品やヴィンテージ品、国内で流通していないレアなブランド品を仕入れて転売をしたところで古物商に引っかかることはないのです。
ここに注意!意外と古物営業法に引っかかるパターン
では最後に、勘違いで古物営業法に引っかかってしまうパターンを2つほどご紹介しましょう。
どちらも知らないとついつい問題ないと思ってしまうので、注意が必要です。
・日本の業者から仕入れるパターン
輸入品であれば、古物商免許が必要ないと勘違いして『日本の輸入業者から仕入れたものを転売する』ということがあるようです。
が、これは古物営業法の管轄となり違法となります。
なぜなら日本の業者である以上、日本の法律の下でビジネスをおこなっているわけです。
適用されないのはあくまで『海外の業者』となりますので、ここに到っては輸入での仕入ではなくただの『国内の仕入』という扱いになりますので、古物商は必要となってきます。
・新品として販売するパターン
悪質な転売ヤーがよく『新品未開封』として人気商品をAmazonやメルカリ、ヤフオクで転売しています。
「新品だから古物商はいらないだろう」
と考える人がいますが、違います。
一度でも業者から転売屋が買った時点で未開封であろうと中古と同じ扱いになるので古物商免許が必要になってくるのです。
もっと厳密的にいえば、メーカー側が販売許可している問屋に関しては『新品』と同じ扱いになります。
が、転売屋はメーカーの許可なんて取っていませんし、消費者と同じ立場です。つまり、販売された時点で転売屋の物となったのと同義とみて、中古であるというのが法律的な見解になります。
要はただの『未使用品』というだけですね。
儲かるからと始めて何の知識もない場合、古物商許可を取っていない転売ヤーも多いんじゃないかもしれませんね。
まとめ
さて、海外輸入の古物商許可ということでまとめてみました。
どうせバレないから、あるいは知らないからと古物商許可を取らずに『せどり』といった副業をしている人は多いのではないかと思います。
海外の業者で買って国内で販売する分には問題ありませんが、そのノリで拡大して国内の物も売買しようとするのであれば警察署に許可を取りにいくことを忘れてはいけません。
物販しているライバーさんに尋ねると「古物商ってなに?必要?」という人もいるので、意外と知らない人もいるのではないかと思います。
日本の業者から買ったものを商売目的で転売すると古物営業法に引っかかりますので、注意をしましょう。
本記事が参考になれば幸いです。