何やらすすをかぶったように黒く汚れたような症状のあるすす病。
植物全般に発生する病気であるすす病ですが、はたしてこの病気はどのようなものでしょうか?
症状発生の原因や対策などをお伝えしていきましょう。
家庭菜園をやっていて、これ病気か?それとも害虫か?とどこかおかしいことに気が付いても、どういった病害か害虫にやられたのか分からないということが多々あるものです。虫害といっても、肝心の虫が見つからない。でもこのまま手をこまねい[…]
すす病とは?
カイガラムシとすす病です pic.twitter.com/Q1fBb7rD5g
— sakura (@5r0FPC19U4DklkE) May 26, 2019
果実や葉、枝の表面などすすがついたように黒く汚れてしまう病気が『すす病』です。
これが何かというと『カビ(糸状菌)』によるものとなります。
空気中のすす病菌が繁殖すると葉などを黒くし、増えれば増えるほど植物の光合成を阻害してしまいます。
つまり、植物にとって重要な太陽の光が得られなくなり生育に害になるということです。
もし景観を気にした樹木であれば、黒くなってしまうことで著しく美観が損なわれ、野菜であれば当たり前ですが美味しく育たなくなってしまいます。
【発生の原因は?】
すす病はカビが原因ですが、実はその前提にあるのがアブラムシやカイガラムシなどの存在です。
すす病というのは、彼らの排泄物を利用して空気中のすす病菌が繁殖・増殖したものです。
つまり、植物に寄生する害虫が根本原因ということですね。
【発生時期は?】
発生する時期は1年中起こりえる病気です。
特に、先に伝えたアブラムシやカイガラムシが発生する時期に関してはより発生の可能性が高いといっていいでしょう。
【発生しやすい植物は?】
ほとんどの植物全般になります。
毎日の管理によるすす病の対策とは?
すす病は伝染性の病気ですので、放っておくと次から次に広がっていきます。
ですので、最初の段階で防除するのが基本です。
すす状のカビや光沢のある排泄物を見つけたら、上部の葉や茎をよく見てみましょう。アブラムシなどの害虫が寄生している可能性があります。
かわいそうですが、植物にとっては大敵ですので早急に捕殺するしかありません。
そして黒いカビは発生初期であれば薄目の石鹸程度でふき取ることができます。幹のすすは、のちにはがれ落ちていきます。
カビですので、日当たりや通気性が悪く、湿度が高い環境であると発生がしやすいので生育環境には気を付けましょう。
葉が汚れていると思ったら早々にふき取るくらいでいいかもしれませんね。
すす病に効果のある薬品はなに?
さて、植物の病気の発生にはちゃんと対処できる薬品のスプレーが販売されています。
発生初期に早急に発見をして、すみやかに散布をしましょう。この病気の場合は主に害虫退治の薬品が主となります。
【ベニカXファインスプレー】
草花や庭木の害虫と病気を同時に胎児できます。害虫に対しては忌避剤効果があります。
けど、効果がある分、多量にかけると薬害が出るくらいには強いので食用には使えません。
・効果のある害虫や病気
- アブラムシ類
- チョウレンジハバチ
- チャドクガ
- タバコナジラミ類
- うどんこ病
- 黒星病
- ごま色斑点病
- 白さび病
など
・使用できる植物
- バラ
- キク
- サルビア
- ツバキ
- サザンカ
- カナメモチ
- ハナミズキ
- 花き類
- 観葉植物
【ベニカベジフル乳剤】
害虫の防除に効果的な乳剤です。吸汁性害虫から食害性害虫まで幅広く使えるものです。
水で150~1200倍に薄めてスプレーなどで噴射して散布し、被害部位から葉の裏まで使用しましょう。
・効果のある害虫や病気
- アブラムシ類
- シンクイムシ類
- ハマキムシ類
- カメムシ類
- モモハモグリガ
- ウリハムシ
- カキノヘタムシガ
- カキクダアザミウマ
- クリタマバチ
- クリシギゾウムシ
- ミカンハモグリガ
- オンシツコナジラミ
- ヨトウムシ類
- マメシンクイガ
- タバコガアオムシ
- コナガ
- ネギコガ
- ハモグリバエ類
- テントウムシダマシ類
- アワノメイガ
- イモコガ
- ダイコンハムシ
- ヤサイゾウムシ
- ハイマダラノメイガ
- フキノメイガ
・使用できる植物
- ウメ
- ナシ
- モモ
- カキ
- キウイフルーツ
- クリ
- 柑橘類
- イチジク
- ハマナス
- ネクタリン
- キュウリ
- ズッキーニ
- ニガウリ
- スイカ
- メロン
- カボチャ
- イチゴ
- ダイズ
- ピーマン
- トウガラシ類
- キャベツ
- ハクサイ
- ダイコン
- ブロッコリー
- カリフラワー
- レタス
- リーフレタス
- タマネギ
- ネギ
- アスパラガス
- 豆類
- サヤエンドウ
- ホウレンソウ
- シュンギク
- シソ
- オクラ
- トマト
- ミニトマト
- ナス
- ジャガイモ
- トウモロコシ
- サトイモ
- サツマイモ
- チャ、ソラマメ
- ミズナ
- ツルムラサキ
- 食用ユリ
- ゴマ
- 花き類
- 観葉植物
- ハボタン
- クチナシ
- 樹木類
【スミチオン乳剤】
園芸用の草木、庭木、野菜、果樹などにつく多くの害虫に効果的な殺虫剤です。
注意点としては、アルカリ性の強い農薬とは混合しないようにしてください。ちなみに、アブラナ科の植物には薬害が出てしまうのでかからないようにしましょう。
水で500~2000倍に薄めてスプレーなどで被害部位に噴射します。葉の裏までしっかりやりましょう。
・効果のある害虫や病気
- アオムシ
- バッタ類
- ハマキムシ類
- アブラムシ類
- カメムシ類
- ヨトウムシ類
- グンバイムシ類
- アザミウマ類
- クロウリハムシ
- ハモグリバエ類
- ウリハムシ
- コガネムシ類
- コウモリガ
- アメリカシロヒトリ
- カイガラムシ類
- ケムシ類
- ワタノメイガ
- コガネムシ類幼虫
- テントウムシダマシ類
- ネギオガ
- カキノヘタムシガ
- フジコナカイガラムシ
- イラガ類
- ミノガ類若齢幼虫
- ブドウスカシバ
- ブドウトラカミキリ
- モモハモグリガ
- オリーブアナアキゾウムシ
- センノカミキリ幼虫
など
・使用できる植物
- トマト
- ナス
- ジャガイモ
- キュウリ
- メロン
- スイカ
- カボチャ
- タマネギ
- イチゴ
- ホウレンソウ
- モロヘイヤ
- ネギ
- 未成熟ソラマメ
- 豆類
- サヤインゲン
- サヤエンドウ
- ラッカセイ
- アズキ
- トウモロコシ
- サツマイモ
- カキ
- ウメ
- サクランボ
- 大粒種ブドウ
- ミカン
- モモ
- リンゴ
- ナシ
- オリーブ
- ウド
- タラノキ
- 花き類
- 観葉植物
- 樹木類
- 芝
- バラ
- キク
- ツツジ
- カーネーション
- 宿根カスミソウ
- アスター
- ソリダゴ
- シネラリア
- スターチス
- キキョウ
- リンドウ
- センリョウ
- コデマリ
- シキミ
- ニシキギ
- シャリンバ
- ダイオウショウ
- サカキ
- サツキ
- サンゴジュ
【カイガラムシエアゾール】
その名の通り、カイガラムシの専門薬です。貝殻の中への浸透性があり、越冬成虫にも効果的です。
殺虫効果も一ヶ月程度持続し、一年中使えます。
・効果のある害虫や病気
- コナカイガラムシ類
- ツノロウムシ
- ロウムシ
- ルビーロウムシ
- サルスベリフクロカイガラムシ
- バラシロカイガラムシ
- イセリヤカイガラムシ
などカイガラムシ類
・使用できる植物
- 庭木
- 花き類
- 観葉植物
- 洋ラン
まとめ
さて、すす病についてまとめてみました。
原因は植物につく、にっくき害虫というのがすごく嫌ですね。元々害虫は退治するに限りますので、見かけたら早急に対処しないと被害が広がっていくのではないかと思います。
本記事が参考になれば幸いです。