パソコンやインターネットが普及してから一気にその市場を伸ばした通販ですが、送料無料が最近では当たり前となってしまいました。
いまでは送料無料ではないと、その売り上げが落ちるとまでいわれています。なぜでしょうね。
今回は、そんな『送料』の話をしていきたいと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
送料は高い!しかし、送料を無料にしないと売れない?
通信販売の市場が伸びるにつれ、宅急便・宅配便事業もかなりその売り上げを伸ばしています。
そして皆がよく知る『Amazon』という世界中で最大規模の通販サイトを中心に、送料無料が当たり前になってきましたよね。
先に言っておくと、別に郵便局もヤマト運輸も佐川急便も、その他多くの配送業者も送料を安くしているわけではありません。むしろ、高いです。
コンビニや、持ち込み、集荷などをしてもらって最近送ったことがある人はわかると思いますが、ちょっとした荷物でも800円とか1000円とか当然に取られますし、企業向けの見積もりでも550円以下を見たことはありません。
もちろん、Amazonのような毎日物凄い金額を動かす通販サイトであれば、その配送金額も大口顧客ということで安くなるでしょうし、それで一度ヤマト運輸と揉めたことがありますよね。
それくらい輸送費もかかれば、人件費もかかるのが通販における配送システムなのです。
といっても、具体的な金額がわからないと想像がつかない人もいるでしょうから、下記にフリマサイトであるメルカリの送料金額一覧を表にしてみました。
・ヤマト運輸 メルカリ送料
種類 | サイズと重量 | 全国一律料金(税込) | 発送場所 |
ネコポス | 角形A4サイズ (31.2cm×22.8cm)以内 厚さ3cm以内 ※最小サイズは23cm×11.5cm | (~1kg)175円 | ヤマト運輸営業所 セブンイレブン ファミリーマート 宅配便ロッカーPUDO メルカリポスト ポストプラス |
宅急便コンパクト | 【専用薄型BOX購入】 縦24.8cm×横34cm 【専用BOX購入】 縦20cm×横25cm×厚さ5cm以内 | 380円 (専用BOX70円) | メルカリポスト ポストプラス ※宅急便コンパクトのみ
ヤマト営業所 セブンイレブン ファミリーマート 宅急便ロッカーPUDO 自宅集荷(+30円) |
宅急便 | 3辺合計160cm以内 ※重量はサイズにより異なる | 60サイズ(~2kg)700円 80サイズ(~5kg)800円 100サイズ(~10kg)1,000円 120サイズ(~15kg)1,100円 140サイズ(~20kg)1,300円 160サイズ(~25kg)1,600円 | |
梱包・発送 たのメル便 | 3辺合計 ※450cm以内 | 80サイズ 1,700円 120サイズ 2,400円 160サイズ 3,400円 200サイズ 5,000円 250サイズ 8,600円 300サイズ 12,000円 350サイズ 18,500円 400サイズ 25,400円 450サイズ 33,000円 | 自宅集荷 |
・ゆうゆうメルカリ便
種類 | サイズと重量 | 全国一律料金(税込) | 発送場所 |
ゆうパケット | 3辺合計60cm以内 (長編34cm以内,厚さ3cm以内) | (~1kg)200円 | 郵便局 ローソン |
ゆうパケットポスト | 【専用箱を購入】 縦32.7cm×横22.7cm×厚さ3cm | (~2kg)200円 (ゆうパケットポスト専用箱65円) ※郵便局・ローソンで購入価格 | 郵便ポスト |
ゆうパケットプラス | 【専用BOX】 縦17cm×横24cm×厚さ7cm | (~2kg)375円 (専用BOX65円) | 郵便局 ローソン |
ゆうパック | 3辺合計 ※100cm以内 | 60サイズ 700円 80サイズ 800円 100サイズ 1,000円 |
システムの力を借りても、要はこれくらいは一般的にかかるのが普通ということです。
適当に何も考えず、フリマで転売副業をするという人もいますが、ここが落とし穴で送料赤字になってしまうことも少なくはないのです。
いまやメルカリ・ラクマ・PayPayフリマと出品して便利に個人間取引ができるツールがあります。利用している人も少なくはないのではないでしょうか?そして、ちょっと『せどり』や『輸入ビジネス』を始めてみようという人も利用している[…]
さて、それなのになぜどこも送料無料で商品を出すことができるのでしょうか。
答えは簡単です。
「そうしないと売れないから」
です。
というのも、Amazonがそれなりに安く世界的に送料無料で販売しているので、一般の通販サイトが送料別で同じ値段で販売したら、当たり前ですがAmazonで誰もが買いますよね。だって送料分安いのですから。
対抗する為には、同じ土俵に乗らなければならないわけです。
本ブログ管理人も以前、メルカリ教室に行ってきましたがそのお姉さんから、
「送料別は売上率がかなり下がります」
といわれたことがあります。
本ブログを立ち上げ以降、いくつかの副業にお試しで手を出してきた管理人ですが、今回はメルカリ教室なるフリマサイトであるメルカリが主催するセミナーの出品・実践編へと参加してきました。内容に関して詳しいことをお伝えすることは規約上ダメです[…]
個人売買でも送料別は難しいようですね。
それと、こんな話があります。
全世界で通常の配送は無料をうたっているAmazonですが、フランスだけは送料をとっていました。
その頃は売り上げがなかなか伸び悩んでいたのですが、送料無料に切り替えた途端に売り上げが大きく伸びたという話です。
つまり、それだけ送料無料というのはユーザーにとっては購買行動に移すくらい魅力的なサービスであるということですね。
その一方で、商売する側にとっては常に頭を悩ませる販売リスクということです。
なぜ送料無料にできるの?
さて、それではそもそもなぜ販売者側は送料無料とすることができるのでしょうか?
一般的に高い送料がかかるのは、先ほど見ていただいた通りですし『売れないから』という理由もあげましたが、採算がとれないのなら販売してもしょうがないじゃないか、という意見もあるのかと思います。
そうですよね、売れれば売れるほど赤字を出してるのではいつか潰れてしまいます。
その理由のひとつが、
「送料を含めても利益が出せる金額設定にしている」
という単純な理由です。
仮に5,000円で仕入れたものを6,000円で売ってしまうのなら、商品の大きさにもよりますが配送料や人件費や箱代などを考慮すると赤字であることが多いでしょう。
が、5,000円で仕入れたものを10,000円で売る分にはまだ十分に利益がとれるわけです。
しかし、送料別ということで10,000円にさらに1,000円の送料を別途請求すると今度は急激に売れなくなるわけです。
だってお得感がないのですから本当に必要だと感じたもの以外はおそらく二の足を踏む形になってしまうでしょう。
とすると、販売者側の販売方法は三種類です。
- そのまま送料別で販売する
- 利益を削って送料無料にする
- 送料を含んだ金額で出品する
販売者側としては1円でも高く売りたいのが本音ですが、売れなければどうしようもありません。
ですので、この3種のいずれかを市場相場を見つつうまく値段と利益の兼ね合いを考慮して販売していく力が必要になるのです。
販売者側にとっては、いかに利益を計算できるかが勝負というわけでザルな販売では商売が成り立たなくなってしまうというわけですね。
送料無料の裏には、苦労が隠れているわけです。
送料というリスクを転じて販売額を増やす方法
ここまでは送料は利益を削るか商品を高くしなければならない要素で頭を悩ませるほどに厳しいという話をしてきましたが、実は『ゼロコスト効果』というものを利用すれば、販売額を少し引き上げることができるのです。
それは、
「〇〇円以上送料無料」
という文言です。
とはいえ、何でもかんでもこれがあれば購買欲が上昇するわけではありません。
買い手が欲しいと思う魅力的な商品があり、かつ相場もそこそこあるいは安い金額の商品を扱っていて、閲覧ユーザーがちゃんといるといったある程度の商売の条件が揃っている場合に限ります。
そもそも、高くて欲しいと思える商品もなく、さらに見られてもいないECサイトなんてどんな条件を加えようが誰も買おうとは思わないでしょう。
しかし、その条件が揃っていると意外と売上を伸ばせるのがこの『条件付送料無料』なのです。
たとえば、欲しいものをカートに入れて、
「あと数百円で送料が無料になります」
といわれたらどうでしょうか?
送料で余計な1000円をとられるくらいなら、あと数百円分くらい適当なのを買ってしまおうという気持ちになりませんか?
仮にそれがすぐに必要のないものでも、思わず買って得した気分になるのが一般的消費者の思考傾向なのです。
ということは、必然的に販売者側の売上もその分あがるわけですし、ついで買いの金額が高ければ高いほど利益も上がるわけです。
買い手側としても余計な送料というコストをかけたくないので『ゼロコスト効果』と呼ばれています。
いや、ちょっと待て!それっていくら追加で買って貰ったとしても販売者側が送料分損しているじゃないか!!
と考える人もいるかと思いますが、それそのものが考え方の違いです。
そもそも、この方式ならば、
「販売者側が無理して低額のものでも送料無料にする必要がなくなる」
という利点があるからです。
本来でしたら、Amazonみたいに一部を除いてほとんどを送料無料にしなければ売れない。けど、低額のものを送料無料にしたら送料赤字になってしまう。それでも欲しいのなら送料払ってでも買うので販売者側は損しません。
一方で、〇〇円以上送料無料の額くらいであれば、販売者側も『無理して』送料を無料にするというという値段帯からは外れますので本来の売れやすい送料無料効果を発揮し、お得感を演出して購買欲を刺激させます。
そして、そのお得感を感じる為についで買いも誘発できるわけです。
本来は送料無料で出さないと売れない物でも、条件をつけてこのようにまとめ買いをさせることで売れやすくもなるでしょう。
つまり、送料が無料になったからといって販売者側としてもそれなりの売上額を確保できるので別に損というわけではないということですね。
マーケティングにおける都合のいい心理操作といっていいのかもしれません。
まとめ
さて、送料無料の話をまとめてみました。
購入者側としては送料無料が本当に当たり前の時代になってきました。
ちなみに、管理人もメルカリ教室に行ったことがありますが『送料別はまず売れません』と言われました。
販売者としては経費になるのでキツイ送料ですが、仕入れも売りも利益計算をしっかりできないと、継続した商売は難しいということですね。