デパートなどで料理をした試食品を渡していたり、駅前で新作の試供品を渡していたりとタダで食べさせてくれたり、品物を貰えたりしますよね。
お腹が空いていた時や、ちょっと必要だったときはラッキーと思って積極的に貰う人もいれば、タダだろうといらないと断る人もいます。
さて、この試食や試供品といったサンプルを渡すことにどのような効果があるのでしょうか?
今回は、マーケティングにおけるサンプルの効果について話をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
試食や試飲、試供品の配布には販売促進効果がある!
スーパーやデパ地下などでトレーの上に小さなアルミ皿を乗せて、ウィンナーやポテトなど試食を促して勧めてくる人がいます。
お腹が空いていたからラッキーと思っていただく人もいるでしょうし、食べたら勧誘をされるとスルーするような人もいるでしょう。
他には駅前などで、新商品キャンペーンをうたって例えば、通常の商品より小さな歯磨き粉やジュースのサンプルをくれるメーカーの人あるいは、そのメーカーに雇われた人がサンプルを配っています。
どちらも一生懸命に配っているので受け取りたくなりますし、タダで食べられたり手に入るのならもらいたいところです。
が、その後に話しかけられたり勧誘されたりするのは何となく面倒くさいというのが先にきて無視する人も少なくはないでしょう。
さて、このサンプルを配るという行為ははたしてどれだけの効果があるのでしょうか?
結論から言うと、マーケティングにおいて相手の心理に働きかけるのでかなりの効果があります。
①知らない物より知っている物を人は購入する傾向が強い
まずそもそも、人は自分が知らないものを買うよりも、名前だけでも知っているものを優先して購入する傾向があります。
たとえば、インスタントコーヒーを選ぶときも飲みなれたものをつい毎度買ってしまうのではないでしょうか。
そういった意味では、テレビCMなどは広く新しい商品の名前を購買層に知って貰う為にもお金はかかりますが非常に有効な手段です。
たとえどんなCMでも視聴者の記憶にわずかにでも残れば、横並びの知らないブランドの商品よりCMをうった知っている商品を選ぶ可能性が上がるのですから販売促進に間違いなく繋がります。
では、試食販売や試供品はというと
「味を知ってもっと食べたい、物足りない」
「便利だったからまた使ってみよう」
という心理が働き、そのお客さんはその場あるいは後からでも思い出して買ってくれる可能性が上がるのです。
だって、味を知らない食べ物や、使い勝手を知らない物にいきなりチャレンジするくらいなら『安定』を求めていつものを買ってしまうのがオチです。
となると新規層はなかなか取れませんし、新商品であるのなら新しいものにチャレンジする人は限られてしまいますので、なかなか買ってくれる人が増えるまで時間がかかってしまいます。
だからこそ、知らない層を『知っている層』に変える為に、先行投資として商品を無料で渡してまずは浸透させるのです。
これは、試食品・試飲品・試供品とどれにも共通することとなります。
②試食は好意の返報性も効果としてあらわれる
なにかをしてもらったら、なにかをして返してあげたい。
まともな人間であれば、恩義を感じたら気持ちに応えようとするという心理作用があります。
これを『好意の返報性』というのですが、一般的にマーケティングにおいて一生懸命頑張っている姿を見せられると何か応えてあげたくなる人情的な心理と大差はありません。
さて、これが試食であればどうでしょうか?
タダで食べさせてもらうことで、小さくとも『恩』を気付かずに感じてしまうところは必ずしもあるはずです。
それを感じてしまうからこそ、試食や試飲の後って不思議とセールストークを受けても断りにくいんですよね。
つまり、試食で食べさせてもらった小さな『恩』を購入という形で、少し大きな『恩』として返させるのがこの心理的なマーケティングシステムというべきところでしょう。
もちろん、毅然といらないものはいらないと言える人もいるでしょうが、そういう人ばかりではなく、一定数は購入に到るのは間違いはありませんし、断った人も味を後から思い出して後々のお客さんになるかもしれません。
そういったことを考えると、ダイレクトにお客さんを掴むという非常に効果のある商品PRの方法と考えて差し支えはないかと思います。
まあ、タダより高いものはないといえなくもないですね。
まとめ
さて、試供品や試食の効果についてまとめさせていただきました。
これもまた、初見の人を購入層に変える為の有効な施策といっていいかと思います。
いきなり知らないものを買うのは勇気がいりますし、心の中では失敗したくないという気持ちがあるので結局いつもと同じものを選ぶのが一般的な考え方です。
そんな他商品のリピーターを新規の購入者として迎え入れるにはやはり実際に一度食べてもらったり、サンプルを使ってもらって気に入ってもらうのが一番なのでしょう。
本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。