クレームは個人に怒っても意味がない?効果的なクレームの入れ方

世の中には、悪質なクレーマーというのが存在しますが、度を越えずその理由が正当なものであれば悪質ではありません。

例えば頼んだものを放置される。態度が悪すぎる。一般的なルールから外れたようなことをされる。そんなあまりにふざけた対応をされた場合、怒りますよね。

でも実は、その場で個人に怒ってもさして意味はありません。それはなぜなのか。

本記事ではそんなことをつらつらと書いていきたいと思います。読み物として参考になれば幸いです。

 

クレームは個人にしても意味がない!

これはダメですNO

お店や会社などで誰かにクレームを入れた。あるいは、クレームを入れられてしまったことってありますか?

それがキチンと正当な物であれば、クレームを入れても構わないでしょうしクレームを入れられて反省することもあったかもしれません。

しかし、何度言っても改まらないこと。まったく反省の態度がないようなことってありますよね。

残念ながら店員や一般社員の『個人』にクレームをしたところで、「面倒くさいな」と思われるのが普通です。下手をすると裏で相手にバカにしているようなこともあるかもしれません。

クレームを受けたからといって、真摯に受け止めて改めるような人って余程誠実な人しかいないんですよね。そして、そんな誠実な人であればそもそもクレームを出すような対応はしません。

なので、明らかに反省の態度がないような人ってその場限り謝っておけばいいというような調子のいい人達が多いんです。そういうのって、何となく感じられませんか?

そして会社というのは、クレームは第三者目線での貴重な意見として認識しています。少なくても、ISOという国際的なマネジメント規格を取っているような会社はそういう考え方をしなければなりません。

たとえば、カルビーといった大企業のお客様相談室に入ったクレームに対し、カルビーはこのような本を出してます。

カルビーお客様相談室 クレーム客をファンに変える仕組み 

まさに本のタイトルの通り、クレームをチャンスに変える為のお客様相談室での経験が書かれている本です。

つまり、企業というものにとってクレームというのは問題社員を洗い出したり、商品の不備などを知らせてくれる貴重な情報でもあるんですね。

だからといって、商品の悪さならともかく、社員の問題でその問題社員個人に怒ったところでそれが会社に伝わることはないでしょう。せいぜいがお店単位、事務所単位止まりというのが普通です。

だって、それはそうでしょう。自分達の対応の悪さをわざわざ会社に伝えて評価を落とすことはないでしょう。だから部下の責任は、上司の責任になってしまうのでさらに上にわざわざ自分の落ち度を伝えるということはしません。

連帯責任で給料が落ちるかもしれないし、ボーナスが下がるかもしれません。クレームの内容によっては昇進に影響があるかもしれません。

しかし人間の性質ってなかなか変わりませんので、ほとぼりが冷めたらもとに戻るのが普通です。

なので個人、あるいは大きなチェーン店であれば店舗単位でクレームを入れても記録にも残らないし、自己保身を最大限に考えてなかなか改善にはつながらないんですね。

だから個人に怒っても効果はあまりないんです。

 

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効果的なクレームの入れ方

ビジネスマン

個人やお店単位でクレームを入れても効果がないと言いましたが、他にそこのお店しかない場合、担当エリアが変わらない場合はそこを利用するしかありませんよね。

ならば、改善してもらうしかありません。ただし、人間誰だってミスをするものです。

ただ故意でもなく、仕方ないことがわかっていながら理不尽に自分の感情に任せただけのものや、ストレス発散などといった行為はただの悪質クレーマーですので気を付けましょう。

しかし、明らかに自分に損失がある場合や自社に損失がある場合は改善してもらわないと困りますよね。その場合は、クレームを入れざるを得ません。

でも先にお伝えしたように、個人や店舗・営業所にクレームを入れたところで握りつぶされてしまうのがオチです。これでは改善してもらうことは見込めませんし、何度も入れているとただのクレーマー扱いをされてしまいます。

ならば、ISOに照らし合わせて会社の問題にさせてしまうのがとても効果的です。

つまり、『記録に残るもの』で『クレームの内容』が確実に会社に伝わるものを使えばいいのではないでしょうか。

さすがに個人経営を相手には無理でしょうが、今どきはちょっとしたところであればホームページを開設している会社がほとんどですよね。

そして必ず『問い合わせ』という項目があるはずです。

入れるのはそこです。あるいは、社長室など上なら上であるほど効果的ですので、探してみるのもいいかもしれませんね。

なぜなら、水は上から下へと流れていくものです。会社の組織もそれと同じで下から上にというのは、なかなかできませんが上から下にはとても速く対応をするものです。そうでないとお客さんが逃げてしまいますから。

ヤバい情報程、迅速に。それが上役であれば下から早々に連絡を貰いたいものですが、クレームを出すような適当な人間は改善もしなければ、上に報告するようなことはまずしません。それがないのであれば直接連絡が入らない限り、上役に伝わることはないし会社としての改善は見込めません。

しかしウェブからの問い合わせなら、記録にも残るしISOに加入していれば対応しなければいけません。たまたまでも、それが監査員の目に留まって対応していないと分かれば指摘を受けてしまうのです。

ですので、その為にも上は必ずクレームの情報は見るものなんです。

だからといって、何を書いてもいいわけではありません。内部で確認は必ずしますので事実にそぐわないようなことを書いてはただの営業妨害です。

なので、『誇張のない事実のみを書くこと』と『怒っていること』を『丁寧に』伝えましょう。

いくら怒っていても感情に任せて暴言などを書いてしまえば、悪質なクレーマーとみなされてしまいますので注意が必要です。

ちなみに、いくら上役が指示を出したとしても下の立場としての感情としてはサッサと終わらせたり、できるだけ言質を記録として残したくないものです。なので、「一度嫌だけど電話してしまおう」と電話だけして終わらせようとする人は多いです。

その対応で満足できるのでしたら、そうしてあげた方がお互いにとっても無難ではあるでしょう。

けど、人は繰り返すものですし、担当が変わるとポンッと忘れてまた酷い対応に舞い戻ってくることが多々あります。

その場合、電話で謝られたところで納得はしないでしょう。そして、会社側にも誠意はまったく感じられませんね。

そういったことを繰り返すようでしたら最終的に『記録が残る文書でください』と依頼した方がその後の為です。

だって後々にもそれが残るわけですし、そういう改善をしますという証拠になるわけです。そこまでして繰り返し、できていなければその対応した上の無能っぷりが明らかになるだけですので、文書提出した上役は少なからず意識改善をせざるを得ない状況になるわけです。

やりすぎ、と思うのでしたらそこまでしなければいいですし、それくらいやらなければ改善しないと思うのであれば、これくらいまではするべきではないでしょうか。

相手によっては効果を期待する為に、やらなければならない時もあるものです。

 

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クレーム問い合わせ改善事例

電話

では、あまりに酷い状況に対して管理人が問い合わせ機能を使って改善した事例をお伝えしましょう。

おそらく二件とも正当なクレーム内容ではないかと思います。

【クレーム改善例 とある寿司屋】

すでに潰れてしまいましたが、とあるチェーン店の寿司屋の話です。

入店しても挨拶もなくなり、会計にもなかなか人が出なくなったそのお店。ほとんどアルバイトで回しているようなところでしたし、安くなければ行く理由もないなと思い始めたある日のこと。

月数回、基本的に持ち帰りを選択してたまに家族で一緒に食べるくらいの頻度でしたが、いつものように持ち帰りを頼んだのです。

そうしたら、

「また拾い(持ち帰りのこと)の客かよ」

と吐き捨てるような声が奥から聴こえてきたのです。

正直、普段の対応の悪さも含めてかなりイラッときました。しかしこれは奥から聴こえてきた声ですし、レジの会計の人に怒ってもただの理不尽です。

ですので、ウェブサイトを探してあったこと、そして普段の対応を事実のみ記載して「もう二度と行かない」と添えて投稿しました。

残念ながらそのサイトは意見を受け付けるだけのものだったので、そもそも返信用のアドレスを記載する欄はなかったので返信は当然ありません。

そして約3週間後。

たまに一緒に食べに行っていた友人からメールがあり、かなり変わっているということが書いてありました。

入店すれば従業員一同から「いらっしゃいませ」と小気味のいい挨拶があり、キビキビと接客対応をして雰囲気がかなりよくなり、見かけていた元いたアルバイトらしき従業員はほとんどがその姿を消していたそうです。

それがたまたまかはわかりませんが、タイミング的にはクレームにより改善されたのではないかと思います。

状況から察すると、本社などから監査が入り、指導員がきて社員の従業員指導。アルバイトはクビになったか、研修させられているかなどではないかと思います。

お店側としては、結果的に品質向上につながったので双方にとってクレームの価値はあったのではないかと思います。

【クレーム改善例 とある宅配便業者】

これはある宅配業者の話です。

それまでは午前指定であれば、朝の9時までには届けてくれる担当者でとても満足していました。

しかし、ある日を境に担当者が変わったみたいで遅くなりました。しかも当たり前のように13時から14時に届けるようになってしまったのです。

それが午前指定であるのにも関わらずに、です。

当然ながら担当者に直接文句を言いましたが、数日すればまた戻るという酷さです。しかも、怒られても不遜な顔をするだけ。

そこで、サイトから問い合わせ機能を使って直接クレームを入れ、連絡先を入れました。

入れてから数時間。担当者の上司と名乗る人から連絡があり、担当者に状況を確認をしてからかけてきたとのことでした。

その報告では担当者に確認したところ「忙しいから後回しにした」と言ったそうです。

ええ、たまにでしたら遅くなるのも構いません。人がやっている以上、そういうこともあるでしょうからね。

しかし午前指定の荷物を連日で遅れ、直接面と向かって言われても改善しようとしない態度は故意か、クレームなんてどこ吹く風だったのでしょう。

その担当者の上役は必ず、遅くても午前中には間に合わせると約束しました。

結果として、ちゃんと午前中には届くようになったのです……2ヶ月程度は。

まさに振り出しに戻る。また当たり前のように遅くなっていきます。勿論、遅れても一言も謝りません。

なので、確実に記録が残るよう、改めてウェブの問い合わせから連絡。またしても、担当者の上役から連絡が。

そして、どうやらその担当者の上は変わっていたそうです。

なるほど。この担当者は元の上役に言われていたからやっていただけで、客を舐めているのは変わらないということだったんですね。

ですので、今度は後釜の上役に「今後、そんなふざけた態度にならないよう貴方の責任で文書で提出しろ」と要求を入れます。

さもなければ、また上が部署移動などで変わったりしたら元に戻るだけでしょうからね。

さすがに記録に残るもので名前を残されてしまったら、部署移動しようがその会社に所属している限り、約束した証拠として引き合いに出されてしまいますのでやらざるを得ませんから。

時間指定は努力目標とのことですが、宅配便のようなサービス業は基本的に客との約束なので届けられるエリアであれば要望を叶える為に最大限努力をしなければいけないそうです。

だから、無理なら無理と集荷時に言うのですが受け取った以上はやらなければならないというのが、宅配便の時間指定というサービスなのです。

なので、このクレームで即担当者は外され、時折遅れる日はあるものの時間指定内で届くようになりました。

仕事というのは到着時間によって不利益が出ることもあるもので、なんとかその後は時間的不利益はなくなったといえるでしょう。

つまり、このような文句を言っても意味のないようなろくでもない相手でも、直接言えば個人対個人ですが会社を巻き込めば、会社として対応をしなければならないので有効であるといういい事例ですね。

 

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まとめ

さて、クレームの入れ方について書いてきました。

悪質なクレームはともかく、正当なものであればドンドン入れてしまっても構わないのではないかと思います。企業側もそうでなければ消費者の意見が入ってこず、改善も何もできません。

一定数は必ず客なんてどうでもいい、仕事なんて金さえ貰って適当にやっていればいいと思っているような品質の低い人がいるので、状況に合わせてクレームの入れ方も変えた方がいいのかもしれませんね。

本記事が何らかの参考になるのでしたら幸いです。

 

 


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