電話で多くの人が一番最初に話すのが『もしもし』です。
さて、ふと疑問に思ったことはありませんか?なぜ『もしもし』という言葉なのでしょうか。
今回は、そんな電話の不思議な『もしもし』という言葉について話をしていこうと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
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電話のもしもしは不思議な日本語
人間がした発明のうちでも、電話というものはまさに大発明といってもいいでしょう。
かつていまのように電話もメールもなかった時代には、手紙を一生懸命に書いて送り、数日経たなければ相手にメッセージが伝わらなかったのに、いまやスマートフォンで手軽に相手を呼び出して手軽にメールや直接話ができる時代です。
考えてみれば凄い話です。
1800年代中頃に開発され、日本でも1890年には電話局が開設されて以降、時代と共にたった100年ちょっとでここまで進化したのですから。
固定電話しかなかったのが、携帯、スマホとここ2~30年くらいで目まぐるしく変化しており、仮に1980年くらいからずっと刑務所生活でようやく最近外に出たとしたら、電話機ひとつとっても時代の変化にクラクラするんじゃないでしょうか。
さて、海外では挨拶の定番と言えば『ハロー』であり、これは電話でも基本的な第一声としては変わりはありません。
その一方で、日本では電話の最初の挨拶に「こんにちは」という人は……まあ、いないわけではないでしょうが多くはありません。
「おはようございます」や「こんばんは」も仮に第一声で言うとしたら、いつも電話しているような親しい人くらいでしょう。
そう、ついつい日本人が言ってしまうのは、
「もしもし」
という謎の言葉です。
もちろん、第一声で使わないし。大体「はい」と短く言ってでるよ。
という人も少なくはないと思います。
が、突然電話が切れたときや、電波が悪いなどで相手の声が聴こえづらいときにうっかり、
「もしもし、聞こえますか?」
と発してしまうという人が大半ではないでしょうか。
それそのものが単語と言うわけではないのに、何やら奇妙な日本語ですよね。
電話以外でも使うことはありますが、わかっているのは相手に呼びかける日本独特の言葉というだけです。
もしもしの言葉の由来とは?
意味もわからず、そういうものだということで「もしもし」という言葉を使っている日本人。
そうですね、それが当たり前の状態なわけですから違和感もなければ、奇妙と思うこともないですが、冷静に考えるとやはり単語としては不思議な言葉なのは間違いありません。
実は、この言葉の起源も完全にはわかっていませんし、その理由も諸説あって定まってはいません。
気が付いたら「もしもし」という言葉が普通になっていた、というわけです。
現在いわれている一番信ぴょう性が高いものとしては、
「申します、申します」
「申す、申す」
というのが崩れて「もしもし」になったという説です。
電話が普及した時、さすがに今みたいに超高性能でクリアな音声を相手に伝える技術は、先にちらりと話をした1800年後半にはありませんでした。
まだ明治時代の中頃という時代背景を考えると、むしろ電話という通信手段で音声を離れた場所に伝えることができるだけでも想像するだけで凄いことです。
当然、いまに比べると圧倒的に相手の音声が聞き取りにくいわけです。
ですのでこれから話をしますよ、ということで「もうします」あるいは「もうす」を二度言ってから話始める言葉が必要だったわけですね。
そういった意味では、会話の前置きということで、
「もしもし〇〇だけど」
と無意識に言う人は結構いるかと思います。
しかし、いつ頃からどのような形で「申します」や「申す」が「もしもし」に変わったのかは定かではありません。
「も……ザザッ……し……ザザッー……も……ザザッー……し……ザッ……す」
のように、音声が途切れまくって聞こえた声を拾っているうちに「もしもし」になったのかもしれませんし、
「もすもす?」
というような活舌の悪い人や、なまっている人が最初のキッカケになったのかもしれませんね。
まとめ
さて、電話の「もしもし」についてまとめさせていただきました。
本当に冷静に考えると、妙な単語ですよね「もしもし」って。
突如としてポンッと出てくるようなものではないので、確かに「申します」や「申す」が崩れたり聴こえづらかったというのが自然かと思います。
それがいつの間にか定着しているというのはこれもまた、凄いですね。
本記事が参考になれば幸いです。