よく栄養ドリンクなどで、
「1000mg配合!」
のようなうたいもんくで言われることがありますよね。しかし、冷静に考えるとたった1gしかないわけですし、粉末換算でほんの爪先程度の量しかないわけです。
はたして、なぜこのような大げさな言い方をするのでしょうか。
今回は、そんな数字が人に与える印象について解説をしていきたいと思います。
本記事が参考になれば幸いです。
数字が大きい方が何だか量が多いようにみえる
改めて、よく栄養ドリンクなどで1gのことを1000gなどと表記し、
「タウリン1000mg配合!!」
といった宣伝文句で販売がされていたりします。
代表的なリポビタンDとかですとそうですし、他の栄養ドリンクでも似たような表現を使っていますよね。
うっかり徹夜をしてしまって翌日の仕事や授業に響くことはありませんか?そんなときにはリポビタンD!かつて24時間働けますか?とリゲインがかつて栄養ドリンク市場に入ってきたときにCMでそう流していましたが、この働き方改革の時代。そんなブラッ[…]
他にはたとえば、
「レモン〇個分のビタミンが含まれて~」
「一日分の野菜が摂れる」
「東京ドーム〇個分の面積」
などといった、大きな表現が使われて商品のパッケージなどに書いてあることもあると思います。
これを見た人は、何だか凄そう!と思うわけですね。
しかし、冷静に考えてみると1000mgはたった1gですし、レモン一個に入っているビタミン量ってどれくらい?一日分の野菜って基準は?東京ドームって大きいのはわかるけどそもそも、どれくらいの大きさ?
と具体的にはよくわからないですよね。
しかし、
「タウリン1g配合!!」
といわれるよりも、
「タウリン1000mg配合!!」
といわれた方が言葉の印象としては沢山入っているように感じますよね。
その数字の大きさが、人に大きな印象を与えるマジックなのです。
表現を変えたところで、グラム数は変わらないわけですが『1』よりも『1000』の方がはるかに大きく「なんかよくわからないけど凄い!」と感じやすくなるのは様々な実験などでわかっていることです。
これは『シャルパンティエ効果』と呼ばれるもので「シャルパンティエ=コゼレフの錯覚」あるいは「大きさ=重さの錯覚」と呼ばれるものがあります。
たとえば、1kgの鉄球を想像してみていただいたとして、その横に1kgの綿があったとしてどちらが重そうか?と問われると多くの人間が鉄球の方が重いと思えてしまうのです。
1kgの綿なんてかなりの量ですがやはり、綿は軽い物。一方で鉄は重いという先入観も相まって仮に同じ重さだとしても鉄球の方が軽いと錯覚してしまうのでしょうね。
このように、人に与える印象というのは物や数字の大きさによってたとえ同じものだったとしても変わってきてしまうということです。
他にもある!数字の印象操作
さて、数字の大きさによる誤認について述べてきたわけですが、我々の生活において気が付かないだけで様々な印象操作による宣伝文句が存在します。
仮にある会社が自社の宣伝、あるいは商品がその業界における立ち位置をあらわすために表現するとして、
「業界シェア第4位!!」
といわれたとしましょう。
すると思うことといえば、
「んっ?あれ?大したことなくね?まだ上がいるんだよね?」
と何だか微妙な気分になってしまいますし、場合によってはもっと上位のところの方が信頼できると探しに行ってしまうでしょう。
まさに正直者が馬鹿を見る状態になってしまいます。
一方で、
「業界トップクラス!」
と書かれたらどうでしょうか?仮に4位だとしても、ユーザー側は上の方なら1か2位だろうと勝手に誤認してくれるのです。
他の例をあげるとすると、
「1割の人にサービス券が当たります!」
といわれても、どうしても当たりが出るようには思えません。
むしろ、ケチという印象を与える可能性があります。
それに比べたら、
「10人に1人、サービス券が当たります!」
「100人に10人、サービス券を進呈!」
と伝えた方が何となく当たりやすい印象になるのではないかと思います。
このように、同じ数字であっても工夫次第で相手に与える印象と言うのは大きく変わって、売上にも影響がかなり出る為に企業はうまい宣伝文句を考えて広告をうっているのです。
逆に言えば消費者は、そういった数字のマジックによる心理作用で凄いように見せられている、ともいえるでしょう。
まとめ
さて、数字が心理的に与える印象についてをまとめてみました。
マーケティングにおいて、このように数字が人に与える印象が大きく売り上げに作用し、利益を生み出します。
消費者側は気が付かないだけで、このような宣伝の資格情報で誤認をして「凄い」と思わされているわけですね。